下島 瑠衣斗さん(2025年3月法学部卒業)
〈進学先〉大阪大学法科大学院(既修)
〈合格先〉神戸大学法科大学院(既修)、名古屋大学法科大学院(既修)
私は、2年生の4月から法学基礎マスター講座を受講し、3年生と4年生のときに法職課程研修室を利用していました。
法学基礎マスター講座は、事前に送られてきたテキストを元に、各自が映像資料を観て勉強を進めていくものです。この講座のメリットはたくさんありますが、一番は勉強の効率を上げることにあると思います。法律の勉強はとにかく量が膨大で、中には重要度が低い分野もあります。もちろん、基本書を使って独学で勉強を進めていくことも可能ですが、初学者の段階ではどの分野が重要かを判断するのは難しいです。この点、法学基礎マスター講座は単元ごとにランク付けがなされており、重要な分野は時間をかけて丁寧に扱ってくれるので、効率よく勉強を進めることができます。また、日々の勉強のペースメーカーになる点もよいと思います。先ほども述べたように、法律の勉強は量が膨大なため、途中でだらけてしまう可能性があります。そのため私は、休日は最低でも6本の講義を視聴するように目標設定し、継続して勉強することを心がけていました。法学基礎マスター講座は、伊藤塾という司法試験受験生の間で非常に高いシェア率を誇る予備校が提供している講座なので、これから法律の勉強を始めようという方にはぴったりだと思います。
そして、法職課程研修室は、一人一人に机とロッカーが貸し出されます。自宅で集中して勉強できない方や講義の空きコマにもしっかりと勉強したい方は利用するとよいと思います。私も実際、4年生の夏に受けた予備試験の短答式試験の前には朝から夜まで研修室を利用し、無事に合格することができました。
法科大学院対策では、早めに勉強にとりかかることが大切です。具体的には、4年生に上がるタイミングで基本7法の基礎と論文の書き方を一通り抑えていれば法科大学院入試においてはかなり有利だと思います。そして、過去問検討も同じくらい大切です。法科大学院によって出題される科目の数や問題の傾向、試験時間、要求されるレベルなどが違います。そのため、できるだけ早く直近数年分の過去問に目を通し、最終的なゴールから逆算して計画を立てることが重要です。とはいっても、2年生の方などはまだ入試まで時間があるので、本格的な対策をすぐに始めるのは難しいと思います。そこで、今からできる対策としては、学部成績(GPA)を上げることだと思います。受ける法科大学院によっては合格点の半分近くが学部成績等を考慮した書類点で占められていることがあるので、受験しようと思っている法科大学院の募集要項などを確認し、今のうちに高い成績を維持できるように勉強してほしいです。また、予備試験を受けてみることもおすすめします。短答に出てくる知識は非常に細かいですが、民法や商法などの細かい条文知識が求められるような科目ではきっと役に立つと思います。
法科大学院入試は、ここ2、3年でかなり倍率が上がり、合格難易度が高くなっているので、受験を考えている後輩の皆さんには様々な不安や焦りがあると思います。しかし、目の前のことを着実にこなしていけば、自ずと法科大学院ないし司法試験の合格に近づくことは紛れもない事実です。そのため、まずは目の前の講義や期末試験などに全力で取り組み、その上で後悔のないよう日々の勉強を大切にしていってほしいと思います。
加藤 紅葉さん(2025年3月法学部卒業)
〈合格先〉関西学院大学法科大学院(未修)、同志社大学法科大学院(未修)、立命館大学法科大学院(未修)
私は、幼少期にお世話になった弁護士や裁判所の方々に憧れを抱き、中学生の頃から法学部へ進学するために勉強をしていました。しかしながら、私はかなり多趣味で他にも様々な夢を抱いていたので、大学では、社会人になる前に思い残すことがないように、どんなことでも興味が湧いたらチャレンジしようとも考えていました。
そして、龍谷大学に入学することになり、何事にも貪欲に挑戦しました。法学以外のことにも触れたり、サークル活動にも力を入れたり、友達と思いのまま遊んだりもしました。そんな中で、教育熱心で丁寧な龍谷大学の教授の方々の講義を受講するうちに、元々抱いていた法曹への憧れが、一層強い志となり、法曹を志望しています。
法学部出身者ではありますが、上記のような大学生活を送っていたので、既修者コースへの進学は難しいと考えていました。また、司法試験合格のために必要なのは、何よりも法学についての盤石な基礎力であると思い、もう一度基礎からしっかりと学び直すために未修者コースでの入学を目指しました。
