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2024.05.27

「フレッシャーズゼミ・ゼミ」で永田和宏先生にご講演いただきました

 経営学部の新入生は入学して最初の学期に、「フレッシャーズ・ゼミ」で学びます。この科目は、大学での学びに必要な技法(リテラシー)を身につけることに主眼を置いています。各クラスが20人前後の少人数で学んでいますので、仲間づくりの場としても位置づけられます。
 フレッシャーズ・ゼミの期間には担当教員による講義だけでなく、外部講師の方をお招きすることもあります。5月22日(水)には、7クラスの合同で、永田和宏先生の講演会を開催いたしました。
 永田先生は、京都大学、京都産業大学(いずれも名誉教授)を経て、現在はJT生命誌研究館の館長を務めておられます。ご専門は細胞生物学ですが、歌人としても著名な方です。ご研究では、日本人として初めて「ハンス・ノイラート科学賞」(タンパク質研究をリードする国際組織 The Protein Societyが、タンパク質の基礎研究で特に優れた研究功績をあげた個人に対して授与している賞)を受賞されています。歌人としては「朝日歌壇」の選者を務めるなどされています。
 経営学部ではこの間、毎年この時期に、永田先生に1年生を対象にご講演いただいています。それは、永田先生が、これまでのご研究や教育を踏まえて、大学で学ぶことの意味を学生たちに問いかけてくださるからです。
今回は、「『知の体力』と『問う力』―知へのチャレンジ―」のテーマで講演されました。初等中等教育と大学との違い、「学習」から「学問」へ、「知ること」は「知らなかった自分を知ること」(知へのリスペクト)などのお話をされました(ご講演の内容は、永田先生のご著書『知の体力』新潮新書、2018年とも重なる部分があります)。
 以下に、受講した学生の感想を紹介します。

 今日の講演会を聞いて1番心に残っていることは安易に答えを求めないということです。大学の授業では答えのない問題に対して考えていく必要があるので、これからはすぐに答えを求めないでいきたいと思います。また、その問いの答えを探していて、問いのまま抱え込んでいる時間が非常に重要ということもわかりました。その時間があるおかげで熟考することができ記憶にも定着することがわかりました。根拠ない不明の定説を疑うことで新たな発見をすることができることもわかりました。

 今回のゼミの講義で、高校の学習と大学の学修の違いを話されていて、高校は答えが1つである問いを教わるが、大学では答えが1つではない問題があるということを教わるということを聞いてとても納得しました。また、大学では教科書に書いてあることを講義する必要は無いため、自分自身が何かまだ分かっていないのかを知るために教わるということを聞いて、確かに高校までは、教科書に載っていることを先生が分かりやすく生徒に伝えることが基本の学びでしたが、大学では教科書を使う授業も極端に減り、教科書にない知らないことを教わるという学びに変わっていると実感しました。  (文責:細川孝)