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【本件のポイント】
・アジアにおける薬物依存からの回復について、最新の情報と理論を知ることが可能
・薬物依存者の回復支援現場に関わる人たち(依存症者、家族、研究者、支援グループの職員、医師、ソーシャルワーカー、カウンセラーなど)が立場を超え、一堂に会して意見を交換する回復支援者養成のための公開セミナー
・内向きになりがちな薬物依存者の回復支援活動を国際化するためのキック・オフセミナーの位置づけ

 このたび、龍谷大学創立380周年記念事業の一環として、東アジアの薬物問題の専門家をお招きして、日本発の回復支援のプログラムを発信する企画「東アジア薬物依存者回復支援者(DARS)養成セミナー」を、2月23日(土)・24日(日)、龍谷大学深草キャンパスにおいて開催します。
 近年、薬物問題は、東アジア地域共通の社会的・政治的課題となっています。これまで多くの国では、薬物事犯に厳罰主義で対応してきました。ASEAN(東南アジア諸国連合)では、参加国が連携して、取締りの協力体制が整備されています。 
 現在、東アジア地域では覚せい剤などのめさんあんふぇた民契約物の乱用者や依存者が大きな社会問題となっており、国や地方政府の主導で薬物対策が進められています。これらの地域では、貧困や独裁、福祉の未整備などによって、非司法的介入の受皿である治療プロバイダーや自助グループなどの民間の組織が未成熟であるため、非犯罪化・非処罰化政策は取り得ないといわれてきました。日本も、同じような情況にありましたが近年、民間主導の回復支援が普及し、薬物依存からの回復に新しいアプローチが育っています。
 今回、このような現状を踏まえて、60年以上の間、覚せい剤対策に厳罰主義で臨んできた日本は、その失敗から、どのように脱出しようとしているのかを東アジアのみなさんと確認することとしました。
 本セミナーは、薬物依存者回復支援の状況を、日本のみならず、海外に情報を発信することで、お互いの日々の取り組みや実践、そして技術を共有しあう国際的なネットワークを作る国際化のためのキック・オフと位置付けています。

【本件の概要】
1. 開催日時 2019年2月23日(土) 10:00~17:30
       2019年2月24日(日) 10:00~17:00

2. 開催場所 龍谷大学 深草キャンパス 紫光館4階法廷教室

3. 内容
 <1日目>2019年2月23日(土) 10:00~17:30
 (1) 企画の趣旨
 「日本の薬物政策の現状と課題〜官主導?民主導?それとも、その間か?〜」石塚 伸一(龍谷大学)   
 (2) 日本における市民主導の回復支援
 「ダルクの過去,現在,未来」市川 岳仁 氏 (NPO法人三重ダルク)
 「薬物裁判におけるアパリの活動」尾田 真言 氏 (NPO法人アパリ)
 「刑務所における薬物治療」谷家 優子 氏 (姫路少年刑務所/大阪心理教育センター)
 「回復における家族の役割」安髙 真弓 氏 (日本社会事業大学大学院)
 「地域の医療・福祉における回復支援の現在」西念 奈津江 氏(岡部診療所)
 「受刑経験者の回復支援」五十嵐 弘志 氏(NPO法人マザーハウス)

 (3) 東アジア地域における市民主導の回復支援
 「タイにおける薬物政策」プラパプン・チュチャロエン 氏(マヒドン大学)
 「フィリピンにおける薬物政策」レニール・クリストバル 氏(ファミリー・ウェルネス・センター)
 「ネパールにおける薬物政策」スーヤス・ラジャハンダリ 氏(ザ・リカバリング・グループ)
 「台湾における薬物政策」任 國華 氏(財團法人中國信託反毒教育基金會)
 「韓国における薬物政策」チョー・スンナム 氏(乙支大学)
 「日本における薬物政策」デイビッド・ブルースター(龍谷大学)


