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保健管理センター

保健管理センターだより12月号

2013年12月

ノロウイルス感染症に注意!

毎年、冬に多い感染性胃腸炎。感染性胃腸炎の中でもとくに感染力が強い「ノロウイルス」の対応方法を知り、感染を予防しましょう。

ノロウイルスとは?

ノロウイルス感染症は平成18年(2006年)の秋から冬にかけての大流行により、注目されるようになりました。感染性胃腸炎の一種で年間を通じて発生しますが、特に冬季に流行するため、以前から「おなかの風邪」と呼ばれていたものです。
感染力が強いので少しのウイルスが体に入っただけでも感染し、多様な感染経路をとります。そのため、保育園や幼稚園、学校や福祉施設などの集団生活の場では、感染を引き起こしやすく、注意が必要です。
また、熱や乾燥に強く、塩素やアルコール消毒をしてもなかなか死滅しません。

感染経路

(1)「人から人へ」と感染する場合

接触感染:患者の便や嘔吐物に含まれているウイルスが、用便などの際に患者の手に付着し、患者が触れたドアノブなどのモノが汚染され、そこに触れた手から食事の時などに口に入ることにより感染する。

飛まつ感染:家庭や共同生活施設など人同士の接触が多いところで、患者の便や嘔吐物のシブキ(飛まつ)や口に入ることにより感染する。

経口感染:調理をする人が患者または感染者で、不十分な手洗いにより食品や飲料水を汚染し、その汚染された食品を充分に加熱しないまま食べることにより感染する。

空気感染(塵埃(じんあい)感染):便や嘔吐物の処理が不適切で、床などに残ったウイルスが乾燥して空気中に漂い、鼻や口に入ることにより感染する。

(2)「食品から」感染する場合

ウイルスに汚染されていた二枚貝などの食品を充分に加熱しないで食べて感染する(経口感染)。

症状

主な症状は嘔吐下痢。感染から1~2日でこうした症状があらわれ、人によっては38度程度の発熱腹痛を伴うこともあります。
健康な方なら重症にならず、3日位で回復します。
乳幼児・高齢者など体力の弱い方の場合、脱水症や嘔吐物による窒息に注意が必要です。
症状が治まった後も、1週間から1ヶ月程度ウイルスは便に排泄されます。

万一感染したら?

  • 今のところノロウイルス自体に効く薬はありません。
  • 水分補給脱水症状を防ぎ、状態の回復を待ちます。
  • 安易に下痢止めを飲んでしまうと体の中にウイルスを留め、病気の回復を遅らせることがあるので自己判断での服用は避けましょう。薬によっては効果がなくなる場合があります。

予防方法

(1)手洗いをしましょう(感染症予防の基本です)

  • 外出後、トイレに行った後、調理や食事前、おう吐物や便を処理した後は、必ず手を洗ってください。
  • 石けんを使い十分にこすり洗いし、水で洗い流すことによりウイルスは大幅に減少します。こすり洗いは30秒を目安にしてください。
  • 外出後、トイレに行った後、調理や食事前、おう吐物や便を処理した後は、必ず手を洗ってください。

(2)しっかり加熱して食べましょう。

  • 加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱(85℃・1分間以上)して食べましょう。
  • 調理器具等は使用後に洗浄、殺菌を十分に行うこと。

(3)おう吐物・便の具体的な処理・消毒のポイント
~すぐにふき取る、乾燥させない、消毒する。~

  • ビニール手袋・マスク・ガウンを着用し、処理し終わったら手袋をはずし、石けんでよく手を洗いうがいをしましょう。
  • ノロウイルスの消毒には塩素系消毒薬が有効です。消毒用アルコールや逆性石けんはあまり効果がありません。
  • ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、おう吐物や便は速やかに処理することが感染防止に重要です。

消毒液の作り方

漂白剤として市販されている次亜塩素酸ナトリウム液の、塩素濃度は約5%です。薬店などで消毒剤として市販されているものの塩素濃度は、5%10%があります。必ず確認して使用しましょう。