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2023.09.11

【報告】国内体験学習プログラムで徳島県三好地域を訪問しました。(ボランティア・NPO活動センター)

 2023年9月5日(火)~9月7日(木)の期間、国内体験学習プログラム『四国のへそ』で学ぶSDGsの架けhashiで徳島県三好地域(三好市・東みよし町)を訪問しました。現地でお世話になったみなさまに、心より感謝申し上げます。
 森林などをめぐる体験・交流・応援の活動を通して、都市と農山漁村が支え合う社会をめざす認定NPO法人JUON NETWORKの協力と、公益財団法人日本財団ボランティアセンターとの協定で実現したこのツアー。森林・林業を取り巻く課題解決に取り組む地元の方たちの想いに触れ、木材の有効活用と地域創生を学んだ3日間の活動について報告します。


間伐材・国産材から作る樹恩割り箸製造を担うセルプ箸蔵にて


樹の紙製造販売会社ビッグウィルの近藤社長を囲んで質問する学生たち

9月5日(火)
 学生10名に引率のJUONスタッフとセンタ―職員各1名の合計12名が、8時30分に京都駅をマイクロバスで出発し徳島県三好市へ。4時間の車中ではそれぞれが思い思いに過ごす他、事前学習会で決めたチーム対抗で森林や割り箸に関するクイズを行いました。

 三好市到着後は、今回の学び拠点となる社会福祉法人池田博愛会が運営する知的障がい者施設『セルプ箸蔵』でオリエンテーション。一連の調整を行ってくださったJUON四国地域ブロックの世話人 兼 三好林業イノベーションセンターの田中さんから、森林の重要性と三好地域の林業の現状、若手育成の取り組みなどについてお話を伺いました。
 その後、日本三大秘境の一つ『祖谷』を観光し、土地面積の約90%を森林が占めるという三好地域を絶景ポイントから体感。先ほどお聞きした再造林の山も解説いただきました。


JUON四国地域ブロック世話人会とセルプ箸蔵のみなさん


祖谷街道の観光道中、再造林場所が見える展望台にて

9月6日(水)  
 午前中は、伐採された材木が集められる木材市場『㈱三好木材センター』を見学。大きな丸太の山がいくつも積まれている光景を見て、林業と一口に言ってもさまざまな職種や流通工程があることを知る一歩になりました。次に福祉施設『ワークサポートやまなみ』で精神障がいの方へのさまざまな支援事業のお話と、就労支援の一環である樹の紙作りの様子を見学した後、その樹の紙製造販会社『㈱ビッグウィル』を訪問。若手社長の近藤さん自ら、学生時代の就活から起業のきっかけ・三好地域への想いなどをお話しいただき、学生からも積極的に質問する様子が見られました。

 午後はセルプ箸蔵の取り組みを紹介いただいた後、このプログラムの二本柱の一つ、間伐材・国産材で作る樹恩割り箸の製造体験です。学生たちは裁断機での作業テンポの速さにあたふたしたり、選別作業は集中力が必要だということも実感し、障がい者の方が多くの工程に携わり完成することを知りました。また、休憩時間には利用者の皆さんと交流する様子も見られました。最後に丸太を板状に加工する製材工場『NISMOC㈱』を見学。この日お話しいただいたみなさんのさまざまな想いと、三好林業を軸にした雇用の創出について考える一日になりました。


県内有数の取扱量を誇る㈱三好木材センター


木材市場から運ばれてきた丸太を製材するNISMOC㈱


樹恩割り箸製造工程のうち、裁断と仕分け作業体験の様子


不良品がないか選別する作業は、利用者さんと一緒に

9月7日(木)  
 午前中は三好地域の森林で、このプログラムのもう一つの柱である植樹体験を行いました。山の中腹よりもさらに奥まで行き、くわのような棒状の道具で穴を堀って椎茸の原木用のクヌギ苗を110本植える作業で、かなり高い急斜面での作業に挑戦する学生もいました。杉や檜が中心の循環型林業サイクルへの取り組みの他、このような里山保全の観点も必要とされると学んだ活動でした。指導してくださったのは、今回の宿泊施設も運営されている大内さん。活動後は昼食を取りながら今まで三好地域で取り組んでこられたさまざまなお話を伺いました。

 午後は、拠点のセルプ箸蔵にて3日間の活動総括のふりかえり。学生たちは一人一人今回の気づきや学びを自分の言葉に落としこみ、お世話になった方々へ感謝と共にお伝えしました。セルプ箸蔵を後にする時は、割り箸体験で交流した利用者さんに見送っていただき、学生たちは名残惜しそうにしていました。
 今回のプログラムで出会ったみなさんは、さまざまな切り口で三好の森林と林業、人々の暮らしを持続可能なものにという想いがあり、参加した学生たちの心にも響くものがあったように思います。


このような傾斜地にも植樹することで、国土の保全にも繋がります


土が固く、植栽穴を掘るのに力が必要な場所も

参加学生の声

・大学のプログラムには初めて参加したので、SDGs、植林、社会福祉、林業への様々な会社の取り組みなど、ひとつのプログラムから多くの事を学べてとても参加して良かったと感じられました。(社会学部1回生)

・地域の人々に貢献したい気持ち、林業が盛んな三好市を愛してる気持ちが訪問先のすべての方々から感じ、自分たちも住んでいる地域をここまで愛しているのかということを考えるきっかけにもなりました。今の自分たちは森林保全のため、間伐や植樹をしていくことは継続できないけど、国産材で使用された割り箸を使ったり、樹の紙を使ったりしていくことは可能だと思うので、意識していって使っていきたいです。(先端理工学部2回生)

・福祉と林業の繋がりを直接目にすることができました。障がい者という肩書きにとらわれず生き生きと働き過ごしている利用者の方や、心地よい居場所作りをしているスタッフの皆さんに会い、私も頑張ろうという気になりました。(文学部2回生)

・林業を中心とした町おこしや林業従事者を育成するためのプログラムを企画している自治体は今回の三好市以外にも多く存在すると思うので、それらの自治体がどのような工夫を行っているのかが気になった。ただ林業一本で推し進めるのでなく、プラスαでお互いが支え合える関係を築くことができれば地方としてもより良いものになるのではと考えた。(社会学部3回生)


交流したセルプ箸蔵の利用者さんと名残惜しそうにする学生も


植栽から伐採まで約50年かけて育てられた材木は、学生たちの2倍以上の年齢


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         参加学生のレポート集

【報告会のご案内】

この活動の報告会を10月第1週目に開催予定です。
詳細は決定次第、お知らせいたします。
 

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