「やることがない(対策のしようがない)」と言われがちなのが、多くの未修者選抜試験で科目となっている小論文だと思います。そして、勉強法を聞いてみても「最初に(本文を読む前に)設問に目を通してください」以外のコツがなかなか教えて貰えないことも、よくあることではないかと思います。要するに、何を勉強すれば良いのか分かりにくいのです。確かに、読解力はあるに越したことは無いのですが、きちんとコツさえ押さえて勉強すれば、少し文章を読むことに苦手意識がある方でも合格できると私は考えています。仮に小論文に自信がなくても、法学部出身でないとしても、何も恐れることはありません。実際、私が本格的に小論文の対策を行ったのは、ロー入試1校目(立命館)の約一カ月前からで、その翌日が試験日だった関学も含め、無事合格しています。
さて、本題の勉強法についてですが、私が行った小論文対策は大きく分けて以下4つあります。
①法科大学院の過去問を解くこと
②法科大学院小論文対策テキストを活用すること
③本文に出てくるテーマ・キーワードを覚えること
④精読を意識すること
まず、1日1つは小論文を解く。これに始まりこれに終わると言っても過言ではない受験期間だったと言えます。その間のちょっとした時間に、小論文における頻出テーマの理解を深めたり、キーワードを覚えたり、また必要があれば漢字学習を行ったりしていました。
①「敵を知り、己を知れば、百戦して殆うからず」という教訓がある通り、まずは敵を知らねばなりません。とにかくまずは、過去問に目を通してください。法科大学院ではHPにて本文を含めた過去問の公開がされている場合があり、無料で小論文の演習を行うことが出来ます。次に、己を知ることが大切です。まず一度、「自分の納得できる答案が作成できるまでの時間」を知るために時間を計って演習してみてください。その際、「本文の読解」(「下書き」)「答案作成」にどれくらい時間を要したのか把握できると尚良いと思います。そして、講評や解説を参考にして、自分の答案の過不足を把握しながら、「試験時間内に合格答案が作成できるように」演習を重ねるのが良いと思います。そして、一度は、法職課程相談室の方々や、ゼミの先生などにお願いをして、答案を見ていただくことをお勧めします。出来れば、同じく小論文の演習を行いたい人を見つけ、答案を添削し合いながら演習するのが理想的でしょうが、私のように基本的に一人で演習を重ねていたとしても合格は出来るので安心してください。
②とは言え、過去問が公開されていない法科大学院もありますし、過去問が足りない(演習量が足りない)場合もあるかと思います。そのような場合にはぜひ法科大学院小論文対策テキストを活用してみてください。すると、HPでは公開されていない法科大学院の過去問を解くことが出来ます。それに加え、実は法科大学院入試における小論文には頻出のテーマがあり、それがテキストにはまとめられていることが何より有用であると思います。また、解説も詳しく、模範解答のレベルも高いので、自分には無い知識や、発想、書き方が、そのテキスト一冊で学べます。
③そして、法科大学院入試における小論文には頻出テーマがあると言いましたが、これに対する理解をある程度深めておくことがかなり重要です。詳しくは小論文対策のテキストに書いているでしょうが、ザッと私が思いつくだけでも、「科学や自然に関する分野」 「言語や宗教・文化に関する分野」「法・政治・経済に関わる分野」「近代(アイデンティティや共同体主義、全体主義など)」「現代(ジェンダーやポピュリズム、マスメディアや情報社会、AIなど)」などがあります。細かな形式こそ違えど、大体どこの法科大学院でも頻出テーマに関連した本文となっており、この前提知識があるだけで、本文の読解のしやすさや、自分の意見を述べる設問の解きやすさが、格段に向上します。
そうした頻出テーマに対する知識やキーワード、評論文にありがちなレトリックな表現を学ぶために、私は『読解 評論文キーワード 改訂版(以下略)』を使用しました。
④また、確かに、限られた時間内に本文を読み、それに関して論じなければならないので、速読もある程度は意識せざるを得ません。しかし、要約するにも、著者の考えを読み取るにも、自分の意見を述べるにも、そもそも本文を正確に読解出来ていなければ不可能です。更に言うと、精読を意識するだけで、必然的に本文の読解速度は上がり、変に速く読むことを意識するよりも、速読ができるようになると考えています。そのコツは以下の通りです。
〇頻出テーマやキーワードを覚えることで、理解に詰まる確率を下げる。
〇「接続詞(つなぎ言葉)」を手掛かりにして、本文中のより重要な箇所を見極める。
〇話題の切り替えや、覚えておきたい内容があった場合には、その文章の横に、その内容を簡単に要約したものをメモする。
