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2024.05.17

「地域課題発見演習」第1回フィールドワークを実施【政策学部】

 2024年5月11日(土)、「地域課題発見演習」の第1回フィールドワークに、学生17名と教員1名(清水万由子教授)が参加しました。
 「地域課題発見演習」は、学部1回生以上が受講できる実践科目です。龍谷大学深草キャンパスがある京都市伏見区を舞台に、地域課題に取り組む多様なセクターと連携しながら学ぶCBL(Community Based Learning)科目です。
 今年度は『「深草からはじまるサステナブルな暮らし」を考える』というテーマのもと、深草地域の放置竹林問題という地域課題に取り組みます。深草地域で環境保全に取り組んできた地域住民・行政機関や、深草地域産の農産物販売・提供を行う企業等への聞き取り調査等を通じて、地域の現状や課題を把握したうえで必要な取り組みを検討し、様々な団体との連携によって実践します。


 今回のフィールドワークでは、深草地域在住の農家、杉井正治さんたちと一緒に、深草僧坊山町の竹林で竹の伐採を行いました。杉井さんは「市民農園風緑」の運営や放置竹林整備、不法投棄廃棄物の清掃活動など、深草地域の環境保全に尽力してこられた方です。また杉井さんは龍谷大学ボランティア・NPO活動センターの学生スタッフと農作業などで交流を続けておられ、この日も学生スタッフ4名が竹の伐採に一緒に参加しました。
 現在、京都市、地域の農家・地権者、竹林加工業者などが連携・協力して、モウソウチクの放置竹林を、竹材を生産するマダケの竹林に転換するプロジェクトが行われています。今回は深草キャンパスから徒歩30分弱の場所にある実験地で、この春に育ってきたモウソウチクの若竹を伐採しました。


写真右手の実験地にそびえたつ若竹


杉井さんから作業について説明を受けます


 ノコギリを持って竹を切る人と、切った竹が山の斜面に向かって倒れるように押さえる人の、2人1組になって伐採を行いました。竹を山に向かって倒す理由は、他の人の上に倒れてこないように方向を定める必要があることと、切り倒した竹を回収する際に枝が逆立たないようにするためです。
 「切ります!」「倒れます!」といった声の掛け合いが必要となりますので、自然とチームワークが生まれました。


竹の根元にノコギリを入れます


2人1組で切った竹をうまく倒します


 当日はとてもいい天気で、汗をかく暑さでした。そんな中、この竹林の地権者さんがペットボトルのお茶を差し入れてくださりました。日陰に入ってお茶を飲みながら、杉井さんはプロジェクトの展望や深草地域と竹材の関係の歴史などを教えてくださりました。学生たちはしっかりとメモをとって、放置竹林問題に関する知見を深めていきました。さまざまな地域の方がこのプロジェクトに関わっておられ、応援してくださっています。


質問をする学生と、快く話してくれる杉井さん


だんだんと竹林が開けてきました


 後半の作業では残りの竹を伐採し、最後に切った竹を1箇所に集めていきました。だんだんと作業に慣れて来たところで、杉井さんから「慣れてくると作業が横着になってきて、確認を怠って事故が起こりやすくなる。慣れた時ほどゆっくり作業すること。何事も基本が一番大事やね。」とアドバイスをいただきました。
 最後まで気を緩めることなく、周りのメンバーと協力しながら作業を終えることができました。


重い竹は運びやすいサイズに切り分けます


バケツリレー方式で竹を運び出します


 今回のフィールドワークを通して、竹林管理の大変さを実感し、放置竹林問題の現状を体験することができました。また杉井さんをはじめとした深草地域の方々とのコミュニケーションや、作業におけるチームワークなども現場で学ぶことができました。事前学習で知識として学んでいた放置竹林問題について、現場で自分の感覚を働かせることが、その現状をより深く捉えるきっかけになったのではないでしょうか。
 今後も竹林作業に携わりつつ、行政や竹材加工業者といったステークホルダーとの連携も広がっていく予定です。


初のフィールドワークで多くの学びが生まれました