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2024.03.12

【報告】海外体験学習プログラムでインドのチェンナイを訪問しました

 2024年3月2日(土)~3月11日(月)の期間、海外体験学習プログラム『インドの農村で学ぶ女性の自立・教育・経済発展』でインド南部のチェンナイと近郊農村などを訪問しました。現地でお世話になったみなさまに、心より感謝申し上げます。
 本学経済学部大原教授の企画・引率と、公益財団法人日本財団ボランティアセンターとの協定で実現したこのツアー。13名の学生たちが、チェンナイで女性の自立を長年支援してきた現地NGO『GUIDE』の取り組みや農漁村の現場を体験しながら「変わるインドの今」を学んだ10日間の活動について報告します。


テ ー マ:インドの農村で学ぶ女性の自立・教育・経済発展

訪 問 地:インド南部の都市チェンナイ 及び 近郊の町

引率教員:経済学部・大原盛樹教授

日  程:2024年3月2日(土)~11日(月) 10日間

参加学生数:13名


3月3日(日)
 前日の3月2日(土)に合計15名(学生13名、経済学部大原教授、センタ―職員1名)が関西空港を出発し、マレーシア経由でインドのチェンナイへ。到着翌日から本格的な活動が始まりました。
 現地での初日はチェンナイ都市部でのプログラム。現地日本語学校の学生たちと文化交流の後、一緒にチェンナイ市内を観光しました。あっという間にお互い仲良くなり、たくさん交流ができました。


3/3 日本語学校のみなさんと交流している様子


3/3 チェンナイ市内観光の様子


3月4日(月)
 午前中はMadras大学のAshraf教授にインドのNGOや女性の社会進出について英語で講義を受け、午後からはJETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)と日本国総領事館を訪問しチェンナイの概況や日本企業の進出についてのお話を伺ったりしました。インドは広い国で地域によって全く違うということを知ることができました。


3/4 講義くださったAshraf教授と一緒に


3/4 JETRO駐在員の方からお話を聴きました


3月5日(火)  
 チェンナイ都市部を離れ、Chengalpattu周辺の農村へ移動。このプログラムのメインとなるインド南東部の農村における学びと交流の3日間の始まりです。到着後、今回お世話になっているNGO『GUIDE』の活動拠点でのオリエンテーションを受け、インド女性の働く紡績工場の見学や女性がリーダーを務めるPukkathurai村を訪問しました。現地に来ないと分からない音や匂い、雰囲気など五感を使って学びました。


3/5 紡績工場見学の様子


3/5 自治組織『パンチャヤット』女性代表の方からお話を聴いています


3月6日(水)
 引き続き農村部でのプログラムに取り組みました。Ullavoor村中学校での交流に向けては、事前にたくさんの準備をして挑みました。文化パフォーマンスとして『恋ダンス』を披露したり、クイズ大会や折り紙などのプログラムを実施し、子ども達も喜んでくれて大成功で終えることができました。 


3/6 練習に練習を積んだ『恋ダンス』を披露


3/6 折り紙を子どもたちに教えています


3月7日(木)
 午前中は地域医療の拠点になっている大学病院を訪問し、お話を聴いたり農村出身の女性達に質問をしたりしました。午後から農家を訪れるフィールドワークでは実際に畑に入り、農業の現状を聴いたり作物の実を見せてもらいました。


3/7AM 大学病院で農村医療現場のお話を聴きました


3/7PM インドの農業の現状に触れるフィールドワーク


3月8日(金)
 農村地域を後にして近郊都市Walajabadへ移動し、国際婦人デーイベントに参加。学生たちは日本人女性の抱える問題を英語でプレゼンしたり、日本語の歌を披露しました。また、本イベントに参加している現地のみなさんの団結力も感じました。その後、ベンガル湾を臨むマハーバリプラムへ移動して漁村を見学し、2004年のスマトラ島沖地震によるインド洋大津波被害後の変化や生活についてお話を伺いました。


3/8AM 準備してきた英語のプレゼンを頑張りました


3/8PM 漁村でお話を聴いている様子


3月9日(土)  
 現地でのプログラム最終日は、午前中にマハーバリプラムで世界遺産の観光、午後からはカンチープラムでドラヴィダ様式の寺院を見学し、チェンナイへ。多くの学びと発見、交流があったとても充実した現地7日間でした。
 3/10(日)チェンナイを後に帰国の途につき、翌朝に関西空港へ到着しました。


3/9 世界遺産の街マハーバリプラムでは、石窟寺院や石造寺院など数々の建造物群を見学


3/9「クリシュナのバターボール」と呼ばれている不思議な巨大岩

参加学生の声

・農村地域の中学校では、30度を超える薄暗い教室の中で授業を受けていたり、生徒数も3学年で120人程度と日本に比べると少なかった。これは、インドの教育に関する価値観が影響している。貧困層が住む農村地域では、初等・中等教育は直接職と結びつかないため、子供が学校で学ぶことに否定的な親の価値観が影響している。私は今回のプログラムを通して、教育の重要性と自分が今まで享受していた環境が当たり前でないことを学んだ。(経済学部2回生)

・インドの農村や漁村を見学した際、日本の第一次産業の現状と通ずるものがあり、第一次産業を取り巻く問題は世界の共通課題ではないかと感じた。インドでは、古い歴史を持ち人々の生活基盤となっているヒンドゥー教の文化やカースト制度など独自の問題があり、それらが問題解決の足枷になっているかもしれない。しかし、我々が働きかけるべきことは、気候や人間の動きを観察して欠けているものが何かを見極め、それを補おうとする態度ではないかと考えた。(文学部4回生)

・国際婦人デーのイベントでは、拳を突き上げ「strong women!」と連呼している姿が印象的でした。そして、漁村では生業である漁が津波の影響で低迷し、それを成り立たせるために奮闘している話を聞きました。それらの姿は一見前向きに戦う素晴らしい女性たちですが、一方で「女性は強くあらねばならない」という強制意志のようなものを感じたり、女性たちが追い詰められているようにも思えました。現代の日本に生きる私は、弱さを受け入れたり向き不向きを考えますが、インドでは女性差別や災害、気候変動の影響から前述のように強く行動しないと生きられないのかもしれない、私たち個人個人にできることはなんだろうかと考えました。(農学部4回生)
 


現地の子どもたちは元気いっぱいで、日本文化を楽しんでくれました


英語でのプレゼン練習や事前学習など、充実したプログラムにするため時間をかけて準備しました

【報告会のご案内】

参加学生たちは今回の学びを事後学習会で整理し、本プログラムの報告会で発表します。(4月または5月に開催予定)
詳細日時などは決定次第、お知らせいたします。
 

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