2021.04.09
日本と世界の薬物政策の現状について 各分野の専門家に学ぶフォーラム シリーズ第3回 「ドイツの薬物政策〜使用と所持の法規制をめぐって〜」 4月13日(火) Zoomにて開催
【本件のポイント】
- 厚生労働省は「大麻等の薬物対策のあり方検討会」(※1)を立ち上げ、医療用大麻の使用を拡大する一方で、これまで処罰の対象となっていなかった大麻の使用を犯罪化・刑罰化しようという論議を開始
- 議論を受け全6回の連続ティーチインは、薬物をとりまく現状を知り、薬物政策の意味を学べる内容に
- 今回は、ドイツの法規制を手掛かりに禁止薬物の使用や所持の問題を考える
龍谷大学ATA-net研究センター(※2)と犯罪学研究センター(※3)は、全6回の連続ティーチイン(時事問題などを討議するフォーラム)を開催中です。本ティーチインは、日本をはじめ、諸外国における薬物をとりまく現状を知ること、政府政策の意味を学べる内容となっています。
第3回となる今回は、大麻の自己使用と少量の所持を非刑罰化しているドイツの法規制を手掛かりに、禁止薬物の使用や所持の問題を考えます。報告者は、金 尚均教授(本学法学部、刑法担当)です。金教授は近年はヘイト・スピーチやインターネット犯罪の研究で知られていますが、1990年代にドイツに留学し、ドイツの薬物政策に精通しています。
【概 要】
1.名称:龍谷大学ATA-net研究センター/犯罪学研究センター共催・ティーチイン
シリーズ第3回 「ドイツの薬物政策〜使用と所持の法規制をめぐって〜」
日時:4月13日(火) 18:00 - 20:00
補足:オンライン開催・申込制・参加無料 ※詳細は下記HPにて
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-8183.html
2.報告者
金 尚均(キム サンギュン)(本学法学部教授)
1967年大阪府生まれ。立命館大学研究科修了、博士(法学)を取得。山口大学、西南学院大を経て、現在、龍谷大学法学部教授。フンボルト財団の支援を得てドイツ留学。主著に「危険社会と刑法―現代社会における刑法の機能と限界」(成文堂、2001年)、中川慎二・河村克俊との共著書に『インターネットとヘイトスピーチ―法と言語の視点から』(明石書店、2021年)などがある。
なお、単著『ドラッグの刑事規制―薬物問題への新たな法的アプローチ』(日本評論社、2009年)は、ドイツでの調査の成果を踏まえた比較法研究の書籍である。
3.プログラム ※一部変更となる場合があります
- 開会の挨拶 石塚 伸一(本学法学部教授) 5分
- 報告者 金 尚均(本学法学部教授) 55分
- 質疑応答・ディスカッション 55分
- 閉会の挨拶 石塚 伸一(本学法学部教授) 5分
4.主催:龍谷大学 ATA-net研究センター
共催:龍谷大学 犯罪学研究センター
5.用語解説
※1)大麻等の薬物対策のあり方検討会
大麻事犯が増加傾向にあり、とりわけ若年層における大麻濫用の急増や再犯率の増加、大麻製品の流通拡大への対策を課題としつつ、大麻の医療用途への活用を含む今後の薬物対策へのあり方を議論するため、厚生労働省によって2021年1月に立ち上げられました。
※2)龍谷大学 ATA-net研究センター
ATA-net(Addiction Trans-Advocacy network)では、「多様化するアディクション(嗜癖・嗜虐行動)からの“立ち直り”の支援」研究テーマに掲げています。本学がこれまで培ってきた刑事政策・犯罪学・アディクションに関する研究・教育・社会実践の成果を踏まえ、ATA-netが運営の主体となって、多くの人たちが人生において直面する多様な“つまずき”(=多様な嗜癖・嗜虐行動や非行問題等)からの “立ち直り”(=主体性の回復)を支援するためのスキームの開発とその社会実装を目的としています。
※3)龍谷大学 犯罪学研究センター
「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。実証的な犯罪学研究は19世紀後半のヨーロッパで始まり、現在、欧米諸国の総合大学では「犯罪学部」として学問・研究分野が確立されており、多様な社会ニーズに応える人材を多く輩出しています。2016年6月に発足した龍谷大学 犯罪学研究センターは、建学の精神を具現化する事業として、犯罪予防と対人支援を基軸とする本学ならではの「龍谷・犯罪学」の創生に向けた研究と社会実装活動を展開しています。
6.今後の開催予定
ーシリーズ第4回 「日本人が知らない大麻の話〜医療用大麻とエビデンス・ベイスト・ポリシー(EBP)〜」
日時:4月27日(火) 18:00 - 20:00
補足:オンライン開催・申込制・参加無料 ※詳細は下記HPにて
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-8184.html
報告者:正高 佑志氏(一般社団法人GREEN ZONE JAPAN代表理事)
本講演では、国内外の大麻情勢をフォローしてきた医師の視点から、医療、経済、政治の動向を概観し、日本のあるべき大麻政策についての提言を行います。
ーシリーズ第5回(日時:5月7日(金) 18:00 - 20:00)
※現在企画調整中。社会学者をお招きしてお話を伺う予定です。
ーシリーズ第6回(日時:5月17日(月)18:00 - 20:00)
※現在企画調整中。刑法学者をお招きしてお話を伺う予定です。
7.これまでに開催したティーチイン
ーシリーズ第1回 「薬物使用と非犯罪化〜翻弄(ほんろう)される日本社会〜」
開催日:2月22日(月)
報告者:長吉 秀夫氏(作家)
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-7843.html
ーシリーズ第2回 「ハーム・リダクションとは何か? 〜非犯罪化、非刑罰化、非施設化のメリットとデメリット〜」
開催日:3月30日(火)
報告者:徐 淑子氏(新潟県立看護大学講師)丸山 泰弘氏(立正大学法学部准教授)
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-8039.html
問い合わせ先:
研究部(人間・科学・宗教総合研究センター)ATA-net研究センター事務局
Tel 075-645-2154 Fax 075-645-2240 Web https://ata-net.jp/