 <2日目>2018年2月24日(日) 10:00~17:00
 (1) 東アジア地域における治療プログラム
 「条件反射制御法の理論と実践」長谷川 直実 氏(デイケアクリニックほっとステーション)
 「日本におけるマトリックス・プログラムの展開」原田 隆之 氏(筑波大学)
 「日本における12ステップとNA」加藤 武士 氏(木津川ダルク)
 「日本におけるプロイエクト・オンブレの展開」近藤 京子 氏(PHJ設立準備委員会)
 「タイにおける薬物治療」チャンチャイ・トングプラニット 氏(タンヤラックコンケーン病院)
 「フィリピンにおける薬物治療」マリアノ・ヘムブラ 氏
 (ドン・ホセSモンフォート・メディカル・センター・エクステンション病院)
 「韓国の薬物治療」チョー・スンナム 氏(乙支大学)

 (2) “えんたく”で分かち合う共通の課題〜アジアの回復支援の未来〜
 司会:土山 希美枝(龍谷大学)
 ファシリテート・グラフィック:塩見 牧子(龍谷大学)
 登壇者:中村 正 氏(立命館大学)
     近藤 恒夫 氏(日本ダルク)
     原田 隆之 氏(筑波大学)
     プラパプン・チュチャロエン 氏(マヒドン大学)
     カンニカー・シッティポン 氏(タンヤラックコーンケン病院)
     ベンジャミン・レイヤス 氏(デンジャラス・ドラック・ボート)
     長谷川 直実 氏(デイケアクリニックほっとステーション)
     大熊 啓介 氏(NPO法人マザーハウス)
     猪浦 智史 氏(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
     松浦 良昭 氏(三河ダルク)

 (3) 閉会式

4. 会 費
 参加費   
  資料代:5,000円
  懇親会費:3,000円(2019年2月23日(土)18:00~20:00)

5. 申 込 【参加申し込み】
 https://goo.gl/forms/llfNShhhzbmLNo2B3

6. 主 催 
 薬物依存者回復支援(Drug Addicts Recovery Supports : DARS)、龍谷大学犯罪学研究センター(CrimRC)

7. 研究助成 
 国際交流基金アジア・市民交流助成プログラム
 JST/RISTEX(社会技術研究開発事業)安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築
 「多様化する嗜癖・嗜虐行動からの回復を支援するネットワークの構築」(ATA-net)
 文部科学省私立大学研究ブランディング事業「新時代の犯罪学創生プロジェクト〜犯罪をめぐる「知」の融合とその体系化〜」

8. 協 力
 NPO法人アパリ、木津川ダルク

9. 補 足
 本イベントの詳細および申込みフォーム・フライヤーは、龍谷大学 犯罪学研究センターHP上に掲載。
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-3017.html
 本セミナーは、国際交流基金アジア・市民交流助成プログラム、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築」研究開発領域の助成を受けて開催されます。

問い合わせ先 : 龍谷大学 犯罪学研究センター  
 [Tel]075-645-2184 [FAX]075-645-2240
 [E-mail]crimrc2016@ad.ryukoku.ac.jp  [URL] https://crimrc.ryukoku.ac.jp/


2019年1月16日(水)、「第30回龍谷大学新春技術講演会~課題への挑戦、科学で拓く新たな未来~」をびわ湖大津プリンスホテルにて開催しました。
本講演会は、瀬田学舎が開学した1989年度に第1回目を開催して以来、毎年多くの方々にご参加いただき、今回で第30回を迎えました。


講演会<第1部>では、まず、入澤崇 学長が、龍谷大学瀬田学舎開学30周年記念講演「科学と仏教」と題し、講演をおこないました。


入澤崇 (本学 学長)


つづいて、基調講演として、パナソニック株式会社 執行役員 藤井英治 様が「総合電機メーカーの挑戦 社会課題に向き合うソリューションカンパニーを目指して」、本学農学部食品栄養学科 伏木亨 教授が「おいしさの構造と客観的評価法の開発」と題して、講演をおこないました。 


藤井英治 氏 (パナソニック株式会社 執行役員)


伏木亨 教授(本学農学部食品栄養学科)


