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2020.10.06

広報誌「龍谷」90号にブルースター博士研究員・浜井教授が掲載【犯罪学研究センター】

グローバルな学術交流で日本の犯罪学を国際水準に

広報誌「龍谷」は、龍谷大学の今を伝えるメディアです。90号では入澤学長とアフガニスタン出身の医師レシャード氏との対談や本学の学生支援活動を紹介。またコロナ禍でも「国際交流をあきらめないで」というスローガンのもと活動する学生団体の紹介など様々な活動・研究に取り組む学生・教員が紹介されています。

"World, Unlimited"の特集ページでは、犯罪学研究センターのディビッド・ブルースター博士研究員と、浜井 浩一 教授(本学法学部・犯罪学研究センター 国際部門長)のインタビューが紹介されています。

「グローバルな学術交流で日本の犯罪学を国際水準に」をキャッチコピーに、センター設立からブルースター氏が来日した背景や日本での研究活動、今年7月に研究成果を論文として発表し、犯罪学における世界的に有力な学術誌"British Journal of Criminology"に掲載される成果など、4ページにわたって紹介されています。

広報誌「龍谷」はデジタル版で全編ご覧いただけます。
ぜひご一読ください。(掲載ページはP30-33)
https://www.ryukoku.ac.jp/about/pr/publications/90/index.html



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▼本誌より一部抜粋:
<イギリスから日本の薬物政策を研究に>

 「世界一安全な国」といわれる日本は、一方で、犯罪の少なさゆえに犯罪学研究が進まないというジレンマを抱えている。諸外国には刑事司法や刑事政策について学ぶ犯罪学部があるが、日本では、法学や心理学などの一部で研究されているにすぎない。そこで日本の犯罪学を育成するプラットフォームとして機能してきたのが本学の犯罪学研究センターである。同センターは、発足以来、日本の犯罪学の発展にはグローバルな学術交流が不可欠として、海外の研究者の招聘や国際学会での発表に力を入れてきた。そんな背景から、2017年より同センターの博士研究員としてイギリスから来日したのがディビッド・ブルースターさんだ。「日本の研究はとても難しい、だからこそ面白い」と、言語や特殊な文化背景などのハードルを乗り越えて、日本の違法薬物政策の実態に迫る若手有力研究者である。

 ブルースターさんが日本の薬物政策を研究するなかでわかってきたのは、諸外国に比べ日本の薬物使用者は極端に少ないが、必ずしも政策が成功しているとはいえないということだ。「日本では厳罰化といって薬物使用者を刑務所や精神病院に隔離する政策をとることで犯罪を抑止していますが、犯罪を犯 した人の社会復帰が難しく、異常に再犯率が高いという大きな課題を抱えています」

そこでブルースターさんは、薬物使用者に対する社会の考え方に影響を与えたいと、薬物使用経験者にインタビューし、その言葉をよりリアルに表現する試みを開始。また、様々な実務家(保護観察官、警察官、薬物回復センターで働いている人々など)の価値観や目的を科学的に測定することで、彼らが再犯防止という同じゴールへ向かって協働する可能性を探っている。
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広報誌「龍谷」バックナンバー>>
https://www.ryukoku.ac.jp/about/pr/publications/index.html