そうすることで、本文自体を理解するのにかかる時間を短縮でき、本文を読み返す頻度も低下しましたし、もし本文を見返すとしても、内容がすぐ把握出来ました。
私が合格できた所以は、自分が試験対策に勤しんだことは勿論ですが、龍谷大学で数々の経験を積むことが出来たことや、優秀で尊敬できる教授の方々に恵まれたこと、そして何より法職課程相談室の方々のおかげだと思います。
限りある大学生活をどう過ごすかも、どう活かすかも自分次第だと思います。龍谷大学には多くの支援制度や設備があり、きっと皆さんの挑戦を後押ししてくれるはずです。ぜひ学生生活を楽しんで過ごしてもらえたら嬉しいです。
法科大学院を目指される方や、法学の学習に悩んでいる方は、ぜひ4号館2階にある法職課程相談室へ足を運んでみてください。
馴染みが無い方には、一見すると入りにくいかもしれませんが、勇気を出して声をかけてみれば、温かくも心強い法職課程相談室のスタッフさんが、迎えてくれます。実際、私は、進路相談や、法科大学院の入試対策など、様々な場面で相談室のお世話になりました。また、同じく相談室を利用する知人からは、法学の勉強で追い込まれている時や、ストレスが溜まっている時など、小さな相談でも親身に支えて下さり、モチベーションになっていると聞いたことがあります。
かくいう私も、進路に悩んでいる時、心無い言葉やネガティブな言葉をかけられることが多々あり、相談室の皆月智子先生に相談したことがあります。すると、決して私を傷つけることなく、温かく前向きになれる言葉とともに、私の考えを尊重しながらもより良い進路となるようアドバイスをして下さりました。
また、法科大学院の志望理由書を作成する時期は、試験の直前期にあたることが多く、試験勉強に勤しむ日々の中、志望理由書に苦戦することはなるべく避けたいかと思います。しかし、出願に必須なことは勿論、志望理由書を含む書類点が、合否を大きく左右する法科大学院もあることから、手を抜くことは出来ません。志望理由書には、法曹を志望する動機や、大学時代の活動実績、なぜその法科大学院を志望したか等を書く必要があるのですが、その内容や形式面で、分からないことや、不安に思うことは多々あるかと思います。しかし、そのような時でも、相談室を利用すれば、文章の整合性があるかどうかや、自分の伝えたいことが評価する側に正確に伝わるかどうかまで、丁寧に添削しながらスタッフの方々が教えてくれるので、かなり有用であると思います。私も、志望理由書の作成の際、特に相談室の小野澤先生にご尽力いただきました。小野澤先生自身が、ロー入試の時に作成した志望理由書を拝見させていただけたことで、どのように志望理由書を書けば良いのかイメージを掴むことが出来ました。更に、志望理由書の添削を通して、より適切な表現や内容選択の助言をいただきました。私が自信をもって、志望理由書の提出ができたのは、小野澤先生をはじめとする相談室のスタッフの方々に添削していただけたおかげです。
そして、法科大学院の入試対策全体において、私が大変お世話になったのは水川先生です。水川先生は、関学の面接対策のために、想定質問をまとめたプリントをくださり、面接練習にもお付き合いくださいました。質問に対する私の返答自体へのアドバイスは勿論のこと、面接中の私の態度や、話すスピードなど、自分では気づけない細かい部分へのアドバイスもいただけたので、大変ありがたかったです。実際、入試本番で聞かれた質問は、ほとんど水川先生が想定したものだったので、一度も返答に困ることはありませんでした。また、小論文の答案添削や、数々の進路相談にもご尽力いただきました。現在も、4月から始まるローでの講義に備えて、学習面でのサポートをいただいています。
上記のように、ご尽力いただけた相談室のスタッフの方々にも、良い報告がしたいというモチベーションのおかげで、辛く孤独な受験生活を無事乗り越えることができたと言っても過言ではありません。
何か困ったことがあれば一人で抱え込まずに、ぜひ相談室を利用していただければと思います。
横山 梨名さん(2024年3月法学部卒業)
〈合格先〉明治大学法科大学院(授業料全額免除・入学金返還、教育充当費免除)・
法政大学法科大学院(授業料全額免除)
法職課程相談室は、法科大学院を目指すうえで是非活用してほしい制度です。