講演会<第2部>では、本学理工学部物質化学科 内田欣吾 教授、つづいて、本学農学部資源生物科学科 米森敬三 教授から、それぞれ「自然に学ぶものづくり ハスの葉とホウセンカの種飛ばしを模倣して」、「伝統素材『柿渋』とその利活用の新たな展開」と題して、研究活動の成果の紹介がありました。


内田欣吾 教授(本学理工学部物質化学科)


米森敬三 教授(本学農学部資源生物科学科)


ポスターセッション会場では、理工系、農学系分野を中心に本学の研究成果を展示発表し、多くの来場者が説明に耳を傾けられました。



懇親交流会は、新春の和やかな雰囲気のなか、滋賀県の三日月大造 知事のご挨拶からはじまり、参加者による産官学の活発な情報交換がおこなわれました。



当日は、約350名が参加し、現在の産業界の動向を共有すると共に本学の研究成果を社会に発信する機会となりました。


 2月5~6日に、社会学部の科目「社会共生実習(The First Aid)」の受講生らと担当教員(現代福祉学科 栗田修司教授)が本学の『地域連携活動旅費サポート制度』を利用して、岡山県で現地実習をおこないました。
 5日は倉敷市にて、川崎医科大学ドクターヘリの運航状況や「倉敷伝建地区をまもり育てる会」の活動内容を学び、特別講師としてお招きした三上民喜氏(元 湖南広域消防局長)に、日本における「消防救急の現状と課題」について特別講義をおこなっていただきました。
 6日の午前中は倉敷市にて、真備中学校の被災状況を中心とした真備町の水害状況について学び、午後には総社市にて、下原・砂古自主防災組織の取り組みについて学びました。
 被災地の現状は想像を絶するもので、被災から半年以上経った現在でもまだまだ復興が進んでいない状況を目の当たりにしました。窓ガラスがすべて割れてしまった建物や壁が崩れ落ちている建物。小・中学校に登校するために遠方から電車とスクールバスで通ってくる姿が日常と化している状況など。
 災害は突然やってくるものです。当科目で一年間取り組んできた「自助」・「共助」をより多くの方に知ってもらい、実践していただけるように、来年度も引き続き地道ながらも活動していきます。


川崎医科大学ドクターヘリ運航状況の現地実習にて


倉敷伝建地区をまもり育てる会の現地実習にて


三上民喜氏による、日本における「消防救急の現状と課題」についての特別講義の様子


真備中学校の被災状況を中心とした真備町の水害状況の現地実習にて


下原・砂古自主防災組織の取り組み(西日本豪雨・アルミ工場爆発)状況の現地実習にて


下原・砂古自主防災組織の取り組み(西日本豪雨・アルミ工場爆発)状況の現地実習にて


下原・砂古自主防災組織の取り組み(西日本豪雨・アルミ工場爆発)状況の現地実習にて

社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。


 このたび、一般財団法人学生サポートセンターの「学生ボランティア団体助成事業」に瀬田キャンパスを拠点に活動しているマジック&ジャグリングサークルMistが採択され、2019年2月8日(金)にナジックセミナーホール(京都駅前)での表彰式に出席しました。


表彰式の様子

 マジック&ジャグリングサークルMistは、滋賀県や京都府の福祉施設や病院、青少年施設、地域の自治会、子ども会等でのイベントなどにおいて、マジックショーやジャグリング体験等で日頃の練習成果を披露しています。代表の浅田和也さん(社会学部3回生)は、「これからもジャグリングを通じて、地域交流に貢献していきたい」と抱負を述べていました。


表彰状を手にしたMist代表の浅田和也さん

 今後もボランティア・NPO活動センターでは、年5回実施している「サークル活動&ボランティア活動情報交換会」などを通じて学内サークルに情報提供を行いながら、ボランティア活動への一歩を踏み出せるような働きかけに取り組んでまいります。


Mistの活動の様子


犯罪学研究が子育てに活かせることとは? 犯罪学研究センターで「保育と非行予防」の研究ユニット長を務める中根 真教授と、今の時代にこそ必要な考え方について意見を交わしていただきました。


