2022.11.30
公開シンポジウム「死刑を考える一日 〜絞首による死刑は残虐か?〜」【犯罪学研究センター共催】
テーマ:死刑執行の現場から〜絞首による死刑は廃止できるか?〜
開催日時 | 2022年12月23日 13:30 ~ 2022年12月23日 18:00 |
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開催場所 | 龍谷大学深草キャンパス 3号館301教室 |
お問い合わせ | 犯罪学研究センター [Tel] 075-645-2184 [E-mail] crimrc.ryukoku@gmail.com [URL] https://crimrc.ryukoku.ac.jp |
龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)は、きたる12月23日(金)に以下のイベントを共催します。本企画は、前センター長・石塚伸一教授(本学法学部)によるものです。ぜひふるってご参加ください。
【>>お申込みフォーム(Googleフォーム)】
※申込期限:12/22(木)17:00
〜絞首による死刑は残虐か?~
日本は、米国や韓国などと並んで、死刑制度を存置する民主主義国です。しかし、米国では、死刑を廃止または執行停止している州が過半数になろうとしています。韓国は、20年以上もの間、死刑を執行しておらず、国際的には「事実上の廃止国」と位置付けられています。ところが、日本政府は、世論調査の8割が死刑を支持していることを理由に存置の姿勢を崩していません。国会は、死刑について議論しようとすらしません。今年7月にも再審請求中の死刑確定者の刑が執行されました。執行方法は未だに絞首刑です。
死刑は、人権の核である人の生命を奪う刑罰です。文明社会においては消えていく運命にある刑罰です。世界は、死刑を廃止するためにさまざまな努力をしています。わたしたちは、何かしているでしょうか。
今回のシンポジウムでは、死刑問題にかかわってきた、元刑務官、ジャーナリスト、弁護士、研究者、宗教者、学生、市民など、立場を超えて、みんなで死刑について考えます。
【実施概要】
日時:12月23日(金)13:30〜18:00 ※途中入退席可
会場:龍谷大学深草キャンパス 3号館301教室【→キャンパスマップ】
定員:150名 ※申込先着順に受付・参加無料
対象:刑事政策、少年法、刑事法ゼミなどの受講者、法学部関係者を主な対象としますが、学内外を問わず、日本の死刑に関心をお持ちの方はどなたでも参加できます。
企画者:石塚伸一(龍谷大学法学部・教授)
【企画の趣旨】
わたしは、1993年、ドイツ留学中に「日本とドイツにおける死刑と終身刑」という講演をしました。そのとき、死刑のない国ドイツの学生から「日本でも死刑は廃止されると思うか?」と問われました。わたしは「廃止されるだろう」と答えました。それから約30年、死刑は廃止されていません。日本の友人から「死刑はどうやって執行されているの?」と聞かれたこともあります。「絞首刑」と答えました。友人は驚いていました。わたしたちは、この国の死刑について何も知りません。
龍谷大学に赴任した1998年から、わたしたちのゼミでは、毎年12月になると、みんなで「死刑について考える一日」を企画してきました。この10年くらいの間、お休みしてきました。来年3月、龍谷大学を退職します。最後の年の刑事政策の授業でもう一度、「考える一日」をやりたいと考え、本学法学部、犯罪学研究センターなどのご協力を得て、本企画となった次第です。みなさん、奮ってご参加ください。
【プログラム】
テーマ:死刑執行の現場から 〜絞首による死刑は廃止できるか?〜
スケジュール:
【第1部】死刑とはどんな刑罰なのか?
13:30-13:45 企画の趣旨「死刑を考える1日について」(石塚伸一)
13:45-14:15 死刑とはどういう刑罰か 「絞首刑」(制作・大阪弁護士会)の上映
14:15-14:45 龍谷大学の死刑への取り組み 2015年7月シンポジウム「宗教教誨の現在と未来~日本人の宗教意識~」記録映像の上映
14:45-15:00 質疑応答
15:00-15:15 =休憩=
【第2部】みんなで死刑について考える
15:15-15:45 対談
話し手:元刑務官(本学卒業生)/聞き手:堀川惠子さん(ジャーナリスト、ノンフィクション作家)
15:45-16:00 質疑応答
16:00-16:45 リレートーク「いま、死刑は動いている」
ナビゲーター:石塚伸一
・弁護士から見た死刑執行 | 金子武嗣・弁護士「大阪地裁の3つの国賠訴訟」
・キリスト者から見た死刑 | 五十嵐弘志・NPO法人マザーハウス理事長「ローマ教皇と死刑」
・研究者から見た死刑 | 石塚伸一・本学法学部教授「死刑との出会い」
16:45-17:00 =休憩=
【第3部】みんなで死刑について考え、そして、語りましょう
17:00-18:00 フリーディスカッション
【登壇者略歴】
堀川 惠子(ジャーナリスト、ノンフィクション作家)
広島大学卒業。広島テレビ記者・報道部デスクなどを経て退社。NHKなど東京のテレビ局でドキュメンタリー番組を制作。その間、ノンフィクション作家として作品を発表し、講談社ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞など受賞。主な制作番組に「死刑囚 永山則夫 ~獄中28年間の対話~」(2009年 NHK)、「「死刑裁判」の現場~ある検事と死刑囚の44年~」(2010年 NHK)、「死刑執行 法務大臣の苦悩」(2011年 NHK)、「永山則夫100時間の告白 ~封印された精神鑑定の真実~」(2012年 NHK)など。主著に『死刑の基準『永山裁判』が遺したもの』(2009年 日本評論社、講談社文庫)、『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』(2011年 講談社、のち講談社文庫)、『永山則夫 封印された鑑定記録』(2013年 岩波書店、のち講談社文庫)、『教誨師』(2014年 講談社、のち講談社文庫)などがある。
金子 武嗣(弁護士)
1973年4月大阪弁護士会に弁護士登録、現在に至る。1999年度大阪弁護士会副会長、2005年・2006年度日弁連人権擁護委員長、2009年度日弁連司法修習委員長、2010年度大阪弁護士会会長・日弁連副会長。
編著に、豊田商事株式会社破産管財人団編『豊田商事事件とは何だったのか――破産管財人調査報告記録』(朝日新聞社 2007年刊)、金子武嗣・石塚伸一編著『弁護士業務と刑事責任――安田弁護士事件にみる企業再生と強制執行妨害』(日本評論社 2010年刊)、松本恒雄・金子武嗣監修『ケースで学ぶ消費者取引ハンドブック』(民事情報センター 1994年刊)ほか。
五十嵐弘志(NPO法人マザーハウス理事長)
1964年生まれ、栃木県出身。前科3犯、受刑歴20年。獄中で主イエス・キリストと出会い、回心する。出所後にカトリックの洗礼を受け真の愛と赦しを実践するため 2014年5月 NPO法人マザーハウスを設立。 現在、受刑者の回復支援と社会復帰支援及び啓発活動に取り組む。
石塚 伸一(本学法学部教授、龍谷大学犯罪学研究センター・前センター長)
刑事法一般、受刑者の権利、監獄の歴史、死刑問題、薬物依存からの回復などを研究テーマとし、犯罪原因の科学的究明と合理的刑事政策の提案に寄与したいと考えている。
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