私は主に、法科大学院の志望理由書について相談室を利用させていただきました。志望理由書を書く時期というのはおそらく、試験の2~3か月前という直前期にあたると思います。そのような勉強にラストスパートをかけている時期に志望理由書を書くことは億劫であり、おろそかにしてしまいがちです。しかし、志望理由書に配点を高く振っている法科大学院は多く、実際に私が受験した学校では1科目分に相当する配点が振られていました。すなわち、志望理由書の重要性は高いということです。一方で、書き方や書く内容が分からないという問題に直面すると思いますが、相談室を活用すれば解決することが多いです。志望理由書では、法曹を志望する志望動機や活動実績等について書き、法曹としての資質の有無が見られます。一例として、法曹として解決したいと思う問題を取り上げ、その問題と対応する将来のイメージを書くなどがありますが、文章にすると、文章の一貫性に欠けている場合や、自分の伝えたいことが読み手に上手く伝わらないことが多いです。その点、相談室では評価する側の視点からの添削がもらえて、伝わっていない部分や改善点を細かに教えてくださり、また参考例文も作成してくださり、それも有益でした。
特に志望動機の事象を抽象的に書くのではなく、より具体的な事実を挙げてそれを文章化にするということを強く指導され、それを意識して志望理由書を作成しました。
自分の認識では具体的に書いていると思っているのですが、やはり不十分なところもあり、そこを指摘してくださったことも志望理由書作成に非常に役立ちました。
また、書くことが十分に決まってない場合であっても、相談者と会話をするなかで話のタネは見つかります。
私が内容の濃く、良い志望理由書を完成することが出来たのは、相談室を利用し、幾度も添削を受けたからだと思います。その甲斐あって全体的に高得点をもらうことができ、上位合格することが出来ました。さらに、添削のみならず、勉強方法や分からない問題も丁寧に教えてくださりましたし、法政大学法科大学院の奨学生試験のズーム面接対策として、相談員の方が私の志望理由書を前提にA4用紙4枚もの想定問答集を作成してくださったので、面接を前に気持ちが落ち着きました。
何か困ったことがあれば一人で考えこまずに、相談室を利用することを強くお勧めします。
衣笠 翔也さん(法学部3年次合格)
〈進学先〉神戸大学(3年次特別)
〈合格先〉立命館大学(E特別方式、授業料1年間免除)
私は、法職課程の法学基礎マスター講座、法科大学院入試対策ゼミ、法職課程研修室を活用して勉強していました。 まず、法学基礎マスターですが、この講座は映像資料がメインのもので、量も膨大です。しかし、これらの知識は名前の通り「基礎」知識であり、これらの知識は有していることは大学院、司法試験においては必須であるため、とにかく早く終わらせることを意識して勉強していました。 次に、法科大学院入試対策ゼミですが、こちらは龍谷大学OBの弁護士の方による論述試験を見据えた対面型のゼミとなっています。論述試験の対策はいかに早く始めるかがポイントだと思います。法的な文章の書き方や表現方法、文法など法的な知識以外の技術が求められ、これらはやればやるほど上達します。さらには、司法試験を突破された弁護士の方々による丁寧な添削をしていただける非常に素晴らしいゼミになっています。また、授業以外にも弁護士の先生から実務的なお話が聞けたりとモチベーションの継続にも良いゼミだと思いますので、まだ知識が追いついてない人であっても参加してほしいと思います。 最後に、法職課程研修室では、一人一つ机とロッカーを貸し出してもらい集中して勉強できる環境でした。実際に、私も朝から夜までここで勉強させてもらえたことが合格につながったと思います。
私は、本格的に対策を始めたのは3年生の4月ですが、それまでも、他の法律系の資格試験を受験したり、法律系サークルで仲間たちと勉強するなどしていました。そのため、基本的な知識は少しありましたが、到底大学院を受験することはできないレベルでした。そこから、大学院合格まで到達したのは、徹底したスケジュールにあると思っています。過去問を大量に読み、的確にゴールを分析し、そこまでのスケジュールを設定しこなしていったことは大きかったと実感しています。そのため、これから法科大学院を目指す方達には、ぜひゴールから逆算したスケジュールを設定し、合格目指して勉強して欲しいです。
ここまで、基礎マスター講義などのお話をしてきましたが、私は法科大学院合格に1番大事なのは学部の先生方の授業だと思います。私自身、3年生までは授業をおろそかにしており、かなり後悔している点も多くあります。もちろん、大学院によっては学部の評定も重要になるという意味でも授業は大事ですが、大学院の入試の問題を作って採点をしていただくのは、研究者である先生方です。そのため、予備校や実務家の方々からの添削も大事ですが、最も入試に直結するような評価をいただけるのは、学部の先生方の授業です。そのため、学部の授業もおろそかにすることなく頑張って欲しいです。