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2023.04.10

赤ちゃんの虐待えん罪を検証するブックレットを刊行【犯罪学研究センター/法学部】

日本におけるSBS/AHTに関する議論を科学的に前進させるために

犯罪学研究センター科学鑑定」ユニット(代表:古川原明子・本学法学部教授)が関わるブックレットが、2023年4月18日に現代人文社より刊行されます。

秋田真志=古川原明子=笹倉香奈 編著『赤ちゃんの虐待えん罪 - SBS(揺さぶられっ子症候群)とAHT(虐待による頭部外傷)を検証する!』(現代人文社)
http://www.genjin.jp/book/b624827.html

SBSはShaken Baby Syndromeの略称で「揺さぶられっ子症候群」を示します。一方、AHTはAbusive Head Traumaの略称で「虐待による頭部外傷」を指します。赤ちゃんを揺さぶって虐待したというSBS/AHTの事案は、本当に多発しているのか、その背景にあるSBS/AHT仮説に科学的なエビデンスはあるのか。このような問題意識から、ブックレットの編著者らによる「SBS検証プロジェクト(SBS Review Project Japan)」が立ち上げられ、本格的な検証が開始されてから5年が経過しました。

この間、SBS/AHTをめぐる議論は進展し、SBS/AHT仮説の科学的正しさが検証され、 SBS/AHTのえん罪事件について、2018年以降に同プロジェクトに関わった9事件で無罪判決が確定しました。

日本では、SBS/AHT仮説に基づいて誤った虐待判断がなされ、親子分離や捜査が起きています。しかし、海外でなされているように、SBS/AHT仮説は見直される必要があります。
本ブックレットでは、SBS/AHT仮説の根本にある問題点やSBS/AHTえん罪被害の実態を紹介するほか、児童虐待行政の現状や課題を明らかにしています。ぜひご一読ください。


秋田真志=古川原明子=笹倉香奈 編著『赤ちゃんの虐待えん罪 - SBS(揺さぶられっ子症候群)とAHT(虐待による頭部外傷)を検証する!』(2023年, 現代人文社)

秋田真志=古川原明子=笹倉香奈 編著『赤ちゃんの虐待えん罪 - SBS(揺さぶられっ子症候群)とAHT(虐待による頭部外傷)を検証する!』(2023年, 現代人文社)

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