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2022.02.21

浜井浩一教授が書籍『エビデンスから考える現代の「罪と罰」』を出版【犯罪学研究センター】

反省は一人でもできるが、更生は一人ではできない。寄り添うことによる「更生=甦り」を目指して

犯罪学研究センターの国際部門長である浜井浩一教授(本学法学部、「政策評価」ユニット長)が、単著『エビデンスから考える現代の「罪と罰」』(現代人文社、2021年)を出版しました。
同著は、浜井教授が『季刊 刑事弁護』にて10年、47回の連載を重ねている論文「法律家のための犯罪学入門」の中から、近年の傾向を踏まえながらトピックを選りすぐったものです。
『日本の刑事政策に最も不足しているのは、エビデンスに基づいた政策立案である。』として、日本の刑事司法、矯正・保護の現場における問題点および改善策を提案してきた浜井教授による「犯罪学」の教科書です。ぜひご一読ください。


浜井浩一『エビデンスから考える現代の「罪と罰」』(現代人文社、2021年)

浜井浩一『エビデンスから考える現代の「罪と罰」』(現代人文社、2021年)

【現代人文社による紹介文】
『凶悪犯罪が起こるたびに叫ばれる「厳罰化」は、実は犯罪対策としては機能しない。
犯罪の背景には、差別や格差、孤立、生活苦などの、人としての尊厳に関わる困難な環境が存在する。そこへの対応こそが重要である。著者はかつて少年鑑別所、少年院、少年刑務所、刑務所などで働き、また国連機関で各国の事情を研究し、現在は大学で研究を続けている。その豊富な経験と多くの科学的証拠(エビデンス)から、犯罪対策を考える上で忘れてはならないのは、罪を犯す人たちが私たちと同じ人間であり、刑罰を受けた後は地域社会で生活を共にするという事実であると、著者は説く。そして刑罰について考える際には、そのような人たちにどのような人になって地域社会に戻ってきて欲しいのか、そのために何が必要なのかという視点が不可欠だという。このような視点から、最近の国会や法制審議会で具体的に議論となっているテーマを中心に、あるべき犯罪対策・刑事政策を考えるのが、本書である。』
引用:http://www.genjin.jp/book/b598178.htm(現代人文社)


【目次(一部抜粋)】
○はしがき
■序論 犯罪学とは何か
■第1部 少年非行の諸問題
 - 第1章 少年非行減少の原因を探る
 - 第2章 非行少年たちはどこに行ったのか
 - 第3章 犯罪統計から見た少年法適用年齢引下げの問題点
 - 第4章 少年事件の裁判員裁判で議論されるべきこと――少年院と少年刑務所の違いを中心に
 - 第5章 家族と非行の犯罪学
■第2部 刑罰の諸問題
 - 第6章 刑務所と社会との関係を考える――大井造船作業場の逃走事案から
 - 第7章 刑事司法と認知症――認知症受刑者から見える刑事司法の課題
 - 第8章 懲役刑の廃止と自由刑の一本化の課題
■第3部 犯罪学の最前線
 - 第9章 矯正保護に関するエビデンスから見た日本の犯罪者処遇
 - 第10章 犯罪生物学の過去・現在・未来――脳・遺伝と犯罪
 - 第11章 日本における外国人犯罪
○おわりに

本書で浜井教授が主張する、寄り添うことによる「更生=甦り」を目指し、エビデンスから実証的に考える犯罪学についてさらに詳しく学びたい方は、ぜひ下記のイベントにふるってご参加ください。

【浜井教授が出演するイベント予定】
■3月1日(火)17:30-19:30/オンライン(Zoom)開催
「政策評価ユニット公開研究会」
エビデンスが示す犯罪予防に有効な対策とは
>>詳細・申込み

■3月5日(土)13:00-16:00/YouTube配信
「犯罪学研究センターシンポジウム」
新時代の犯罪学構想のグローカルな展開
 〜人に優しい犯罪学は地域社会に何をもたらすのか?〜
>>詳細・申込み


【こちらの記事もあわせてご覧ください】
アジア犯罪学会(ACS2020)全体講演レポート_浜井浩一教授
“安全な”国の犯罪学のパラドックス 日本の事例から
 ―日本はいかにして低犯罪率を維持してきたのか?ー
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-8880.html