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2021.09.08

第27回「CrimRC(犯罪学研究センター)公開研究会:日本における性暴力犯罪と性教育」

「性刑法」(性犯罪に関する刑法)の改正をめぐって(Zoomによるオンライン開催 ※要申込)

開催日時 2021年09月28日 18:00 ~ 2021年09月28日 20:00
開催場所 Zoom
お問い合わせ 犯罪学研究センター [E-mail] crimrc.ryukoku@gmail.com [URL] https://crimrc.ryukoku.ac.jp


第27回 CrimRC(犯罪学研究センター)公開研究会
「日本における性暴力犯罪と性教育」


日時:2021年9月28日(火)18:00-20:00
形式:Zoomによるオンライン開催 ※要申込・参加無料 /定員:約200名
キーワード:加害と被害, 刑法改正, 性暴力, 性犯罪, 性教育, 孤立と回復, デジスタンス

【受付終了!>>お申込みフォーム】
※お申し込み期限:9月28日(火)14:00まで

【企画の趣旨】
現在、世界中で、性による差別や権利侵害をめぐる議論が活性化しています。刑事法の領域もその例外ではありません。「性刑法」(性犯罪に関する刑法)の改正をめぐる議論が進んでいます。
性刑法は、2017年、大幅改正が行われました。1907(明治40)年に制定された現行刑法は、第2次大戦後の1947(昭和22)年に日本国憲法の両性の平等に整合させるため「姦通罪」などが廃止されたこと以外は、大きな改正はなされてきませんでした。「家」制度を基盤とする性的モラル(道義観念)を維持したいという保守的な考え方が政治や司法の底流にあったと思われます。わずかに、1995(平成7)年、非自民政権の下で尊属関連重罰規定が削除されたことが一つのエポックだったと言えます。
2017年の改正で、暴行や脅迫を用いて性行為を強制する「強姦罪」を「強制性交等罪」と名称を変え、法定刑の下限を3年から5年に引き上げ、被害者については性別を問わなくなりました。また、親などの監護者や保護者が、影響力を利用して18歳未満の子供とわいせつな行為や性行為をした場合に処罰される「監護者わいせつ罪」と「監護者性交等罪」などが新設されました。同改正には、3年後見直しの付帯決議がつけ加えられていました。
その後、名古屋地裁岡崎支部と静岡地裁では娘に対する保護者の強制性交、福岡地裁久留米支部の判決では、酩酊状態の女性に対する性的暴行、静岡地裁浜松支部では、加害者が被害者の抵抗を認識していなかったことなどが争点となり、無罪判決が言い渡されたことに大きな批判を呼び、全国各地で性暴力に抗議するフラワーデモが行われました。

法務省では2020(令和2)年6月に「性犯罪に関する刑事法検討会」が設置され、これまで16回の会合が開かれ、2021年5月に『取りまとめ報告書』が公表されました。検討会の論点のひとつが、「暴行・脅迫・抗拒不能の要件の撤廃または拡大」です。
世界では、性行為については、「No Means No」または「Yes Means Yes」と呼ばれる相手の意思を互いに確認することを求める方向で法制度の整備が進んでいます。日本でも、強制性交罪等において、暴力的言行の有無ではなく、「“同意の有無”を中核に置くべき」という主張が有力です。つまり、同意のない性行為を犯罪とするべき、ということです。
イギリス、カナダ、ドイツなどでは「No means No」型(「No」という否定的表現がなされたているにもかかわらずなされた性行為は犯罪とします。)、スウェーデンでは「Yes means Yes」型(「Yes」という積極的な同意がない性行為はすべて性犯罪とみなされます。)の立法形式が導入され、被害者が「自発的に性行為に参加したか否か」によって犯罪の成否が決まります。日本学術会議も「同意の有無」を刑法の中核とするよう提言しています。

しかし、日本では、性行為において、相手の意思を互いに確認するという習慣が定着していると言えるでしょうか。その原因のひとつは、日本では性行為に関する知識が隠微なものとして語られ、人生の先輩から後輩に口伝されてきたという実態があります。さらには、現代では、性に関するアブノーマルな知識や表現がポルノやSNSを通じて、若い人たちに伝えられ、大人たちは性については口をつぐむ状況になります。
そこで、今回は、性刑法の改正と性教育の問題を考えてみようと思います。若い方々も、奮ってご参加ください。


企画の趣旨:石塚伸一(本学法学部・教授/ 犯罪学研究センター センター長

報告者・テーマ:
・斎藤 司(本学法学部・教授/ 犯罪学研究センター「性犯罪」ユニット長)
 「性刑法プロジェクトの活動について」
・嘉門 優(立命館大学法学部・教授/ 犯罪学研究センター「性犯罪」ユニットメンバー)
 「性刑法の改正をめぐって」
・谷家 優子(近畿厚生局麻薬取締部再乱用防止対策室・公認心理師/ 犯罪学研究センター「治療法学」ユニットメンバー)
 「『性的自己決定』とは何か」

指定討論者:
・牧野 雅子(犯罪学研究センター博士研究員)   ほか


主催:龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)
協力:龍谷大学 ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)

※ご興味のある方はどなたでもご参加いただけます。参加希望の方は【>>お申込みフォーム】より必要事項を入力してください。
※Zoom情報は、お申込み後に届くメール(開催当日の正午頃に送信)に表示されます。Zoom視聴情報を、他に拡散しないようお願いいたします。
また、申し込み時の名前とZoomの表示名を合わせていただくようにお願いいたします。

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【参考】
▶︎ NNNドキュメント - セックスと同意「性犯罪」刑法は変わるのか
https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/18948birzuekk5wvpt4u.html

▶︎ 日本学術会議「『同意の有無』を中核に置く刑法改正に向けて―性暴力に対する国際人権基準の反映―」(2020年9月29日)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t298-5.pdf
提言のポイント: http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-24-t298-5-abstract.html

▶︎ 法務省・性犯罪に関する刑事法検討会
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00020.html

▶︎ 龍谷大学社会学部 津島昌寛教授と法学部 浜井浩一教授が女性に対する暴力被害の実態として「女性の日常生活の安全に関する調査」(2016)の調査結果を発表
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-860.html


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