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2023.09.07

【報告】東日本大震災被災地域でのボランティア活動を実施しました。(ボランティア・NPO活動センター)

2023年8月31日(木)~9月4日(月)の期間、東日本大震災被災地域でのボランティア活動へ行ってきました。
宮城県石巻市および女川町を訪問し、ボランティア活動と防災教育に加え、今年は、地域住民の方との交流の機会を持つことができました。
現地でお世話になったみなさまに、心より感謝申し上げます。

5日間の活動について報告します。


雄勝花物語による防災教育で、旧雄勝小学校の裏山の津波到達付近へ登る


雄勝病院の跡地で高橋頼雄さんのお話を伺う

8月31日(木)

 8時に深草キャンパスをバスで出発し、京都駅を経由した後、宮城県石巻市へ。車中ではアイスブレイクやチームビルディングを兼ねて参加者同士の自己紹介や他己紹介、クイズ大会、これから訪問する石巻の震災に関するドキュメンタリーの上映等を行いました。21:30頃、石巻市内のホテルに到着。

 

9月1日(金)

 石巻市雄勝町において、午前は、雄勝ローズファクトリーガーデンで防災教育を受講し、大津波警報の津波の高さの意味や地形による津波の特徴などを教えていただきました。また、当時の教訓から、生きるための行動について学びました。座学だけでなく、雄勝小学校跡地で当時の避難経路の一部をたどる経験もさせていただきました。

 午後は、まず、震災当時、雄勝病院の近くに住んでおられた高橋頼雄さんから当時のお話を伺いました。「自分の命をまず守る」ことを大切にしてほしいという言葉が印象的でした。また、病気から車いす生活となり気づいたことのお話も聴かせていただき、車椅子を学生が押してみるという機会もいただきました。

 その後、ガーデンに戻り、薬草園の整備活動を行いました。この日は、レンガを並べるための整地作業でした。今年の夏は、雄勝も暑く、長時間の作業は熱中症のリスクもあるため、休憩をはさみながら1時間程度の作業となりました。作業後、ガーデンの裏山の津波到達点付近まで登らせてもらいました。

 

9月2日(土)

 午前は、3.11メモリアルネットワークの藤間千尋さんに震災遺構である門脇小学校とMEET門脇を案内いただきました。門脇小学校は、津波と津波火災の被害を受けた学校で、その痕が生々しく残っています。避難の連鎖が生まれたというお話しが学生たちの心に残っているようです。また、門脇小学校の裏山である日和山への避難経路の一部をたどりました。

 午後は、震災遺構の大川小学校へ。大川伝承の会の語り部であり、3.11メモリアルネットワークのメンバーでもある高橋正子さんからお話を伺いました。学校の裏山にも上がらせてもらいました。 大川小学校で起きた事故の話しだけでなく、地域の方から愛されていた大川小学校のお話を聴くことができました。その後、長面地区の防潮堤を見学しました。そして、大川コミュニティーセンターで、「あのとき、大川小学校にいるのが私だったらどうする?」「今の私たちにできること」等を考えるワークショップを行いました。災害を自分事として考える機会になったように思います。

 

9月3日(日)

 午前は、石巻市内の、のぞみ野第2町内会の住民のみなさんと一緒に、復興公営住宅周辺の除草作業や清掃活動を行いました。初めての訪問でしたが、「普段手が回らないところまでやってもらえて良かった」と言っていただきました。その後、集会所で「お茶っこ会」(交流会)ということで、お茶を飲みながら、それぞれ自由に会話を楽しみました。お茶やお漬物を用意してくださっていて、みんなで美味しくいただきました。住民のみなさんから、「また来てね」と言っていただきました。温かく迎え入れてくださり、ありがとうございました。

 午後は、女川へ移動し、女川1000年後のいのちを守る会のお二人の案内で、旧女川中学校に建てられたいのちの石碑を見学しました。震災当時小学6年生で、その後中学生のときに、女川の復興、まちづくりに関わり、自分たちができることを考えて取り組んでこられたお話を伺いました。学生と年齢が近いお二人の話しは、自分たちにできることを考える良い機会になったのではないでしょうか。

 その後、3日間のフィールドワークやボランティア活動のふりかえりをおこない、京都へ向けて石巻を出発しました。

 

9月4日(月)

 8:45頃に京都駅、9:00頃に深草キャンパスへと無事に帰ってきました。


雄勝ローズファクトリーガーデンでのガーデン整備ボランティア活動


震災遺構の門脇小学校の見学


MEET門脇の見学


震災遺構大川小学校の見学と語り部のお話を聴く


大川コミュニティーセンターでのワークショップの様子


のぞみ野第二町内会での清掃活動


のぞみ野第二町内会でのお茶っこ会


女川いのちの石碑の見学

参加学生の声

・ボランティア活動で宮城の方々と汗を流しつつ、震災当時のことや震災後の今のお気持ちを聞くことができました。宮城まで足を運ばなければ聞くことができなかった生の声も、生の風景も見て、感じることができたことは私がこのプログラムに参加して一番良かったことだと感じています。

 

・門脇小学校や大川小学校といった震災遺構には「被害の記憶」を伝える役目がある一方で、震災以前の「日常の記憶」を伝える役割を担っていることを実感した。たとえば大川小学校での語り部さんのお話では『震災以前の大川小学校がどれだけ素敵であったか』など、昔そこにあった何気ない日常も沢山教えてくれた。だからこそ、大川小学校での出来事を悲劇で終わらせてはいけないと感じたし、なにより大川小学校での出来事を教訓として、同じ過ちを繰り返さないように自分事として防災・減災に取り組む必要があると考えさせられた。

 

・頼雄さんの言葉通り、自分の命をまずは守らなければならない。そのための物の用意や、それだけでなく知識や心の用意もしておく必要があると感じました。自分の命を守る準備が他の人の命も守ることに繋がると思います。これらを周りの人に伝えることはもちろんですが、宮城で語ってくださった方々の言葉が私たちの心に刺さったように、そんな語り方をしたいと思いました。

 

【報告会のご案内】

以下の日程でこの活動の報告会を開催予定です。
詳細は決定次第、お知らせいたします。

10月12日(木)17:45~19:00 深草キャンパスにて(オンライン配信あり)

 

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雄勝ローズファクトリーガーデンにて。本学卒業生よりお茶の差し入れをいただきました。


毎日のふりかえりの様子