2025.01.08
【報告】2024年度国内体験学習プログラム「災害を学ぶスタディツアー」を実施しました
~東日本大震災から学ぶ、 まちづくりと防災・減災in 宮城県石巻市~
ボランティア・NPO活動センターでは、東日本大震災で被災した宮城県石巻市でのボランティア活動や防災教育の機会を2011年から継続的に設け、2023年度までに通算24回のボランティアバスを運行・のべ735人の学生や教職員が参加しています。
今回は2024年12月25日(水)~12月28日(土)の3泊4日でスタディツアーとして実施し、16名の学生が参加しました。
多くのことを学び・考え・悩んだ4日間となりました。貴重なお話を聴かせてくださったみなさま、本当にありがとうございました。
ツアー概要
【1日目】12/25(水)
朝、京都駅から新幹線で、仙台へ。仙台駅到着後はバスで石巻へ向かいました。
最初の訪問場所は伝承交流施設MEET門脇。ここを拠点に震災伝承活動に取り組む「3.11メモリアルネットワーク」の方から展示やシアターでの映像、発災当時に住民が避難した動きを分析したデータなどを元にした様々なお話を伺いました。
事務局長の中川さんからは「よりよい復興とは?」「防災はわかっていてもできない、だから本気で取り組む」「避難の連鎖」など、印象的な言葉とその背景にあるエピソードをお聴きしました。学生たちからも、東北から見た能登半島地震の復興の印象や災害弱者の避難について等、活発な質問がありました。
【2日目】12/26(木)
午前:震災遺構門脇小学校を訪問。被災して語り部をされている地域住民の方に加え、数年前からこの活動に関わるようになった東北大学生からもお話を聴きました。小学校を襲った津波火災や日頃からの避難訓練などを聴き、改めて備えが大切だと認識しました。
午後:震災遺構大川小学校を訪問。語り部の方からあの日何があったのか、遺族の想いやその後の訴訟のことなど、学生たちは真剣な表情で聴いていました。北上地区へ移動後は「ウィーアーワン北上」佐藤さんより、高台集団移転支援とその選択をふりかえって思うことなどについてお話しいただきました。
【3日目】12/27(金)
午前:雄勝を訪問し、本学が災害ボラバスで雄勝中心に活動するようになって以来、13年間関わりのある高橋さんにお話いただきました。防潮堤のこと、行政への複雑な思い、被災してもできることなどを聴き、魂の言葉に涙する学生や、積極的に質問する姿も。そして雄勝地区慰霊公園を訪れた後、雄勝ローズファクトリーガーデンへ。
午後:当時雄勝小学校教員だった徳水さんからフィールドワークと座学で災害について学んだ後、ガーデンで育てているオリーブの施肥に全員で取り組みました。多くのボランティアが関わってできたガーデン造りのお手伝いに、今回の学生たちも携わることができました。
【4日目】12/28(土)
午前:「のぞみ野第2町内会」の皆さんと復興公営住宅の清掃活動をしました。その間2名の学生は石巻のお雑煮作りをお手伝い。清掃を終えて一緒に昼食をいただいた後、自治連の方からこの地域の背景、自治会の皆さんからは運営ややりがいなどをお聴きしました。
午後:4日間通して、活動終了後には毎日振り返りを行いました。この日の総括でも、出会った人々から災害について学んだことや悩みながら考えたこと、「こうなりたい」など、ひとり一人が自分の言葉で熱く語りました。その後、バスで仙台駅に向けて出発し、17:00仙台駅を解散しました。
参加学生の感想
・阪神・淡路大震災から東日本大震災へと渡されたバトンが、自分にも回ってきた気がしています。その学びが能登の復興として、これから起こる様々な問題に対して解決出来る糸口を持っていると思うので、これからも地道に地に足つけた活動を歩んでいきたい。
・まず身近なところからでは、地元の地形や災害の歴史を調査したいと思います。その資料とハザードマップなどを比べ、今回の防災教育プログラムで学んだことから、もし地震や津波が起きたらどうなるのか、どのような避難経路を辿れば良いのか、というところを想像できるだけあげていきたいと考えました。
1/17(金)には本ツアーの報告会を実施予定です。学生たちの想いを聴きに、ぜひご参加ください。
「災害を学ぶスタディツアー報告会」
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