2024.09.05
「政策実践・探究演習」(海外)韓国PBL 現地レポート③【政策学部】
政策学部では2023年度と2024年度の2ヵ年、アジアプログラムとして「若者政策の日韓比較」をテーマに韓国PBL(担当:安 周永教授)を実施しています。2024年度は13名(3~4回生、大学院生)が受講中です。事前学習で日本の現状を学び、9月1日~8日、ソウルでフィールドワークを行いました。滞在中のレポートをお伝えします。
2024年9月4日(水)
<午前>
バスで民主労総の事務所へ移動し、民主労総青年特別委員会の李ギョレ委員長から「民主労総における青年特別委員会の取り組み」について話を聞きました。青年特別委員会は2024年1月に設置されたばかりで、既存の労働組合も若者の問題を重要と捉えていることを知りました。
講義のあとはユニオンセンターの事務所に立ち寄り、9月2日に話を伺ったKim Jong-Jin理事長と再会。全員にすてきなお土産をいただきました。お心遣いありがとうございます。
<午後>
宿泊施設の会議室に戻り、保健社会研究院青年政策研究センターの金ムンギルセンター長から「韓国の青年政策と主要地方自治体の政策事例」について話を聞きました。ソウル市以外の都道府県においても若者の問題に関する条例が制定されましたが、市町村にはまだ行き届いてないそうです。2023年に青年基本法が改正され、5ヶ年計画の評価をもとに次の方策を考えていると聞きました。(*講義と質疑応答は、逐次通訳をしていただきました)
以下、受講生の報告です。
〈午前〉
民主労総青年特別委員会の李ギョレ委員長からお話を伺いました。韓国の若者は、ソウル市の大企業での正規職を目指して、非常に厳しい競争を行なっています。競争に敗れた人の中には隠遁・孤立し、自殺まで考える若者がいることを知りました。また、20〜30代の離職率が高く、その背景には、企業が雇う期間を決定する契約職労働者のような非正規の雇用や、中小企業に勤める人の待遇、自身の生活へのジレンマがあることを学びました。
このような問題に対して、民主労総青年特別委員会では「若者が先頭に立って新しい未来を建設しよう」という考えのもと、若者が抱える問題解決のための教育や、多くの人との対話を重視した運動を行なっています。若者が自ら、時代を変えていく必要があるという言葉に心を動かされました。
(政策学部 3回生 曽我理央)
〈午後〉
保健社会研究院青年政策研究センターの金ムンギルセンター長からお話を伺いました。ソウル市内の大企業に就職するために、良い大学に浪人してでも進学することから、19歳で入学する人が増えてきているということを知りました。
また、韓国の企業は、その仕事を経験したことがあり技術力の高い人を受け入れる傾向にあり、大学在学中に、資格取得や留学などさまざまなことをしなければならず、休学する人が多いことを学びました。そこまでしてソウル市の大企業で働こうとする人がほとんどなので、中小企業や非正規雇用との格差がかなり大きいのだと思いました。
このような問題を抱えている韓国ですが、ソウル市では青年幸福プロジェクトが行われていたり自治体がインターンシップを提供するなど、若者に対する取り組みが行われているということを学びました。
今日まで学んできたことを整理しながら、明日は青年サポーターの方と交流を発展できたらいいなと思います。
(政策学部 3回生 山﨑穂乃花)
講義を終えて、私たちは東大門周辺を観光しました。まずは広蔵市場に行きました。緑豆チヂミやタンタンイ、クァベギなどを食べました!そのあと卸売り市場で買い物をして、駱山公園に行きソウルの夜景を見ました。最後に、東大門デザインプラザのプロジェクションマッピングを見ました。タコの吸盤が舌に吸いつくのが新鮮でおもしろかったです!
(政策学部 3回生 平田未来)