Need Help?

News

ニュース

2021.12.16

マルコメ(株)と連携し、新しい糀魅力を新製品や販売戦略で農学部生が提案【農学部】

 2021年12月16日(木)、農学部×マルコメ(株)「糀の魅力開発プロジェクト」最終報告会を開催しました。
 本プロジェクトは、農学部・農学研究科の有志学生約70名(17チーム)が日本の伝統の「糀(こうじ)」をテーマに、糀の魅力を引き出すアイデアを出し、製品開発に取り組む活動です。2021年5月から約半年間かけて準備し、今回、環境に配慮した食事や糀の機能性に着目した肥料や日用品など、学生ならではの自由なアイデアをポスターセッション形式で発表しました。
 審査は、マルコメ(株)から、研究開発本部開発部 部長 倉石徹氏をはじめとした研究開発本部やマーケティング本部、市販用営業店舗事業部のみなさま9名と、龍谷大学からは入澤崇学長をはじめとした5名が、独創性や表現力、実用性、問題発見などの観点で行い、優秀なチームを表彰しました。マルコメ(株)の審査員には、本学農学部卒業生2名にもご参加いただき、卒業生の活躍も垣間見ることができました。

 学生たちのアイデアは、糀という食品のイメージを大きく覆すようなアイデアがたくさん発表され、マルコメ(株)のみなさんから、驚きの声があがっていました。また、海外に渡航できない今だからこそ、世界の人々に糀を届けたいという思いや、日本にいながら海外を旅しているような気持ちになってほしいという思いがあふれ出たアイデアも印象的でした。学生たちの熱のこもったプレゼンテーションに、審査員と来場者も興味津々でした。入賞チームと企画内容をご紹介します。

【表彰結果】
1.マルコメ賞(企業様の点数が最も高い)
チーム名:藍と麹の人たち
企画内容:乾燥糀・甘酒を使用した藍染め

2.学長賞(総合点1位)
チーム名:pathology (ぱそろじー)
企画内容:肥料効果を用いたキュウリ栽培実験キット

3.龍谷エクステンションセンター長賞(総合点2位)
チーム名:吉本糀のおもてなし
企画内容:食品ロス削減を目指したメニュー

4.瀬田教学部長賞(総合点3位)
チーム名:甘党
企画内容:若者にフォーカスしたデザートレシピ

5.農学研究科長賞(総合点4位)
チーム名:チームぶっくわーむ。
企画内容:紙せっけん

6.農学部長賞(総合点5位)
チーム名:チームたこやき
企画内容:糀スクラブ

7.オーディエンス賞(来場者の票が最も多い)
チーム名:チームあおぞら
企画内容:塩糀と世界のスパイスを融合した万能調味料

 表彰の後は、本プロジェクトにご尽力いただきました、マルコメ(株)マーケティング本部マーケティング部店舗事業課 課長 須田 信広 氏と、本学学長 入澤 崇 先生にご講評をいただきました。
 須田氏は、「普段会社では食品を扱っているので、食品以外の発想に驚かされた。中間報告会を実施した時よりもアイデアがグレードアップしていて、試行錯誤した様子がよくわかった。新しい着想や学びを大事にしてほしい。」とコメントされました。また、入澤学長からは、「感心している。非常に衝撃的だった。農学部の学生諸君がここまでやるかと思い、期待以上のものだった。ときめきを持ってこれに臨んでいることがよくわかった。」と、取り組んだ学生をたたえました。学生たちのアイデアが新しいマルコメ商品に繋がるかもしれません。

 今回、栄えある「マルコメ賞」を受賞したチームに、インタビューしました。

【受賞インタビュー】
チーム名:藍と麹の人たち
企画内容:乾燥糀・甘酒を使用した藍染め

(Q)受賞した感想を教えてください。
(A)実感がなく驚いているが、楽しく活動ができた。普段できないような経験ができ、毎回新しい発見があり学びがたくさんあった。たくさん苦労もしたけど、チームメンバーと議論を重ねる時間も楽しかった。 

(Q)特に心掛けたことや、アイデアのポイントは何ですか?
(A)糀を使って何かを行うということ、糀を使って藍染をすることは初めての試みで、文献も見当たらなかった。とりあえず自分たちでやってみて挑戦もした。藍染師の方に話を聞きに行き、下調べをしっかりと行うことがアイデア提案につながったと思う。

(Q)活動の中で、特に大変だったことは何ですか?
(A)藍染を行った約2か月間、毎日記録を付ける(1回1時間ほどの時間を朝晩)ことが大変だった。朝晩で記録を付けたのは、時間帯によって染まり方が異なるから。これも新しい発見だった。また、私たちが考えていた甘酒を使用すると、色が出なかった。分量を変えて試行錯誤した。

 本プロジェクトに参加した学生たちは、頭の中で巡っていたかたちのないアイデアが「かたち」になり、それを自分たちの言葉で提案するわくわく感や楽しさを感じてもらうことができたと思います。アイデアに対し、時には厳しいコメントがあったかもしれませんが、社会人とかかわることは、社会とのつながりや自身の将来を考えるきっかけになったに違いありません。
 「なにかに挑戦したい!」、「新しいことに取り組んでみたい!」という思いを持っている学生の芽を育てていくひとつの取り組みです。思っていた以上に大変だったこともあると思いますが、少しでも学生たちの学びに繋がっていれば幸いです。
 学生たちが学びを止めない場所であり続けるため、農学部では学生の安全に配慮しつつ、学びの支援をおこなっていきます。これからも龍谷大学農学部生・農学研究科生の活躍にご期待ください。


■参考
 このような企業と連携した製品開発プロジェクトは2016年度から始まり、今年で5回目となります。過年度のプロジェクトでは、特許や実用新案を申請したものや、商品化に向けて進んでいるアイデアもあり、社会実装教育として成果が出ています。
 プロジェクトを通して、学生にものづくりの楽しさや試行錯誤してわくわくする気持ち等を感じてもらい、今後のキャリアや興味の幅を広げることを目的として実施しています。また、学生のアイデアが多様な課題を解決に導き、社会に貢献できることを期待しています。
2016年度:ハウス食品
2017~2018年度:(株)ローソン
2019年度:伊那食品工業(株)
2020年度:(株)すき家((株)ゼンショーホールディングス)


全体会場


ポスターセッションの様子


試作品を体験(糀スクラブ)


オンライン審査員へ発表


マルコメ賞:藍と糀の人たちチームのプレゼンテーション


マルコメ賞:藍と糀の人たちチームの試作品(藍染め)


試作品


表彰の様子


講評:須田氏(オンライン)


講評:入澤学長