自分の興味に合わせて選択できる5つの専門教育プログラム
現代の環境問題は、気候変動や生物多様性、経済活動など多様で複雑です。サステナブルな社会を実現するため、1~2年次は学部共通の学びを修得し、3年次以降に得意分野や興味に合わせて5つのプログラムから選択し、専門性を高めていきます。
文系・理系を問わず、多様なアプローチで、あなたの好きなことで、サステナブルな社会を実現しましょう。
地域デザインプログラム
地域の強みを活かして、どう良くしていくのか
地域コミュニティに着目し、自然資本をベースとした地域の資本や地域経営について学び、地域の資本を適正に認識して持続的に発展していけるように地域をデザインする方策について考えます。
ネイチャーポジティブ経営プログラム
企業が自然を大切にしながら成功するには
企業などの組織に着目し、生物多様性の定量化方法や生物多様性喪失が組織経営に及ぼす影響について学びネイチャーポジティブを組織経営に連接させる方策について考えます。
生物多様性回復プログラム
失われつつある生き物の世界をどう守り、取り戻すのか
生態系とそれを支える生物多様性、さらには社会経済活動との相互作用について学び、生物多様性の保全・回復と社会経済活動との共存方策について考えます。
資源循環利用プログラム
ごみをなくし、資源をムダにしない社会へ
社会経済活動に伴って排出される廃棄物に着目し、廃棄物廃棄の適正化や資源としての循環再利用について学び、循環経済の実現方策について考えます。
持続的水資源管理プログラム
生命に不可欠な『水』をどう守り、どう使っていくのか
すべての生命を支える水資源に着目し、水環境保全や水資源利用に係る技術、社会経済システムについて学ぶとともに、持続的な水資源管理のあり方について考えます。
五感で学ぶ 体験・共創型PBL「クエスト科目群」
体験・共創型PBL「クエスト科目群」では、滋賀県が誇る琵琶湖をはじめ、国内外に実習フィールドを準備しています。リアルな自然環境の中に飛び込み、自然がもたらす価値について、実際に五感(見て、聞いて、触れて、感じて、楽しんで)を通した学びを体験します。
講義で得た知識を現場で確かめ、現場での気づきを講義に持ち帰る、「体験して、問い、動いて、つなげる」といった循環型学習の学びが特徴です。
文系・理系を問わず、全ての学生が「考える力」「動く力」「つなぐ力」を身につけ、ネイチャーポジティブ時代の社会で活躍できる人材へ成長します。
1年次
琵琶湖プロジェクト
地元・琵琶湖とその流域を舞台に、環境問題の全体像を「自分の目」でつかみます。水質、流域の森、環境インフラ、外来種、産業、暮らし――多様な現場を訪れ、地域が抱える課題を五感でとらえます。そのうえで、少人数チームを組み、実際の問題を1つ選んで本気で調べ、議論し、解決案をまとめます。教員との密な対話の中で、「問いの立て方」「調べ方」「まとめ方」の基礎が自然に実につきます。文理どちらの学生にも開かれた”学びの入口”となります。
■京都府/貴船
■滋賀県/琵琶湖
オンサイトエクスカーション
”妥協のない現場”に立つことで、環境を学ぶ意欲を一気に引き出します。希少生物の保全現場、湿原・離島の自然、水インフラ、資源循環の最前線など、多様性と現実が交差する場所を訪れます。自然の迫力、人間活動の複雑さ、環境問題が孕むリアリティに触れ、「環境を学ぶとはどういうことか」を身体で理解するプログラムです。フィールドでの体験が、その後の専門学習への強い原動力になります。
■タイ/チェンマイ
■沖縄県/伊江島
2年次
オンサイトソリューション
環境を学んだ“その先”にあるキャリアを、自分の目で確かめます。企業、自治体、NPO、コンサルティング、研究現場など、環境に関わる職場を訪問または参加し、実際に働く人々の課題に向き合います。現場型のインターン、大学発のプロジェクト、往復型の学び(職場×大学)など、多様なスタイルで実践。環境学が社会でどう活かされているのかを理解し、キャリアの方向性を早い段階から描けるようになります。
■海士町/島根県
■ベトナム/ハイノ
■滋賀県/瀬田キャンパス・龍谷の森
3・4年次
特別研究Ⅰ/Ⅱ
