Need Help?

News

ニュース

2025.03.19

政策実践・探究演習(海外)フィンランドPBL 現地レポート(3)【政策学部】

2025年3月15日〜24日、欧州グリーン首都賞受賞都市であるラハティ市の循環経済(サーキュラーエコノミー)について学ぶため、LAB応用科学大学が開催した現地プログラムに、21名の学生と服部圭郎教授、櫻井あかね実践型教育助手が参加しています。

滞在中のレポートをお伝えします。

3月18日(火)

午前は、ラハティ応用科学大学のキャンパスで、湖の水質汚染対策や雨水管理について講義を受けました。近年、ラハティでも大雨による洪水が起こり、緊急時の市街地の排水をどうするか都市計画を考え直す機会が増えています。

午後は、グループに分かれて大学内のラボを見学し、食品の商品開発やプラスチックごみのリサイクル、衣類のサーキュラーエコノミーの実験について詳しく話を聞きました。商品開発については、例えばグルテンフリーの新しいパンなど、企業から依頼を受けているそうです。


雨水管理の講義


ラボ見学の様子


以下、受講生の報告です。

〈活動内容〉
本日から現地での本格的な講義が始まりました。

午前中はラハティの水質汚染の対策や雨水排水など水事情について学びました。水資源が豊富なラハティならではの取り組みや、水質の管理など多面的な視点から学習を深めることができました。

午後からは、ラハティ応用科学大学のキャンパスツアーに参加しました。サーキュラーエコノミーに関する独創的な取り組みが展開されていました。とても新鮮で良い経験となりました。

本日は、ラハティ応用科学大学でラボの見学をしました。食品加工施設は、グルテンフリーや新たな穀物を使ったパンの製作など、日々新しい食品を作り出すための設備が充実していました。サーキュラーエコノミーの施設では、遠心力を利用してリサイクル可能なプラスチックを取り出し、そのプラスチックを使って3Dプリントを行う取り組みが紹介され、とても興味深かったです。また、繊維と服の再利用の話が印象に残りました。現代はスピードと大量生産が求められているため、50~60年前のようなクオリティの高い製品が少なくなっているということを聞きました。

生産過程で大量の水やエネルギーを使い、化学薬品や染料を多く使うことで環境に大きな負担をかけていることや、安くて質の低い衣服が増えた結果、衣服が早く廃棄されることによって廃棄物が増加し、最終的には埋め立て地に捨てられています。そういったファストファッションが溢れている現代の裏側についても、自分なりにしっかりと見つめ直すことができました。

ファストファッションを支えるために、低賃金で働く労働者が多く、特に発展途上国の工場では過酷な労働環境が問題となっていて、長時間労働や劣悪な作業環境、低い賃金など、労働者の権利が十分に保護されていない場合が多いということをこれまでの政策学部の講義でも学んでいたので、それが今回のPBLの学びと繋がり、自分なりの成長とこれまでの学びの成果をしっかりと感じることができました。


ラボのお酒を作る機械


ラボの研究器具


〈一日を振り返って〉
ラハティ応用科学大学での二日目の活動で、グループのメンバーとも積極的に交流をしていけるようになりました。また、夜には念願のフィンランドのサウナにも行くことができ、非常に充実した一日を過ごすことができました。

ラハティの水にまつわる勉強やラハティ応用科学大学でのサーキュラーエコノミーの取り組みについて学習することができて、非常に有意義な時間を送ることができました。また、大学院生の方との交流もさらに深めることができて、とても楽しい一日が送れました。

お昼ご飯の後にターキッシュデライトを食べた際に、「これは何でできているの?」「どうやって食べるの?」といった質問で自分とは異なる文化を尊重しようとする姿勢が見られたのが印象的でした。また、ラボ見学の後に、キルギス出身の学生から自国にもリサイクルされた繊維で作られた服があると教えてもらいました。このように、学んだことを自分の身の回りの状況と比較することが重要だと感じました。学びの多い一日になりました。

(政策学部 3回生 田中慶五、2回生 藤原蒼士、佐藤愛珠)


▶ 次の記事へ 現地レポート(4)