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2024.06.14

「地域課題発見演習」第2回フィールドワークを実施【政策学部】

 2024年6月8日(土)、「地域課題発見演習」の第2回フィールドワークに学生11名と教員1名(清水万由子教授)が参加しました。
 前回のフィールドワークに続き、今回も深草地域在住の農家である杉井正治さんたちと一緒に、深草僧坊山町の竹林でモウソウチクの伐採を行いました。

 まず初めに、前回の伐採以降に伸びてきた若竹を切る作業からスタートしました。私たちが到着する前から杉井さんたちが切ってくださっていた竹を運び出し、残りの若竹を切っていきました。「慣れてきた時ほど気の緩みから事故が起こりやすいので、早さよりも正確さを意識するように」と杉井さんからご指導をいただき、着実に作業を進めていきました。


前回切り残した奥地の若竹も伐採します


これまでたくさんの竹を切って運び出してきました


 次は4人1組になって、竹を切る人、竹が予期せぬ方向に倒れないように支える人(2人)、倒れた竹を小分けにする人に分かれてのチームワークです。古い竹はこれまでの若竹と比較して、太く、長く、とても重たいです。そのため、切り離された竹を狙った方向に倒すことは、安全対策のために必須です。
 曲がって生えている竹や斜面に生えている竹などには、ロープを使って上部を支える必要もありました。杉井さんに適切な指導をしていただき、無事に作業を進めることができました。


杉井さんのデモンストレーションでは迫力に圧倒されました


高いところにロープをかけるために何度も挑戦しました


 伐採した古い竹はチッパーに投入され、その場で竹チップ化処理が行われました。この竹チップは、農業における肥料として活用されます。サステナブルな資源循環の仕組みを体験することができました。
 午前中の作業でしたが、このあたりからだんだんと暑さが過酷になってきました。多めに休憩を挟みつつ、無理のない範囲で作業を行いました。休憩の合間には杉井さんから、竹の歴史についてお話していただきました。奈良時代の絵図にマダケが描かれていたこと、深草地域の竹がうちわなどの竹文化を支えてきたこと、食料難の時代にはタケノコ需要のためにモウソウチクに置き換えられたことなど、さまざまな知識を教えていただきました。


チッパーに竹を入れると、自動で竹チップが排出されます


休憩中の雑談から大事な発見が生まれることも多いです


 最後は竹チップをバケツにまとめて運び出し、残りの竹を切る作業を行いました。トラックに竹チップを満タンになるまで積み込み、2往復していただいたところで作業完了となりました。
 作業終了後、この竹林の今後の展望についてお話がありました。2回の伐採作業を通してモウソウチクはあらかた片付いたので、今後はマダケを移植する作業につながっていきます。この場所では秋頃の移植が予定されており、その際にまたフィールドワークに訪れる予定です。


竹チップをバケツにまとめてトラックに乗せます


今後の展望についてお話をいただきました


 前回のフィールドワークに引き続き竹林管理の大変さを実感しつつ、今回では実験地を整備し終えるという1つの成果が生まれました。今回の竹林のように、まちの周辺には人が手入れをしながら維持されてきた二次的自然が多く存在しています。
 杉井さんが深草地域の竹の歴史についてお話されていた中で、「温故知新」という言葉が印象的でした。私たちのかつての暮らしは、究極の循環型社会であったと捉えることができます。多くの歴史や文化が継承されてきた深草地域の竹林に目を向けることで、これからのサステナブルな暮らしに向けた新たな発見の誕生に期待しています。


開けた竹林を背景に、お疲れ様でした!