2026.05.22
「記録を残すこと」の社会的意義とは。冤罪・甲山事件をめぐる関西テレビ番組制作に龍谷大学が協力【研究・社会実装推進部/図書館/法学部】
「冤罪・甲山事件 山田悦子 半世紀の闘い」5月29日(金)深夜1:15~放映予定
2026年5月29日(金)深夜、関西テレビで放送されるドキュメンタリー番組「冤罪・甲山事件 山田悦子 半世紀の闘い」の制作にあたり、龍谷大学図書館が所蔵する「甲山事件」の訴訟記録が取材・調査に活用されました。
番組を制作したのは、関西テレビの報道記者であり、映画「揺さぶられる正義」(2025年9月公開)を手掛けた上田大輔氏です。これまでに上田氏は本学を複数回訪れ、本学深草図書館が所蔵する「甲山事件」の訴訟記録を閲覧。番組内で資料・写真等が直接使用されるわけではないものの、「取材を進めるうえで非常に重要な参考資料となった」として、番組クレジットに「龍谷大学図書館」ならびに、古川原 明子教授(本学法学部)をはじめ関係教員名が記載される予定です。
番組名:「冤罪・甲山事件 山田悦子 半世紀の闘い」
放送日時:2026年5月29日(金)深夜1:15~2:30
放送: 関西テレビ放送
https://www.ktv.jp/document/
【ドキュメンタリー番組の概要】
冤罪・甲山事件は、1974年に兵庫県西宮市の知的障害児施設「甲山学園」で発生しました。当時22歳だった保母の山田悦子さんが殺人容疑で逮捕され、自白の強要や再逮捕、長期に及ぶ裁判など、日本の刑事司法や捜査の在り方を問い続けてきた冤罪事件として知られています。21年間の裁判の末、最終的に山田さんは無罪が確定しましたが、事件は「冤罪」や「供述調書のありよう」「報道被害」など、多くの論点を社会に投げかけました。
今回の番組では、これまで長くメディア取材を拒んできた山田悦子さんへの長期密着取材が実現。事件から半世紀を経た今、冤罪・甲山事件が残した教訓を改めて見つめ直す内容となっています。
【記録を残すことの社会的意義】
日本の刑事事件史上に残る「甲山事件」のドキュメンタリー番組に関する取材活動を支えたのが、本学図書館が所蔵する資料です。「甲山事件」の訴訟記録は、刑事司法や犯罪学研究に取り組んできた 石塚伸一名誉教授らの研究活動とも関わりながら整理・保存されてきました。
また番組では、2025年度から文学部「教育学特殊講義」の1つとして、「甲山冤罪学」(ゼミ形式)を開講する札埜和男教授(本学文学部)の授業風景も撮影されており、大学における教育・研究活動の一端も紹介される予定です。
近年、再審制度の見直しや証拠開示のあり方をめぐる議論が進む中で、事件記録や証言資料を社会の共有財産として保存・継承していく重要性が改めて注目されています。そうした中、大学が資料を保存し、研究者だけでなく、報道機関や社会全体へと開いていくことは、過去の出来事を検証し続けるための基盤にもなります。
龍谷大学図書館では、今後も所蔵する学術資料・社会資料の保存と活用を通じて、研究・教育のみならず、社会との対話や公共的な知の継承に貢献していきます。
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