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2022.12.16

不二製油株式会社と連携し、プラントベース素材の新製品や販売戦略を提案【農学部・短期大学部】

2022年12月14日(水)、農学部×不二製油株式会社「プラントベース素材の魅力開発プロジェクト」最終報告会を開催しました。
 本プロジェクトは、農学部・農学研究科の有志に加え、今年度から新たに短期大学部の学生が参画し、約70名(15チーム)がプラントベース素材の魅力を引き出すアイデアを出し、製品開発に取り組む活動です。2022年5月から約半年間かけて準備し、今回、環境に配慮した食事やプラントベースの機能性に着目した日用品など、学生ならではの自由なアイデアをポスターセッション形式で発表しました。
 審査は、不二製油株式会社から、事業部門管掌(開発)開発企画推進室 室長 長谷川 芳則氏、植月 拓真氏、開発統括部門市場ソリューション第一開発部 外尾 竜太氏、開発統括部門市場ソリューション第二開発部 田附 裕子氏の3名と、龍谷大学からは入澤崇学長をはじめとした5名が、独創性や表現力、実用性、問題発見などの観点で行い、優秀チームを表彰しました。

 学生たちのアイデアは、プラントベース素材のイメージを大きく覆すようなアイデアがたくさん発表され、不二製油株式会社のみなさんから、驚きの声があがっていました。また、大豆づくりをアートにすることや、プラスチックゴミ削減を目指した食べられる器の開発などのアイデアも印象的でした。学生たちの熱のこもったプレゼンテーションに、審査員と来場者も興味津々でした。入賞チームと企画内容をご紹介します。

【表彰結果】
1.不二製油賞(企業様の点数が最も高い)
チーム名:ソイリュウ
企画内容:溶けないアイスクレープ

2.学長賞(総合点1位)
チーム名:チームひよこ
企画内容:フムスを活用したディップソースの提案

3.龍谷エクステンションセンター長賞(総合点2位)
チーム名:ダイズ亭
企画内容:大豆ミートを使った非常食

4.瀬田教学部長賞(総合点3位)
チーム名:Teamソイミー
企画内容:プラントベースフードの普及

5.農学研究科長賞(総合点4位)
チーム名:まめふじ
企画内容:大豆万能生地

6.農学部長賞(総合点5位)
チーム名:森川工房
企画内容:プラスチックゴミ削減を目指した食べられるお皿の開発

7.オーディエンス賞(来場者の票が最も多い)
チーム名:ハラール
企画内容:カレーで世界を救う

 表彰の後は、本プロジェクトにご尽力いただきました、不二製油株式会社 植月氏、外尾氏、田附氏と、本学学長 入澤 崇 先生にご講評をいただきました。
不二製油の方からは「課題の設定や、それを解決するためのプロセスが素晴らしい。日々の業務のヒントをたくさんいただいた。いただいたアイデアは持ち帰って実現させたい。」とコメントされました。また、入澤学長からは、「素晴らしい。仲間と試行錯誤しながらやってきた達成感が輝きとなって目に表れている。本学が推し進めている学生主体の学びを農学部は実現している。」と、取り組んだ学生をたたえました。学生たちのアイデアが新しい商品につながるかもしれません。
今回、栄えある「不二製油賞」を受賞したチームに、インタビューしました。

【受賞インタビュー】
チーム名:ソイリュウ
企画内容:溶けないアイスクリーム

(Q)受賞した感想を教えてください
(A)製品開発プロジェクトという素晴らしいプロジェクトで不二製油賞を頂けたことを光栄に思います。副賞の研究所見学、昼食会は非常に楽しみで、今後、自分達のアイデアを不二製油さんと実現させていきたいです。

(Q)特に心掛けたことや、アイデアのポイントは何ですか?
(A)有機玄米クリームを使って大豆の風味を消しています。また、動物性のものを使っていないのでアレルギー対応ができています。実際に商品化した時のことを考え、冷凍できる素材でレシピを考えました。

(Q)活動の中で、特に大変だったことは何ですか?
(A)原材料の割合の調整です。水分量など良い生地づくりのための調整が大変でした。活動をとおして商品開発の厳しさ、美味しいものを追求する大変さを感じました。今回のプロジェクトがきっかけで不二製油で働きたいという思いが強くなりました。

 本プロジェクトに参加した学生たちは、頭の中で巡っていたアイデアが「かたち」になり、それを自分たちの言葉で提案するわくわく感や楽しさを感じてもらうことができたと思います。アイデアに対し、時には厳しいコメントがあったかもしれませんが、商品開発の現場の声を聞かせてもらうことで、自身の学びがどのように社会とつながっているのかや自身の将来を考えるきっかけになったに違いありません。
 「なにかに挑戦したい!」、「新しいことに取り組んでみたい!」という思いを持っている学生の芽を育てていくひとつの取り組みです。思っていた以上に大変だったこともあると思いますが、少しでも学生たちの学びに繋がっていれば幸いです。
 学生たちが学びを止めない場所であり続けるため、農学部では学生の安全に配慮しつつ、学びの支援をおこなっていきます。


■参考
 このような企業と連携した製品開発プロジェクトは2016年度から始まり、今年で6回目となります。過年度のプロジェクトでは、特許や実用新案を申請したものや、商品化に向けて進んでいるアイデアもあり、社会実装教育として成果が出ています。
 プロジェクトを通して、学生にものづくりの楽しさや試行錯誤してわくわくする気持ち等を感じてもらい、今後のキャリアや興味の幅を広げることを目的として実施しています。また、学生のアイデアが多様な課題を解決に導き、社会に貢献できることを期待しています。
2016年度:ハウス食品
2017~2018年度:(株)ローソン
2019年度:伊那食品工業(株)
2020年度:(株)すき家((株)ゼンショーホールディングス)
2021年度:(株)マルコメ



SOY絵の具の体験


試作品の様子


全体会場


不二製油賞:ソイリュウ


表彰の様子