2025.09.10
「令和6年能登半島地震」 6回目の復興支援ボランティア活動を実施【ボランティア・NPO活動センター】
昨年度から実施している「令和6年能登半島地震」の災害復興支援ボランティア活動。その第6回目となる活動を9月5日(金)~9月8日(月)の日程で実施し、16名の学生が参加しました。今回も募集定員を大幅に上回る応募があり、学生の関心の高さが伺えました。
今回は、昨年度参加経験のある学生2名をリーダーに据えてチームを組んでもらい、事前準備を万全にして能登に向かいました。
1日目:9月5日(金)
8:00に大学を出発し、14:00頃に能登最初の訪問場所志賀町富来に到着。商工会事務局長から被災した地元商工業者への支援について伺った後、富来復興仮設商店街へ。4チームに分かれて、各店舗の現在・過去・未来や続ける想いなどをインタビューしました。
富来を後に宿泊施設『黒川温泉セミナーハウス山びこ』へ到着。移住支援を中心とした地域振興に取り組む『(株)ぶなの森』の高峰さんから、発災時のお話や遠方にいながらできる支援、他府県からの学生ボランティアの活動等のお話を聴きました。
夕食後にはその日のふりかえりとして学んだこと・感じたことを一人ずつ言語化し、リーダーを中心に翌日の珠州でのサロン活動の打ち合わせも行いました。
2日目:9月6日(土)
午前中は、昨年も2度交流している珠洲市内の蛸島第一団地仮設住宅でサロン活動。普段から住民の方と関わりのある『珠洲ささえ愛センター』職員の方の協力で、学生たち自身が住民の方に向けて呼び込みも行い、20名の方に参加いただきました。BGMの懐メロ選曲、名札づくり、ラジオ体操、風船バレーとチームごとに交流内容を考えて進行し、風船バレーの優勝グループには校友会提供の龍大グッズをプレゼント。とても盛り上がりました。
午後は『リブート珠州』の復興支援ツアーで、東日本大震災以降の避難訓練により住民全員が無事に避難できた三崎町寺家(じけ)地区を訪問。津波被害を受けながらも守られたキリコの見学や、津波が押し寄せている避難中のリアルなお話を聴きました。見附島に移動後は震災前と後の景色や津波の被害についても伺い、地震の脅威を実感しました。
3日目:9月7日(日)
この日は、地震の9か月後に豪雨災害にあい、生業の第一次産業に支援が必要な輪島市町野町での活動。午前中は『町野復興プロジェクト』(通称まちプロ)の山下さんに教わり、稲刈り前の雑草抜きや害獣除け網を片付ける農業ボランティア活動。学生たちは収穫前の稲を傷つけないよう慎重に取り組みながら、連携プレーやお互いを応援しあったり体調を気遣って活動しました。山下さんからも「みんなが頑張ってくれたお陰で稲刈りができる。学生たちのパワーはすごい」と感謝の言葉を頂きました。
汗をかいた後は町野町の復興拠点『もとやスーパー』で用意いただいたお弁当を食べ、もとや社長から地震と豪雨の二重災害からの復興や、これからの夢などについてお話を聴きました。その後、再度山下さんとまち歩き。土砂崩れ等で潰れた家屋がまだ残る中、子どもの居場所や臨時災害ラジオの取り組みなどを伺い、地元への想いに触れた一日となりました。
4日目:9月8日(月)
最終日は能登町の自然体験施設『ケロンの小さな村』での活動。学生たちと同世代の若者で副村長の拓夢さんと一緒に森の中の道作り、1日目にお話を聴いた高峰さんと一緒に水源へのルート整備と2グループに分かれました。シャベルで水路を掘り除草した葉を敷く作業や、訪れる人が通りやすいよう生い茂る木々の伐採に取り組みました。
ケロンで育てた玄米粉の絶品ピザを頂いた後、拓夢さんから「豪雨で崩れたのは人工的な整備の山。その森にあるものを利用するなど、自然の摂理を理解した森づくりは災害にも強い」と伺いました。若者が地元の復興を想いまちづくりに携わっていることに、学生たちも刺激を受けた様子でした。
【活動参加者の感想】
・今回、初めて能登半島地震の災害ボランティアに参加して、自分の価値観がとても変化した。具体的には、自分が行ったことがある地域が地震によって破壊されることの悲しさを感じ、助けたい、復興の手助けをしたいという気持ちにさせられた。しかし、悲しいことだけではなく、復興が進んでいるところも多く、仮設商店街ができたり災害に対するネットワークづくりも盛んに行われたり、少しずつでも活気が戻っていることがとても印象的だった。今回のボランティアを踏み台にして、自分自身も能登に改めて訪れて、貢献していきたいと思った。
・3泊4日のボランティア活動を通して全ての場面で共通して「コミュニケーションの大切さ」を理解した。人と人とのコミュニケーションはもちろんのこと、人と自然の間にもコミュニケーションを図る必要性があることのお話が印象深かった。私たち学生は、まだまだ色々なことを吸収して自分のものにできることが強みであると実感した。これから先、大学や家、そして社会貢献を、自分自身の居場所と胸を張って言えるような行動をしたいと思う。
昨年と支援のフェーズが変わっていることを実感したこの4日間、前を向いて能登の未来を考える魅力的な方との出会いがたくさんあり、学生たちの心に響く数々の言葉で想いを語ってくださいました。それらを吸収し、毎日の振り返りでも言語化しながら学びを深めていく学生の様子が伺える、充実した活動となりました。
報告会の日程が決まり次第HP等でお知らせしますので、ぜひ参加学生の声を聞きにきてください。
★今回の活動は、公益財団法人 日本財団ボランティアセンター様と共催で実施いたしました。ありがとうございました。