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社会学部

社会共生実習『The First Aid』(栗田修司)
防災活動を通して、地域との共生を図る。
津波・高潮ステーションを訪れて

2019.09.26津波・高潮ステーションを訪れて

社会学部 社会共生実習『The First Aid』(栗田修司)

9月12日に津波・高潮ステーションを訪れました。この施設は大阪府西大阪治水事務所が管轄しており、過去の災害や津波・高潮について学ぶことができる展示棟と水門施設などを管理する防災棟に分かれています。今回私たちは、この施設の展示棟で、見学と体験を通じて津波・高潮の脅威や対策について学習しました。

施設内には過去の津波・高潮の被害についての展示が複数ありました。台風での高潮被害の写真、東日本大震災についての展示などです。中でも印象に残ったものは、大阪府内にある二つの石碑の展示でした。一つ目は、大阪市浪速区の大正橋のたもとにある石碑です。この石碑は、安政南海地震の際に宝永南海地震の教訓を活かすことができず、多くの犠牲者を出したことを伝えています。これを境に翌年、後世に教訓を伝え犠牲者を弔うために石碑が建てられました。二つ目は、堺市大浜公園にある石碑です。この石碑は浪速区のものとは対照的で、宝永南海地震の教訓を言い伝えていた住民が高台にある神社に避難したことで、死者もけが人も出さなかったと書かれていました。これらから、災害を風化させることは次の災害の際に大きな被害に繋がると感じました。

また、施設には実際に使用されている水門の模型などの展示もありました。施設の方が、水門の仕組みや現状などを教えてくださいました。水防団の活動など私たちの知らないところで、暮らしの安全を守ってくれている人たちがいることを知ることができました。

そして、大阪に地震が起こった後に津波が来るとどうなるのかを4Dで体験しました。地震発生後はあまく考えずに、警報や注意報がでたら高いところへ逃げる必要があると学びました。また、大阪では地下鉄、地下商業施設など地下が有効活用されています。津波が大阪を襲うと地下は壊滅的な状況になってしまいます。大阪には津波避難ビルが沢山あるので、そのマークのあるビルの5階以上に速やかに避難することが命を守る行動に繋がると学びました。

私は、普段海のない県に住んでいるので、津波や高潮の脅威を実感することはなく、それらに対し知識もありません。しかし、出かけた先で津波や高潮の被害に遭ってしまう可能性もあります。日本では東日本大震災を機に津波などに対する考え方は少し変わったと思いますが、一人一人が正しい知識をもつ必要があると感じました。

大辻 明莉(滋賀県立河瀬高校卒業)