2019.10.02地方卸売市場での研修
農学部 淡路和則ゼミ
2019年7月6日(土)、滋賀県東近江市にある八日市公設地方卸売市場へ見学に行きました。
八日市市場は、滋賀県にある4つの市場の内、一番最初(昭和57年10月19日)に整備された市場で、23,123平方メートルの広さがあります。
市場の朝はとても早く、私たちは朝6時過ぎに八日市市場に到着しました。行きのバスの中では眠い目を擦っていましたが、初めて見る市場の壮大さに感動し、いつの間にか眠気を忘れ並んでいる様々な野菜を眺めていました。
6時半になり、青果卸売場ではいよいよせりが始まります。せりでは、買受人が「手やり」と呼ばれる指を使った独特なサインを使って、価格が決定します。せり人によって、沢山の野菜が手際良く値付けされていくのを、私たちは引き込まれるように見ていました。
せりが終わった後、私たちはせり人を務めておられる方にお話を伺うことができました。八日市市場やせりについてのお話や、野菜の目利きなど、為になるお話をしていただいた一方で、市場が抱えている厳しい状況についてもお話いただきました。
お話によると、八日市市場では、出荷する農家の高齢化が進んでおり、昔に比べて活気が無くなってきているそうです。また、量販店やネット通販の増加により市場を通さない青果物が増加し、取引量が減少の一途を辿っているという問題もあるそうです。これらの問題は、八日市市場に限ったことではなく、全国の市場で起こっている問題でもあります。八日市市場では、今後、市場を経由して量販店に青果物が流れる仕組みづくりを目指し、経営戦略を考えていかれるそうです。
次に、私たちは水産卸売場や関連商品売場、野菜や魚を保管する冷蔵庫や冷凍庫を見学させていただき、その後、市場の野菜を分けていただき、朝食の味噌汁作りを行いました。味噌汁作りでは、学年の垣根を越えて楽しく作業を進めることができました。
最後に、私たちは量販店に出荷する野菜の袋詰め作業を体験させてもらいました。
半日という短い時間ではありましたが、普段何気なく目にしたり食べたりしている青果物が、様々な人の手を経て私たちのもとに届いているということを、身をもって感じました。私は、今回八日市市場を見学させていただいたことをきっかけに、市場について興味を持ち、市場の活性化に向けて何かできないかな、と考えるようになりました。
西井 愛来(奈良県立高田高校卒業)