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2021.11.26

「ダメ、ゼッタイ。」に代わる薬物政策と教育・回復支援のあり方を考える研修会<対面(龍谷大学深草キャンパス)・リモートのハイブリッド開催(12/4(土)5(日))>

【本件のポイント】

  • 日本における薬物依存からの回復について、最新の情報と理論を知ることが可能な「薬物依存症回復支援者研修京都セミナー」を龍谷大学 ATA-net研究センター1)とDARS2)が開催
  • 薬物依存者の回復支援に関わるステークホルダー(依存症者、家族、研究者、支援グループの職員、医師、ソーシャルワーカー、カウンセラーなど)が一堂に会し、立場を超えて意見を交換する回復支援者養成のための研修会
  • 課題共有にあたっては、これまでに研究で培ってきた討議スキーム“えんたく” 3)を活用し、まちづくりや地域の医療や福祉、司法の現場で役立てることを目的に

 

【本件の概要】
龍谷大学 ATA-net研究センターはDARS(DARS: Drug Addicts Recovery Supports)と共に薬物依存症回復支援者研修京都セミナーを開催いたします。DARSは薬物依存症回復支援者研修2)を開催する団体で、これまで、当事者や研究者、実務家などが講師となり、北は北海道から、南は沖縄までの全国各地で研修会を実施し、多くの方に参加いただいている実績があります。
日本では、「ダメ、ゼッタイ。」を掲げた覚醒剤乱用を前提とする画一的な薬物政策が、現在もなお展開されています。しかしながら、依存の対象や依存症の症状は多様であり、それに応じた多様な回復支援が必要です。そこで、本セミナーでは、本年5月でDARSが12周年を迎え、これまでの活動を振り返り、これからの12年を語り合う中で、討議スキーム“えんたく”を用いて、今後の回復支援のあり方を議論し、課題を共有します。

 

【実施概要】
1.名称:薬物依存症回復支援者研修京都セミナー
     アディクションの多様性と回復の多様性〜DARS 12年の軌跡〜
日程:2021年12月4日(土)13:00-17:00/5日(日)10:30-17:00
会場:ハイブリッド開催(龍谷大学 深草キャンパスでの対面参加/映像配信によるリモート参加)
参加費:有料(【対面参加】2,000円/【リモート参加】一般1,000円・学生500円)
※2日間通し価格。参加費には、“えんたく”テキスト代が含まれます。


主催:龍谷大学 ATA-net研究センター・DARS
共催:龍谷大学 犯罪学研究センター  企画・運営:一般社団法人刑事司法未来
補足:申込制 ※お申し込み期限:対面参加の場合は定員に達し次第受付終了

※詳細は下記HPにて
    https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-9456.html

 

2.プログラム ※一部変更となる場合があります
【12月4日(土)(セミナー第1日目)】

 

予定時刻

内容

配信の有無

13:00-13:15

開会あいさつ

石塚伸一(本学法学部教授・ATA-net研究センター長)

有り

13:15-13:45

基調講演

近藤恒夫 氏(日本ダルク・代表)

有り

13:45-15:35

DARS創設メンバーによる12年間の歩み

12名によるコメントを予定

有り

15:35-15:45

(小休憩)

 

15:45-16:50

フリーディスカッション

なし

16:50-17:00

閉会あいさつ・2日目の連絡事項

なし

17:00

終了

 

 

【12月5日(土)(セミナー第2日目)】

 

予定時刻

内容

配信の有無

10:30-10:35

開会あいさつ

石塚伸一(本学法学部教授・ATA-net研究センター長)

なし

10:35-11:55

1日目のわかちあい

DARS複数回受講者から、これまでの感想等

なし

11:55-12:00

まとめ・午後の連絡事項

なし

12:00-13:00

(昼休憩)

 

13:00-16:35

“えんたく”「アディクションの多様性と回復の多様性」

・“えんたく”企画趣旨説明

・ステークホルダーによる話題提供

・参加者を交えたシェアタイム 等を予定

有り

16:35-16:45

司会によるまとめ

土山 希美枝 氏(法政大学法学部教授)

