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2023.03.29

学生プロデュースの介護ツアーを実施しました【社会共生実習】

 社会学部の『社会共生実習(いくつになっても、出かけられる!~高齢者を元気にする介護ツアー企画~)』(担当教員:現代福祉学科 准教授 髙松智画)では、3/16(木)に、介護が必要な高齢の方々に楽しんでいただける日帰りツアーを実施しました。


参加者の皆さんと記念撮影

 このツアーを実施するまでに、受講生たちは何度も下見やミーティングを重ねて準備をしてきました。
その奮闘ぶりの一部は【 こちら 】よりご覧いただけます。

 ツアー当日は天気にも恵まれて、ご参加くださった4名の方々も体調万全でお越しくださいました。
 まずは浄土宗総本山 知恩院のタクシー乗り場で集合し、受講生からの挨拶をおこないました。


学生が挨拶をおこなう様子

 記念撮影ののち、いざ本堂である御影堂へ。健常者であれば、御影堂へは正面の階段を上るとすぐに到着できますが、今回ご参加くださった4名の方のうち3名は車椅子が必須のため、別棟に設置されているエレベーターを利用して、正面を通り越して横に設置されているスロープを利用して入室しました。


砂利と段差に車椅子のタイヤがとられます


御影堂への道中

 入室して間もなく、総本山知恩院布教師による法話がはじまり、参加された皆さんと受講生は心静かに耳を傾けました。


法話を聴く様子

 その後、特別拝観『第57回「京の冬の旅」大方丈・小方丈・方丈庭園特別公開』へと移動しました。道中には大小のステップがいくつもあり、その度に車椅子をうしろ向きにしたり前方を持ち上げて超えました。また、方丈庭園へ行くには階段を使用するしか術がなく、受講生と本プロジェクトの連携会社(株式会社どこでも介護)スタッフの男性陣が総出で車椅子を担ぎました。


車椅子を担いで方丈庭園へ


方丈庭園前で記念撮影


方丈庭園内で思い出づくり


帰りも車椅子を担ぎました

 一行はその後、丸山公園内にある食事処『京料理 志ぐれ』へ向かいました。
 それまで参加者の皆さんに怪我がないように努めていた受講生たちも、ホッと一息ついて、談笑することができました。また、食事の介助が必要な参加者の方に就かせていただく貴重な体験もさせていただきました。


お食事処へ向かう様子


歓談の様子


歓談の様子


お食事の様子

 食事が済むと、次のイベントとなる和菓子作り体験のため、『甘春堂京都タワーサンド店』に向かいました。
 ここでは参加者の皆さんが見本に沿って和菓子を可愛い花形に成形しました。手先の不自由な方には受講生が手を添えて介助させていただき、それぞれ可愛く素敵な和菓子が完成しました。


和菓子作りの様子


和菓子作りの様子

 朝9:30から開始した本ツアーでしたが、スケジュールにゆとりを持って組んでいたため、ほぼ予定通りの16:00過ぎに全工程を終了しました。
 ツアーに参加くださった皆さんからは、「こんな機会は今後もうない!学生の皆さんに本当に良くしてもらって嬉しい」、「いつもは犬の散歩で歩いているけれど、今日は長時間だったのでたまに車椅子で楽をさせていただいた。こんなに良くしていただいて、家族に言ったら怒られそう…(笑)」などと、喜びの声をいただきました。
 また、終了後に参加者のご家族からも、「認知症を患っているのでいつもは記憶が曖昧だが、このツアーのことは鮮明に覚えており、嬉しそうに土産話をしてくれた」とのご報告をいただきました。


お別れの挨拶をする
学生たち

お別れの挨拶を聴く参加者と
担当教員(右から2番目)

 後日、受講生らはツアーの振り返りと参加された皆さまへの記念品作りのため、集結しました。そこで、受講生らからは、次のような感想や意見が述べられました。
「今まで誰かと協力する機会がほとんどなかったので、本プロジェクトを受講して良かった」、「今まで気にしていなかったが、段差がある箇所やバリアフリー対応のトイレがあることなどに気がつくようになった」、「準備万端だと思って臨んだが、いざツアーが始まると準備不足が目立った」、「下見が出来ていなかった受講生もいたため、ツアー動線が頭に入っておらず、当日混乱する場面があった。現地でのリハーサルをすべきだったと感じた」、「食事介助の際、少し目を放した隙にこぼしてしまわれて、とても申し訳ない気持ちになった」、「準備はし過ぎるくらいで丁度いいのだと感じた」、「帰りの車中で参加者の方から楽しかったとの感想をいただき、やって良かったと感じた」、「一から何かを企画するということを初めてする機会となった。当日は、参加者の皆さんも笑顔で楽しんでいただくことが出来て、怪我なく帰宅いただけて良かった」


記念品として参加者にお渡しする
手作りのアルバム

 本プロジェクトは過去2年間、コロナ禍のためにツアー実施が叶いませんでした。その中で遂に今年度、ツアーを実施することが出来ました。実際におこなうことで見えてきた新たな問題点なども含めて、来年度、ブラッシュアップされたツアーが企画されることを期待したいと思います。

社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。