中根 真(Makoto Nakane)本学短期大学部長、短期大学部 こども教育学科教授、犯罪学研究センター「保育と非行予防」ユニット長

中根 真(Makoto Nakane)
本学短期大学部長、短期大学部 こども教育学科教授、犯罪学研究センター「保育と非行予防」ユニット長


中根 真(Makoto Nakane)
本学短期大学部長、短期大学部 こども教育学科教授、犯罪学研究センター「保育と非行予防」ユニット

専門は社会福祉学、保育学。「子どもの貧困」の現状をふまえ、保育事業が担ってきた貧困予防の機能・役割について歴史研究を展開。近視眼的になりがちな時代状況を相対化するため、やはり「温故知新」が重要と考えている。現在、保育と非行予防の関係性について歴史研究を進めている。
【関連記事>>】犯罪学研究センター > 保育と非行予防ユニット長 インタビュー

石塚 伸一(Shinichi Ishizuka)
本学法学部教授、犯罪学研究センター センター長・「治療法学」「法教育・法情報」ユニット長

犯罪学研究センターのセンター長を務めるほか、物質依存、暴力依存からの回復を望む人がゆるやかに繋がるネットワーク「“えんたく”(アディクション円卓会議)プロジェクト」のリーダーも務める。犯罪研究や支援・立ち直りに関するプロジェクトに日々奔走。専門は刑事学。


石塚 伸一(Shinichi Ishizuka)本学法学部教授、犯罪学研究センター センター長

石塚 伸一(Shinichi Ishizuka)
本学法学部教授、犯罪学研究センター センター長



――中根先生の最近の研究活動と絡めて、現代の日本社会における保育の課題を教えてください。

中根:
現在、非行や犯罪に至る前の予防について保育の観点から研究しています。保育という用語から非行や犯罪を直接的に連想する人は少ないと思いますが、私は以前に発表した論文の中で、明治時代に昼間保育事業の先駆者と呼ばれる生江孝之が不良少年を「境遇の罪」、「社会の罪」ととらえ、幼児にとっての境遇の重要性を認識していたことに言及しました(「昼間保育事業の先駆者・生江孝之の再評価」日本保育学会『保育学研究』第54巻2号、2016年)。いまの言葉で言えば、乳幼児期のネグレクトが後々の非行や犯罪につながる可能性があるため、「境遇を選択することの出来ぬ幼児」が「不良の境遇」を1日数時間であっても離れて、心身ともに健やかに育つ場所として保育所が構想されていたことです。このように非行予防の観点から保育をとらえると、非行少年や犯罪者と呼ばれる人びとの乳幼児期が重要な問題になってきます。例えば、戦後の一例として、有名な永山則夫連続射殺事件(1968年)を思い起こすと、永山氏の幼少期が想像を絶する劣悪な環境だったことは着目すべき点です(堀川惠子『永山則夫』岩波書店、2013年を参照)。私は、彼らの乳幼児期における養育環境や保育環境を再検討することが、非行や犯罪の予防のヒントにつながるのではないかと考え、研究を進めているところです。

石塚:
永山氏の事件では、後の精神鑑定で、母親からのひどいネグレクト、兄弟からの壮絶な暴力など生育環境に問題があったことが分かりました。世間では「永山事件」といえば死刑との印象が強いようですが、実は二審で無期懲役の判決が出ています。判決文によると、「赤貧洗うがごとき環境の中で育った被告人」にこの凶悪な犯罪の責任を全て背負わせることはできない。戦後の貧しい社会や福祉、教育の貧困がこの犯罪の一因であることを正面から認めていました。永山則夫氏だけでなく、重大事件を起こした人たちの多くが「この状況なら、あるいは自分も」と思わずにはいられない半生を送った人たちです。

