2026.09.10
【報告】「令和6年能登半島地震」 8回目の災害復興支援ボランティア活動を実施
一昨年から実施している「令和6年能登半島地震」の災害復興支援ボランティア活動。その第8回目となる活動を8月31日(月)~9月3日(木)の日程で実施し、16名の学生が参加しました。今回も募集定員を大幅に上回る応募があり、学生の関心の高さが伺えました。
最近は豪雨被害が日本の各地で発生していることもあり、事前準備と安全確認をさらに念入りにおこなって能登に向かいました。
1日目:8月31日(月)
8:00に大学を出発し、14:00頃に最初の訪問場所である田鶴浜地区コミュニティーセンターに到着。本学卒業生でもあり、現在は七尾市地域おこし協力隊でもある越岡さんの案内で田鶴浜地域のまち歩きをしました。発災直後、避難場所だった体育館を訪問し、避難所で火の当番をしていたことなど、自身のボランティア経験を交えながら避難所の様子を説明していただきました。また、歩きながら町の史跡や、地域の復興への取り組みなどを案内していただきました。 その後、コミュニティーセンターの一室に場所を移し、改めて七尾市の伝統文化や現在の状況を聴いた後、改めて越岡さん自身の想いなどを交えながら全体で意見交換するワークを行いました。
終了後は宿泊する能登町のセミナーハウス山びこへ。夕食後は、9/1・2に行うのサロン活動についての打ち合わせと準備作業を行いました。
2日目:9月1日(火)
午前中は、豪雨の影響が非常に大きかった珠洲市大谷地区で活動でした。地震で隆起し、風景が震災前から一変した海沿いの道を通り、スズ・シアター・ミユージアムに向かいました。ミュージアムを見学後、豪雨の影響が大きかった地域を車窓から視察しました。その後、大谷町第一団地の仮設住宅でサロン活動を行いました。開催直前に大雨が降り、どれくらいの参加が見込めるか不安でしたが、学生が各戸訪問してお声がけした成果もあって、15名の方に参加していただくことができました。
紙コップを積む時間を競うゲームや、大学のある深草地域のウズラをモチーフにした塗り絵などをしながら、たくさんおしゃべりをして交流しました。
午後からは、『道の駅すず塩田村』に移動しました。予定では、この地域の伝統産業である揚げ浜式製塩の作業をお手伝いさせていただく予定でしたが、午前中の雨の影響で塩田作業ができず、塩田村周辺の草刈りに変更して活動を行いました。炎天下での作業は汗だくでしたが、20分に1回の休憩を取り、スイカや塩ソフトクリームなど差し入れをいただきながら、誰一人熱中症などにはならずに活動することができました。休憩中には塩田の歴史や揚げ浜式製塩の作業についてお話を伺うことができました。草刈り後には、潮撒きの作業体験や釜屋の見学もさせていただきました。
帰途の途中で、輪島市町野町にある地域の復興の拠点になっているもとやスーパーに立ち寄り、店内の見学などをさせていただきました。
宿に帰ってからは、夕食後にふりかえりを行い、本日の気づきなどについて話し合い、学びを深めました。
3日目:9月2日(水)
午前中は継続的に交流のある珠洲市内の蛸島第一団地仮設住宅でサロン活動。普段から住民の方と関わりのある『珠洲ささえ愛センター』の協力で、学生たち自身が住民の方に向けて各戸訪問を行いました。こちらも15名の方に参加いただけました。ジェスチャーゲームや、ご当地クイズなど、事前に交流内容を学生たち自身で企画し、当日の参加人数に合わせて臨機応変に進行しました。とても盛り上がって、地域のお祭りや食べ物についてなど、たくさんのお話が出来たようでした。
午後は『リブート珠洲』の復興支援ツアーで、津波の被害が大きかった宝立町を視察。観光客誘致のためにポケモンのキャラクターのモニュメントが設置された場所や、斜めになったままの電柱が立ったままになっている漁港、壊れたまま修理が進まない公衆トイレなど、震災後の復旧に向けた動きが分かる場所を案内していただきました。その後、現在、リブート珠洲で取り組まれているMY避難所を見学させていただき、発災直後から現在までの様子、避難所生活の際に皆さんがどのような工夫をされていたのかなど、ライフハックとしても役立つ情報を交えながらレクチャーしていただきました。
