- 教員氏名
- 岸本 直之 教授
- 学位
- 博士(工学)
- 専門分野
- 水質システム工学
※2027年4月就任予定
健全な地域水循環システムの構築
蒸留水とミネラルウォーターはどちらがより良い水でしょうか?蒸留水は純粋な水ですが、飲んでみるとお世辞にもおいしいとは言えません。また、蒸留水中にバクテリアや植物プランクトンなどを入れると、増殖することなく死滅してしまいます。一方、ミネラルウォーターをおいしいという人は多いと思いますが、そのように感じるのは水中にさまざまな不純物が混ざっているためです。つまり、なんでもかんでも不純物を取って純水にすることが良いというわけではないのです。水質システム工学では、目的に合わせて適切な水質を持った水を必要量供給・利用するための地域水循環システムをどのようにして作り上げるのか、という点について技術・経済・持続可能性といった観点から総合的に取り扱います。サステナビリティはいろいろな要素が絡み合った複雑な問題で、一筋縄では行きませんが、人の営みがある限り必要とされるとてもやりがいのある分野だと思います。
人の体の大半を水が占めることからもわかるように、水は生命を育むかけがえのない資源です。日本にいると清浄な水があることが当たり前のように感じますが、世界全体では衛生的な水にアクセスできない人があふれており、SDGsでも「すべての人々に対して水と衛生的な環境の利用可能性を確保し、持続可能な管理を行う」ことが目標のひとつに掲げられています。また、近年のAI技術においてもデータセンター維持のために大量の水資源が必要とされるなど、ますますその重要性が高まっています。健全な地域水循環システムの構築は人を含めた生物全般を育む清浄な水資源を守り、持続的に利用していく上で欠かすことのできない重要な役割を果たし続けると思います。
サステナビリティ実現には、基盤となる生物多様性を理解し、生物多様性に配慮したグリーンテクノロジーを用いて、自然資本に立脚した社会経済システムを構築していく必要があります。社会の営みそのものがフィールドです。専門性を備えつつ、社会を構成する様々なステークホルダーの持つ多様な考え方を理解できる複眼的な視座を身につけてほしいと思います。
「好きこそものの上手なれ」といいますが、勉強はもちろんのこと、勉強以外のことも含めて、自分の殻に閉じこもらず、身の回りの色々なことに興味を持っていただければと思います。好奇心こそが学びの基本です。皆さんの「好き!」を教員一同、全力でサポートします!