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2026.03.06

政策実践・探究演習(海外)台湾PBL 現地レポート(5)【政策学部】

 2026年2月26日〜3月5日、南投県魚池郷大雁村・竹山富州社区と連携大学である台湾国立政治大学社会科学院との国際交流プログラムに、受講生16名(大学院生、留学生含む)と金紅実准教授、石原凌河准教授が参加しました。滞在中のレポートをお伝えします。

3月3日(火)
 午前は国立台湾政治大学のスタッフの案内の下、台北市郊外の木柵地区でのフィールドワークを行いました。木柵地区は貧困層が居住しており、国立台湾政治大学が長年居住者への支援活動を行ってきました。近年では、老朽化した住宅が開発され公営住宅や民間のマンションが建設されるようになり、新住民も移り住むようになってきたことから、地域コミュニティの分断やコミュニティ内での格差が課題になっていることを学びました。
 午後からはロープウェイに乗って猫空山頂の台北市鉄観音包種茶研究開発推進センターを訪問し、茶葉の製造過程について学びました。その後は台湾茶を試飲し、台湾茶の奥深さを実感しました。

以下、受講生の報告です。

〈午前〉
 国立政治大学の林さんに、安康社区についての歴史や地域が抱える課題について、教えてくださいました。
 安康社区では、ベトナム戦争による難民が家賃の安い住宅に多く生活しています。しかし、耐震性などの問題から、政府は新たな公営住宅への移住を勧める政策を行なっていましたが、家賃が高く、契約期間が12年と非常に短いことから、思うように進められていないといった問題があります。そこで国立政治大学は、そのような問題を解決するため、移転できずにいる住民のサポートするといった活動を行なっていることを学びました。
 このような歴史や活動を聞いて、難民の生活基盤を整えることは、同時に元々そこに住んでいた人々の生活との天秤をかけることになると思いました。難民という特殊な立場の人たちをどこまで国が支援できるかは、地元の人たちの意見を反映しなければなりません。そこで国立政治大学の人たちが台湾住民と難民との橋渡し役を果たすことはとても重要であると思いました。
 続いて、忠順廟というお宮へ向かいました。台湾には数多くあると聞いていた道教のお宮ですが、大雁村滞在中に訪問した紫南宮とはまた違った雰囲気を感じました。
 忠順廟では唐の時代に人民を守って犠牲となった、とある将軍を祀っており、訪問した2日後にあたる3月5日は旧正月の団子を食べる日であったそうでかなりの活気がありました。
 道教のお宮は日本の寺社仏閣とは違い、地域住民が管理団体を設立し自主運営していると知り、その土地の文化や風土が色濃く反映された、歴史的価値のあるものに触れることができ、大変感動しました。


安康社区の老朽化が進んだ古い施設


木柵地区の忠順廟の様子

〈午後〉
 文山区にあるレストランで昼食をとった後、公共バスを利用してゴンドラの搭乗口まで移動しました。あいにくの雨天ではありましたが、現地の公共交通機関を実際に利用することで、台湾の都市交通の利便性や市民生活との結びつきを体感することができました。今回は天候の影響で景色を十分に楽しむことはできませんでしたが、晴天時には台北市内を一望できる絶景が広がると聞き、自然と都市が共存する台湾の魅力についても学ぶことができました。
 ゴンドラで終点まで移動した後は、猫空茶郷にあるお茶の研究・普及を行う施設を訪問しました。そこでは台湾茶の歴史や製造工程について説明を受け、発酵度や焙煎方法の違いによって味や香りがどのように変化するのかを学ぶことができました。また、実際にお茶の試飲も体験させていただき、地域限定で生産されている包種茶や、金木犀の香りを移した桂花鉄観音を味わいました。桂花鉄観音は、烏龍茶の風味に金木犀の華やかな香りが重なり、日本ではあまり体験できない新鮮な味わいであることを実感しました。この体験を通して、台湾茶文化の奥深さや地域資源を活かした特産品づくりについて学ぶことができました。
 その後は車で台北101周辺へ移動し、自由散策を行いました。商業施設や街並みを見学する中で、有意義な時間を過ごすことができました。


お茶の製造方法


試飲させていただいた台湾茶

(政策学部 2回生 池川結人・石井圭太郎・北真彌)

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