中根:
確かにそうですね。近年は少子化が進み、教育への熱意が暴走する親がいる一方で、自分のことだけで精一杯な親もいます。つまり、子どもの人生が生れ落ちた家庭次第という家庭間の格差が顕著な時代です。だからこそ、子どもの育ちをサポートするには、家庭の「外」で子どもの存在を受けとめる、親とは異なる価値観を持った多様な大人の存在との関わりが、親や家庭と同等ではないにしても必要不可欠な状況にあります。保育所や幼稚園、認定こども園の保育者や、小中学校の教職員はそのような意味で重要な大人であるわけです。
また、地域コミュニティでは近年、子どもの貧困の深刻化を受けて、「子ども食堂」や学習支援などが急速に増えてきていますが、小学校低学年の児童や未就学児童など、まだ単独行動できない年齢層に対しては関わりや支援の裾野が広がっていない現状があり、今後の課題だと考えます。就学後も大切なのですが、保護者に養育が一任されている就学前こそ、より一層重要であるという社会の認識を拡げていく必要があります。

石塚:
私も乳幼児のお母さん方から、保育所に関する相談を受けることがあります。今の保育事情だと、フルタイムで働くならともかく、パートタイム勤務では所得的に損をしてしまうと悩む保護者が多い。保育料がネックになってしまうという制度には問題がありますね。



中根:
いま政府は都市部を中心に保育所待機児童を解消するため、保育所の増設などハード面の量的な整備を優先して急ぎ進めていますが、逆に保育士の質や待遇条件、保育内容などソフト面の質的な問題や課題が顕在化しており、これらを「保育格差」と明言する論者もいます(小林美希『ルポ保育格差』岩波書店、2018年)。他方、親子の関係や関わりの質への影響に留意する必要もあります。保育所が量的にも質的にも整備されることで、逆に失われるものはないかという懸念です。例えば、保護者の労働時間が増加すれば、必然的に子どもとふれ合う時間が減ります。世帯所得の増加や親の職業的な自己実現も重要ですが、誰にとっても1回限りの子ども時代であることをふまえれば、子どもが保護者と過ごす時間、「子育てする時間」の価値はかけがえのないものであり、保護者の立場だけでなく、子どもの立場からも総合的に保育制度や税制を考え直す必要があるかもしれません。

石塚:
子育てには、普遍的な理想像が存在しないんですよね。社会自体が不完全で、常に変化していくものですから。各時代においての理想があり、それを追求していくべきなのでしょう。

――犯罪学研究センターにおける保育学との関わりについて、どういった展望をお持ちですか。

石塚:
犯罪学には原因を解明する役割と、犯罪を予防する役割があります。これまでの司法では、罪をおかした人の背景を個々で見て対応してきました。しかし、犯罪学が答えを返す先は、罪をおかした人、本人だけではないんです。今、家庭で育っている子どもが、成長プロセスの中で犯罪という傷を負わないで済むように予防策を考え、社会全体で「次の犯罪」が起きないようにしていくことこそ大切です。

中根:
石塚先生がおっしゃったことを、私はまさに保育学、社会福祉学の側面から見ています。先ほどの永山氏もそうですが、非行や犯罪をおかしてしまう人達は「子ども時代を子どもらしく生きられなかった人びと」という見方ができるのではないかと思います。言いかえれば、子どもの権利を奪われていた人達という見方です。彼らが乳幼児期をふくめ子ども時代をどのように過ごしたか、どんなふうに育てられたかを改めて問い直してみることが重要です。そして、彼らの子どもとしての育ちのなかで何が足りており、何が不足していたのか、もし不足していたならば、社会はその不足部分をどのように制度・政策的に補うことができるのか否かを考えていくのです。その答えが、今後必要な保育政策や社会福祉政策の課題を明らかにするのではないかと考えます。

石塚:
アメリカの社会学者、トラビス・ハーシ(Travis Hirschi)は「なぜ大多数の人は逸脱行動をおかさないのか」について「4つのソーシャルボンド(社会的絆)」と表現しました。“①他者への愛(attachment)、②目標達成のために個人が積み重ねてきた投資(commitment)、③慣習的活動に巻き込まれていること(involvement)、④規範や道徳への信念(belief)”が逸脱行動をとりにくくするというものです。
彼の共著者マイケル・R・ゴットフレッドソン(Michael R.Gottfredson)に会った時、「4つの絆は子育てや教育に還元されていくべきもの」と聞き、中根先生のことを思い出しました。保育の場に犯罪学理論が貢献できるのではないかと。(マイケル・R・ゴットフレッドソン/,トラビス・ハーシー〔著〕大渕憲一〔訳〕『犯罪の一般理論―低自己統制シンドローム』丸善出版、2018年を参照)