有り

16:45-17:00

修了証授与

対面参加者のみ

なし

17:00

終了

 

 

3.用語解説
1)龍谷大学ATA-net研究センターとATA-net
ATA-net(Addiction Trans-Advocacy network)は、文部科学省科学研究費助成事業・新学術領域研究「法と人間科学」(2011〜15年度)に参加したメンバーが、「法と精神医療に関する国際会議(IALMH)」ウイーン大会(2015年)においてセッションを企画したことが契機となり、龍谷大学を拠点として発足した研究チームです。このチームの研究プロジェクトは、国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(以下「JST/RISTEX」という)の「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築」の研究開発事業に採択され、「多様化するアディクション(嗜癖・嗜虐行動)からの回復を支援するネットワークの構築」(2016年10月〜2019年9月)をめざす研究開発事業を展開してきました。同事業は、2019年12月より「研究開発成果の定着に向けた支援制度」の適用を受け、研究開発期間が 2022年3月まで延長となりました。
2019年6月に発足した、龍谷大学ATA-net研究センターは、「多様化するアディクション(嗜癖・嗜虐行動)からの“立ち直り”の支援」を研究テーマに掲げた研究組織です。ATA-netの協働事業者として、課題共有型”えんたく”構想の開発・普及に協力しています。龍谷大学の培ってきた刑事政策・犯罪学・アディクションに関する研究・教育・社会実践の成果を踏まえ、わたしたちが人生においてかならず直面する多様な“つまずき”(=多様な嗜癖・嗜虐行動や非行問題等)からの “立ち直り”(=主体性の回復)を支援するための回復支援スキームの開発とその社会実装をめざして活動しています。  https://ata-net.jp/ 

 

2)薬物依存症回復支援者研修とDARS
DARS(DARS: Drug Addicts Recovery Supports)は、2009年5月31日に「日本版ドラッグ・コート」構想実現を目標に掲げる研究者や支援団体職員などの12名によって結成された、任意団体です。
ドラッグ・コートとは、1980年代後半に薬物関連犯罪への厳罰政策に限界を感じたアメリカで開始された、薬物専門裁判所です。通常の刑事手続とは異なり、薬物関連犯罪を行った者に対して、薬物依存からの回復へ向けた治療的なプログラムを行います。詳細は、石塚伸一編『薬物政策への新たなる挑戦一日本版ドラッグ・コートを越えて』(日本評論社、2013 年)を参照のこと。
DARSでは、これまでにセミナーを定期的に開催し、①薬物依存症者の回復支援を行うモデルプログラムの紹介、②当該プログラムを担うファシリテーターやコーディネーターの養成を行っています。

 

3)課題共有型円卓会議 “えんたく”
アディクション(嗜癖・嗜虐行動)からの回復には、当事者の主体性を尊重し、その当事者の回復を支えうるさまざまな状況にある人々が集まり、課題を共有し、解決に繋げるための、ゆるやかなネットワークを構築していく話し合いの場が必要です。ATA-netは、この「課題共有型(課題解決指向型)円卓会議」を“えんたく”と名づけ、さまざまなアディクションからの回復支援に役立てることをめざしています。
地域円卓会議と呼ばれる討議スキームは、その目的によって、問題解決型と課題共有型に分かれます。また、参加主体によって、当事者中心のAタイプ(Addicts)、当事者と関係者が参加するBタイプ(Bonds)、そして、協働者も加わったCタイプ(Collaborators)の3つに区分され、今回は矯正・保護関係者、行政関係者、地域における支援者を交えて、課題共有型・Cタイプ(Collaborators)の“えんたく”を行います。

 

 

問い合わせ先:研究部(人間・科学・宗教総合研究センター)ATA-net研究センター事務局
Tel 075-645-2154  Fax 075-645-2240   Web https://ata-net.jp/