研究室に所属し、テーマを深める「自分だけの研究」を形にします。3年次は、教員の指導のもとで文献読解・現地調査・研究方法論を学び、研究計画を固めます。4年次は、それまでの学びを統合し、独自の視点で研究を発展させます。分析・検証・考察の全てを自分で組み立てていく課程は、大学での学びの集大成となります。
メンター実践
3年次生の学びを支える立場に立ち、教えることを通して自らの理解を深める実践科目です。
対話と伴走を通じて、学びを言語化し、他者に伝える力を磨きます。
■文系タイプの学びの様子
■理系タイプの学びの様子
■メンター実践の学びの様子
地球環境を守りながら、社会や経済を持続可能にするために活躍する「グリーン人材」が世界で求められています。
環境政策、資源循環、ネイチャーポジティブ経営など、あらゆる角度から環境問題に向き合うことで、日本だけでなく、世界で活躍できるグリーン人材への学びを環境サステナビリティ学部では享受します。
専門知識を備え、次世代の社会がより良いものとなるよう、課題を見つけ解決する「実践的な力」を身につけた人材を、グリーン人材と位置付けています。
サステナビリティをめぐる幅広い知識を身につけるとともに、都市環境工学、生物多様性科学及び経済・経営学に係る専門知、並びにそれらを統合した視点を獲得し、今だけでなく次世代を含めた持続可能な社会の創造に向けて、実践的に課題解決に向き合える人材を環境サステナビリティ人材と考えています。

山中 裕樹 教授
[専門分野]
生物多様性科学、環境DNA学
▼解決をめざす「社会課題」

生物多様性の減少は、世界規模での危機に直面しています。この課題に対して「びわ湖100地点環境DNA調査」という革新的なプロジェクトを立ち上げました。環境DNAとは、水や土壌中に存在する生物のDNAの総称です。私たちはコップ1杯の水からDNAの断片を採取・分析し、川に生息する魚を特定するDNA分析技術の研究を進めてきました。従来の調査では見落とされていた希少種や外来種の分布まで把握できるこの技術を活用し「ネイチャーポジティブ」をめざします。これは「多様性減少に対して人類が責任をもち、社会・経済のシステムの更新を経て、人類が暮らしつつも多様性を減少させずに回復させていく仕組みをつくる」壮大な挑戦です。滋賀県という限定的な地域で実証し、スモールスケールでのネイチャーポジティブの成功例を世界に発信することが狙いです。あらゆるステークホルダーと協働し、保全行動につながる新しい社会を構築していきます。
環境問題は往々にして他人事としてとらえられ「誰かの責任」と片づけられがちです。しかし、生物多様性の減少は、私たち一人ひとりが確実に関与している重要な課題です。「行動、生活、コミュニティ」が環境につながる複雑なパスを分析していくと、自分たちが要因の一つになっていることを理解できるはずです。環境DNA分析は、見えにくい生物多様性の実態を可視化し、客観的な情報として提供することで、社会全体の意識改革を促進します。今回のプロジェクトでは、組織としてどう行動すればネイチャーポジティブのための社会・経済システムの変更に貢献できるのかを考えていただきます。そして消費行動や間接的な効果を含めた私たちの日々の判断が生物多様性とどうつながっているのか、科学的な視点から明らかにします。生物多様性のステークホルダーだという自覚を持つことこそが、この課題を解決する確かな一歩になると信じています。
藤本 周子さん
理工学部 環境ソリューション工学科 2023年卒業(※)
理工学研究科 修士課程 環境ソリューション工学専攻 2年生
(京都府 大谷高等学校 出身)
※2027年4月より環境サステナビリティ学部環境サステナビリティ学科(仮称)へ改組予定
生態系は複雑な条件が絡み合って成り立っています。その複雑な相互作用を明らかにするため、プログラミングを活用した定量的アプローチから取り組んでいます。現在は「植物プランクトン由来VOCのツボカビ感染による質的・量的時間変化」に着目し、先行研究の少ないツボカビの水域生態系における重要性を追究しています。研究にあたって、ツボカビや植物プランクトンといった生物の培養が思うように進まず、何度も実験方法の変更を強いられました。しかし、この研究が進めば、水域生態系における環境保全につながるに違いありません。
※設置計画は予定であり、内容に変更が生じる場合があります。