中根:
保育や子ども家庭福祉は子どもたちの将来を見つめつつ、この子どもの育ちや発達にとって、いまここで必要なケアを日々考え、実践していくプロセスです。一方で非行や犯罪は結果ですよね。犯罪学と保育学、社会福祉学がお互いに歩み寄り、非行や犯罪という最悪の結果から逆算して子ども時代のよりよい育ちとそのあり方を考えていく。学際的にクロスさせながら、非行や犯罪に至るビフォー&アフターの循環を明らかにしていくことが必要ですね。これまで保育学や社会福祉学は、最悪の結果から逆算して子どもの育ちを考えるという発想は乏しかったように思いますが、子どもが子どもらしく生きられることがなぜ重要不可欠であるかを実証していく、もう1つの道筋であると考えています。

――中根先生ご自身の学生時代を振り返りつつ、龍谷大学の学生に応援メッセージを。


中根:
20歳前後の時間は、後の人生でとても重要な位置を占めます。こうあるべき、と決まった型こそありませんが、自分にとっての有益性を意識して日々を過ごしてください。アルバイトに励むのもいいのですが、社会に出れば否が応でも働かなくてはならない日々が待っています。学生の今しかできないことに取り組んでほしいですね。

石塚:
私たち大人から見ると、経済的な理由をのぞけば、貴重な学生時代をアルバイトで潰すのはもったいないと感じますよね。

中根:
そうですね。熱中できることを見つければ、より充実した日々になると思いますよ。それでは、自分がいったい何に熱中できるのかと、頭のなかだけであれこれ考える人もいますが、おもしろそうと思ったことを、WANIMAのヒット曲ではありませんが、「やってみよう」ということが大切だと思います。やってみる、始めてみるなかで、自分に合う/合わない、向き/不向きもわかるわけで、自分というセンサーをたよりに試行錯誤を繰り返してほしいですね。学生時代はいろいろな自分を試し、探っていくための自己実験の時間なのだと思います。

________________________________________

【関連記事>>】犯罪学研究センター>保育と非行予防ユニット
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  • 国際学部 履修<履修登録手続編>

    ■履修<履修登録手続編>重要 履修<履修登録手続編>(通し)「時間割の組み方、登録の仕方、注意事項など」 20分 ※以下の動画は履修<履修登録手続編>(通し)を分けたものです。 1.履修登録の準備 基本事項の確認 「基本事項を確認しよう」 3分半 2.履修登録の流れ 「履修登録の流れ」 1分 3.時間割 必修編 「時間割を組んでみよう 必修科目編」 2分半 4.時間割 教養科目編 「教養科目で残りの科目を決めよう」 4分半 5.予備・事前登録 「科目を決めたら登録しよう 予備・事前登録」 2分半 6.本登録 「本登録しよう...

  • 国際学部 履修<履修登録手続編>

    国際学部 履修<履修登録手続編> ■履修<履修登録手続編>重要 &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; 履修<履修登録手続編>(通し)「時間割の組み方、登録の仕方、注意事項など」 20分 ※以下の動画は履修<履修登録手続編>(通し)を分けたものです。 1.履修登録の準備 基本事項の確認「基本事項を確認しよう」 3分半 2.履修登録の流れ「履修登録の流れ」 1分 3.時間割 必修科目編「時間割を組んでみよう 必修科目編」 2分半 4.時間割 教養科...

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作成者有限会社アップルップル

作成日2016/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/12

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/12

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作成者KDL藤川

作成日2017/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/12

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/12

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作成者KDL藤川

作成日2017/04/26

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作成者KDL沖

作成日2017/05/08

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作成者KDL沖

作成日2017/05/08

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/15

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作成者有限会社アップルップル

作成日2016/04/26

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ページャー、日付の表示はモジュールIDを作成して調節します
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作成者KDL藤川

作成日2017/05/01

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