宿に帰ってからは、夕食後にふりかえりを行い、本日の気づきなどについて話し合い、学びを深めました。
4日目:9月3日(木)
最終日は輪島市に向かいました。当初は、輪島朝市を重蔵神社の禰宜の方から、まち歩きをしながら案内していただく予定でしたが、大雨のため室内で話を聞くことに変更し、写真などを見せてもらいながらレクチャーしていただきました。震災直後の炊き出しから、多様に広がっていく活動などのお話を中心に、なぜその取り組みが必要になったのか?、その取り組みによって引きこもりがちになった高齢者が外に出るきっかけになったことなど、多彩な事例を紹介いただきました。他にも、支援活動に関わっている金沢大学の学生と本学の学生が双方で活動報告と、「能登復興のために私達ができること」をテーマにグループディスカッションを行いました。 最後に商業施設内に仮設されている出張輪島朝市を訪問し、コミュニケーションを取りながら買い物を楽しみました。12時前にバスで輪島を出発。途中、渋滞などもあり予定していた時刻を30分程度オーバーしましたが、全員元気に帰京しました。
【活動参加者の感想】
・今回能登でボランティア活動をして、最も心に残ったのは、実際に現地へ行き、人と話すことで初めて分かる「人の気持ち」や「地域が抱えている課題」があるということです。テレビなどでは、震災による被害の大きさや悲惨な状況が伝えられることが多いですが、実際に現地の方々と話してみると、想像していた以上に明るく、前を向いて生活されている姿が印象に残りました。その一方で、震災によって以前からあった人口減少という問題がさらに進んでいることも感じました。復旧作業や地域の経済を維持していくためには人手が足りておらず、地域の外から関わる人を増やしていくことも必要だと感じました。そのためには、被害の状況だけを伝えるのではなく、現地の方々の温かさや能登の魅力も多くの人に知ってもらうことが大切だと思います。今回の活動を通して、実際に現地を訪れ、自分の目で見て、人と関わることの大切さを学びました。
・ボランティアに参加した理由は、経済学部で地震について学ぶゼミに所属していることがきっかけでした。実際に現地に行ってみて、ゼミで学んでいたような地震や建物についての知識を深められたことはもちろんですが、それ以上に印象に残ったのは、現地の方々の気持ちに触れられたことです。震災から2年が経っていても、まだ空き地が多く残っていたり、人手不足などの課題があったりして、復興にはまだ時間がかかることを実感しました。それでも、今回のボランティアで出会った方々は暗い顔をするのではなく、「これからどんなまちにしていこうか」と前を向いて考えていました。実際に現地を見ることで、震災の被害だけではなく、そこから前に進もうとしている人たちの姿を知ることができたのが、今回のボランティアで一番印象に残っています。
支援のフェーズが変わり、能登に定期・不定期にかかわらず能登を訪れる交流人口をいかに増やすのかが必要だということを実感したこの4日間でした。地域づくり、災害に強いまちづくりのために奔走されている方々の想い、伝統産業継続のために尽力されている方々の想い、地域住民のステキな笑顔と地域に対するあふれる愛情などに触れ、学生たちは大きく心を揺れ動かし、考えたようです。毎日の振り返りでその気づきを言語化しながら共有し、学びを深めることができました。
報告会の日程が決まり次第HP等でお知らせしますので、ぜひ参加学生の声を聞きにきてください。
★今回の活動は、公益財団法人 日本財団ボランティアセンター様と共催で実施いたしました。ありがとうございました。