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2023.03.17

裁判における科学的証拠としての妥当性や許容性はどうあるべきか? サイバー犯罪の科学的証拠をめぐる課題 シリーズ勉強会「デジタル・フォレンジック鑑定と向き合うために」

第5回(最終回)『デジタル・フォレンジック鑑定の証拠能力』
< 3/25(土)18:00-20:00  オンライン開催  Webから要事前登録>
登壇:徳永 光 教授(獨協大学法学部)


【本件のポイント】

  • 法科学の一分野である「デジタル・フォレンジック1)」についてまなぶシリーズ勉強会
  • 京都府警が4月に新たな専門組織「サイバーセンター」を発足するなど、急増するサイバー犯罪への対応が求められるなか、司法関係者も情報技術を用いた証拠試料の鑑定知識が必要
  • サイバー犯罪の科学的証拠に関して、現在の議論および今後予想される課題について報告


【本件の概要】
 デジタル・フォレンジックとは、インシデントレスポンス2)や法的紛争・訴訟に際し、電磁的記録の証拠保全及び調査・分析を行うとともに、電磁的記録の改ざん・毀損等についての分析・情報収集等を行う一連の科学的調査手法・技術を指します。この勉強会は、情報技術を用いた証拠試料の鑑定の知識を理解し、司法に適用する上でどのような理論的・実務的問題点があるかを考える全5回のシリーズで、今回が最終回となります。
 これまで開催してきた勉強会の第1回では『司法におよぶ情報処理』をテーマにデジタル・フォレンジックをめぐる現状と証拠の信頼性の課題等を概観し、第2回ではWinny事件を含む『コンピュータ犯罪の裁判事例』、第3回では日本における『デジタル・フォレンジック試料の証拠保全ガイドライン』、第4回では音声から個人を認識するコンピュータ技術『話者認識の現状』をテーマに報告いただき、参加者と共に議論を深めてきました。
 3月25日(土)に開催する第5回では、主に科学的証拠の証拠能力について研究されている徳永教授を講師に招き、『デジタル・フォレンジック鑑定の証拠能力』をテーマに報告いただきます。今回は、サイバー犯罪の科学的証拠に関して、裁判における証拠としての妥当性や許容性はどのようにあるべきか、進歩する情報技術-特に人工知能(AI)は司法にどのように影響するのか、また法学と科学の関わり方など、今後予想される課題についてお話いただく予定です。

1.実施概要
- 名    称:シリーズ勉強会「デジタル・フォレンジック鑑定と向き合うために」
- テーマ:第5回公開勉強会『デジタル・フォレンジック鑑定の証拠能力』
- 講 師:徳永 光 教授(獨協大学法学部)
- 日 時:2023年3月25日(土)18:00-20:00 ※2022年11月から月1回、全5回開催(今回最終回)
- 会 場:オンライン(Zoom)
- 参加費:無料 ※下記URLから事前申込制
- 主    催:龍谷大学 犯罪学研究センター3)
- 司会進行:平岡義博 氏(龍谷大学犯罪学研究センター嘱託研究員/立命館大学衣笠総合研究機構上席研究員)

2.講師プロフィール
徳永 光 教授(獨協大学法学部/龍谷大学 犯罪学研究センター嘱託研究員)
専門は刑事法学(刑事鑑定等)。近年の編著に『シリーズ刑事司法を考える第2巻 捜査と弁護』(指宿信ほか編, 岩波書店, 2017年8月, pp.41-52分担執筆)、論文に「科学的証拠の証拠能力」(『刑事弁護』108号、現代人文社, 2021年10月, pp.23-28)・「証拠開示請求の重要性要件、裁定手続きの在り方 理論的検討」(同pp.184-186)等がある。
【略歴】
・    2000年 一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了 博士(法学)
・    2008年 獨協大学法務研究科 准教授
・    2020年 獨協大学法学部法学部総合政策学科 教授

3.詳細・申込方法
以下URLにて詳細を確認のうえ、ページ内のフォームに必要事項を入力しお申込みください
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-12113.html
(第5回勉強会 申込期限:3/24(金)17:00)


4.用語解説
1)デジタル・フォレンジック
法科学の一分野で、主にサイバー犯罪におけるデジタル証拠の収集・保存・解析を行うことを「デジタル・フォレンジック」と言います(日本語では「デジタル鑑識」と言うこともあります)。警察庁はインターネットが社会、経済上、普及した平成23年に「警察白書」でサイバー犯罪対策に関する特集を組んだり、サイバー犯罪専門のHP(https://www.npa.go.jp/cyber/)を開設したりするなど、その防止や捜査に力を入れています。ただし、デジタル証拠の複雑性から、この種の事件の裁判では、証拠調べや証拠の信頼性などの審議がどのようになるのか、手探りの状態であるようです。

2)インシデントレスポンス
コンピュータやネットワーク等の資源及び環境の不正使用、サービス妨害行為、データの破壊、意図しない情報の開示等、並びにそれらへ至るための行為(事象)等への対応等を指します。

3)龍谷大学 犯罪学研究センター
「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。同センターは、2016年6月に発足し、同年11月に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に採択されました。これまで建学の精神を具現化する事業として、犯罪予防と対人支援を基軸とする龍谷大学ならではの犯罪学の創生に向けた研究と社会実装活動を展開してきました。

問い合わせ先:龍谷大学 犯罪学研究センター  Tel 075-645-2184 Fax 075-645-2240
E-mail crimrc2016@ad.ryukoku.ac.jp    URL  https://crimrc.ryukoku.ac.jp/