龍谷大学 SDGs宣言
― 仏教SDGsの推進 ―

龍谷大学は、「浄土真宗の精神」を建学の精神とする大学として、「仏教SDGs」の理念を掲げて、SDGsの達成に資する取り組みを推進してきました。阿弥陀仏が「すべての生きとし生けるものを決して見捨てない」と誓われた心、すなわち「摂取不捨」の心と、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」という理念とに共通点を見出し、この仏教的な視点を通して大学構成員自らの自省と気づきを促す、それが、本学が掲げる「仏教SDGs」です。

大学の最も重要な使命は、これからの社会を担う「人」を育むことです。龍谷大学は、全学部の必修科目として「仏教の思想」を開講しており、この講義での学びが「仏教SDGs」への共感の基盤となっています。

龍谷大学は、長期計画として、創立400周年を迎える2039年の将来像を見据えた「龍谷大学基本構想400」を策定し、龍谷大学の現代的な使命を次のとおり定めました。

• どのような状況にあっても、他者を排除するのではなく受容し、価値創造を通じて、人類や社会の発展のために貢献する。
• 人類全体の共存共栄と、地球環境と調和した社会の実現をめざした取り組みを行い、その知見を世界に広く発信し普及させていく。
• 異なる価値観を許容する未来を創出し、誰一人として取り残さない社会を形成していく変革の担い手を育む。

「龍谷大学基本構想400」を具現化するために、ムハマド・ユヌス博士（ノーベル平和賞受賞者）が提唱するソーシャルビジネスに関する研究拠点「ユヌス ソーシャルビジネス リサーチセンター」を深草キャンパス内に設置しました。同センターを拠点として他の研究センターとが協力し、ソーシャルビジネスの分野をはじめ、様々な研究分野において、世界の人々と連携しながら、龍谷大学の掲げる使命の具現化を推進していきます。

COVID-19によるパンデミックは、貧困、飢餓、社会的分断、様々な格差の深刻化といった社会課題を浮き彫りにしました。社会や人々の幸福や健康を表す「ウェルビーイング」をはじめとしたSDGsの達成の重要性がますます高まっているといえます。龍谷大学は、「仏教SDGs」の理念に立ち、過去を振り返り現状を厳しく自省し、さらなる利他的活動に取り組み、龍谷大学構成員一人ひとりが主体となって、持続可能な社会の実現に向けたあゆみを加速させる決意です。

2022年2月3日
龍谷大学　龍谷大学短期大学部
学長　入澤　崇