2025.07.09
政策実践・探究演習(海外)台湾PBL 国立政治大学との国際交流プログラム(3)【政策学部】
龍谷大学政策学部と台湾・国立政治大学は、2024年から2025年にかけて相互訪問型の国際交流プログラムを開講しています。
2025年7月3~7日、国立政治大学の学生と教職員が来日し、台湾PBLの学生とともに深草・瀬田キャンパス、京都府笠置町や南山城村にて、里山保全や茶産業の現状について学びました。
7月5日(金)
深草キャンパスから大型バスに乗り、京都府笠置町と南山城村へ行きました。午前は笠置町産業振興会館にて、株式会社南山城代表取締役社長 森本健次氏より「道の駅お茶の京都みなみやましろ村の取り組みから」、株式会社RE-SOCIAL代表取締役 笠井大輝氏から「獣害対策を生態系サービスの最大限の利活用にー社会的企業を目指した道のりと取り組み」について話を聞きました。
午後は笠井氏に案内いただきながら株式会社RE-SOCIALの社屋を見学し、辻本製茶工場の茶畑で話を聞いたあと「道の駅お茶の京都みなみやましろ村」でお土産を買いました。
〈午前〉
笠置町産業振興会館にて、株式会社南山城の代表取締役社長 森本健次さんによる講演が行われました。森本氏は元公務員で、2016年に退職後「村で暮らし続ける」を理念に道の駅の運営に取り組みました。「道の駅お茶の京都みなみやましろ村」は年間レジ通過者58万人、売上約6億7千万円を達成し、全国道の駅ランキングで1位に輝いています。「むらちゃ」ブランドでは、個性ある非ブレンドの日本茶を軸に、抹茶ソフトクリームやプリン、パウンドケーキなどの加工品を開発し、大阪や京都の百貨店にも販路を拡大しています。約200名の生産者と連携し、ワークショップや体験ツアーを通して「顔の見える関係」を築いている点が印象的でした。森本さんは台湾の学生や先生からの質問にも答えて、公務員から起業家へ移行した心理状態や困難に直面したことなどを語りました。
つぎに、株式会社RE-SOCIAL代表取締役の笠井大輝さんが講演を行いました。龍谷大学政策学部を卒業後、同じゼミ生2名と2019年に起業し、現在26歳。鹿肉事業「やまとある工房」やペットフード「GOOD MEAL ONE」、鹿革ブランド「COL STYLE」、飲食店「MEAT UP」など多角的に事業を展開しています。全国で深刻化するシカやイノシシの獣害問題と食肉処理施設の経営難に着目。捕獲された鹿の100%活用を目指し、肉だけでなく内臓や骨、皮革まで商品化を実現しています。「地域循環共生圏」の構築をビジョンに掲げ、環境負荷の大きい畜産の代替としてジビエ消費拡大を推進。SDGsや地域創生に貢献する若手起業家の挑戦として注目されています。
イノシシやシカ狩りに対する質問にも、笠井さんはアドバイスや取り組み方を教えてくれました。また、起業時に直面した困難な経験を共有し、国立政治大学の学生たちに自分のやりたいことをやるよう励ましてくれました。
〈午後〉
昼休みの後、笠井さんのやまとある工房を見学しました。その後、台湾の先生と学生たちに工房の裏手にある鹿用の罠を見せてくれました。
工房のあとは、バスで茶畑へ移動し、京都茶の栽培を見学しました。浅野智士さんは茶の分類と茶種について、覆下茶園(遮光栽培)と露地茶園(無遮光)の区別を紹介してくれました。 茶の年3回収穫における等級区分について、一番茶(4―5月の初摘み)は最上級品となり、二番茶(6−7月の摘み取り)は味わいがやや控えめで手頃な価格帯となります。三番茶(8−9月の収穫)は主に飲料用茶葉として加工されます。茶畑には風車型大型送風ファンが多数設置されており、一定温度に達すると自動稼動し、空気循環による温度調節を行うそうです。これにより茶葉の品質維持を確実に担保しています。
最後に道の駅に行って、みんなで買い物をしました。
(政策学部 4回生 呉秀格)