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2021.08.05

土壌学は理系?それとも文系?

 本学と滋賀県教育委員会とは、「大学連続講座の受け入れ等に関する協定締結」(2005年度)に基づき、毎年夏休み期間を利用した「滋賀県立高等学校生徒を対象とする大学連続講座」を瀬田キャンパスで開講しています。

 2021年7月29日、「高校生のための土壌学入門」という題のもと、資源生物科学科 森泉美穂子准教授が、授業を実施しました。授業の内容を少しご紹介します。
 
 18世紀、種の起源の著者ダーウィンが、ガラパゴス諸島まで行ったのは、イギリス政府が肥料であるリン酸を探すための捜査船に乗った結果です。また、肥料産業というのは価格競争と資源の奪い合いの結果であります。土壌学は理系の学問にみえますが、このことから、その歴史は深く、理系以外の側面を持ちます。土壌学は理系だ!と言い切ることはできないのです。

 これからの進路について考える高校生に対し、森泉准教授は、ご自身を例にお話されました。作家になりたいと思っていた高校生時代、火山学を専攻しながら、ゲーテの著書に出てくるファウスト博士が住んでいたドイツの修道院へ行った大学生時代や、就職先で土壌関係の部署に配属された社会人時代。実は、必要に迫られ勉強した土壌学の分野へと進むことになり、現在に至ったとのこと。その時々で精一杯取り組んできた結果、「人生何が起こり、うまく作用するかわからない!自分が好きな分野に進み、ぶっつけ本番でも良いのでは?」というメッセージが送られました。
 若人のこれからの飛躍に期待し、今日の授業がそのきっかけの場となれば幸いです。

【参考】
森泉美穂子 准教授 のご紹介
土壌学研究室 のご紹介
滋賀県立高校に通う高校生を対象とした「大学連続講座」を開講【高大連携推進室】