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2019.07.05

アジア犯罪学会 第11回年次大会(ACS2019)in フィリピンに参加【犯罪学研究センター】

アジア的文脈における犯罪学および刑事司法の変革のこころみ


2019年6月23日(日)〜6月26日(水)の4日間、フィリピン・セブ島において開催された「アジア犯罪学会 第11回年次大会(ACS2019)」*1 に、石塚 伸一教授(本学法学部・犯罪学研究センター長)をはじめ、当センターの教員・研究員・スタッフが参加しました。

「アジア犯罪学会(Asian Criminological Society: ACS)」*2は、アジアの犯罪と刑事司法に関心を持つ研究者と実務家の集まりです。現在、宮澤 節生氏(犯罪学研究センター客員研究員/カリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクール教授/神戸大学名誉教授)が同学会の会長を、石塚教授が同学会の理事をつとめています。
今回の学会は「アジア的文脈における犯罪学および刑事司法の変革のこころみ(Contextualizing Challenges In Criminology And Criminal Justice In Asia)」をテーマに、アジア地域はもとより、欧州や米国、豪州など各国の研究者や実務家、約300名が参加しました。
【>>関連Movie:11th ACS Annual Conference. By PCAP】


フィリピン・セブ島の夕陽

フィリピン・セブ島の夕陽


フィリピン・セブ島の港風景

フィリピン・セブ島の港風景

◆大会初日の6月23日(日)は、学会登録・理事会が行われ、理事会では2020年10月2日~10月5日に龍谷大学において開催される「アジア犯罪学会 第12回年次大会(ACS2020)」について、石塚教授が本学の歴史や会場環境などを紹介。また2021年以降の開催地についても提案がなされました。


石塚教授プレゼン風景

石塚教授プレゼン風景


ACS理事・スタッフ

ACS理事・スタッフ

会場エントランスではACS2020のPRブースを設置し、フライヤーや当センターのパンフレット、本学の紹介冊子をスタッフによる説明と共に配布しました。さらに折り紙のデモンストレーションや浴衣姿での記念撮影等で日本らしさを演出。記憶に残るPR活動を心がけました。


ACS2019会場:Seda Ayala Center Cebu

ACS2019会場:Seda Ayala Center Cebu


ACS2019会場:Seda Ayala Center Cebu

ACS2019会場:Seda Ayala Center Cebu


ACS2020 PRブース風景

ACS2020 PRブース風景


ACS2020 PRフォトセッション

ACS2020 PRフォトセッション

◆大会2日目の6月24日(月)は、開会式に続いて、JOHN BRADFORD BRAITHWAITE名誉教授(オーストラリア国立大学)とIN SUP HAN博士(Korean Institute of Criminology代表)による基調講演が行われました。
午後は、3テーマ・3会場に分かれてパラレルセッションを実施。石塚教授は佐藤 舞 准教授(オーストラリア国立大学)と合同で「日本の刑務所と終身刑」について発表しました。


佐藤 舞 准教授(オーストラリア国立大学)

佐藤 舞 准教授(オーストラリア国立大学)

約5時間にも及ぶパラレルセッション後は、Welcome Dinnerが催されました。スパイスの効いたフィリピン料理の数々と、地元大学(University of Visayas)の学生による本格的なコーラスやダンス披露で、大盛況となりました。




◆大会3日目の6月25日(火)は、午前中に4テーマのパラレルセッションとTODD R. CLEAR名誉教授(ラトガース大学/アメリカ犯罪学会 前会長)による基調講演を実施。ランチを挟んで午後は4テーマ、4会場に分かれてパラレルセッションが行われたほか、希望者を募って地元の刑事施設(Cebu City Jail/Cebu Provincial Jail)の見学ツアーも行われました。



薬物に関するセッションでは、ディビッド・ブルースター博士研究員(犯罪学研究センター)が司会を担当。自身が「日本における薬物治療の性質と傾向」について発表し、ついで相良 翔助教(埼玉県立大学 保健医療福祉学部/犯罪学研究センター嘱託研究員)が「薬物依存症リハビリテーションセンター(DARC)の役割」について、石塚教授が「日本における薬物依存症のための新しい回復スキーム」について発表し、日本の薬物問題をとりまく状況や一人ひとりの立ち直りに向けた施策の可能性について報告しました。


薬物に関するセッション会場入口

薬物に関するセッション会場入口


ディビッド・ブルースター博士研究員(犯罪学研究センター)

ディビッド・ブルースター博士研究員(犯罪学研究センター)


相良 翔助教(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)

相良 翔助教(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)


石塚 伸一教授(本学法学部)

石塚 伸一教授(本学法学部)

夕刻からは総会と表彰式が行われ、前日同様にディナーが催されました。地元大学(University of Cebu)の学生による流麗な音楽のなか参加者間の交流が進み、フィナーレでは皆が輪になってダンスに興じる場面も。音楽が参加者の心と心をつないだ一時でした。


◆大会最終日の6月26日(水)は、午前中4テーマ、4会場に分かれてパラレルセッションを実施。津島 昌弘教授(本学社会学部・犯罪学研究センター 研究部門長)が「女性に対する暴力に関する調査」について発表しました。同調査は浜井 浩一教授(本学法学部・犯罪学研究センター 国際部門長)と共に実施したもので、調査結果から見えてきた日本特有の状況に、聴講者は熱心に耳を傾けていました。
【>>関連インタビュー記事】


津島 昌弘教授(本学社会学部)

津島 昌弘教授(本学社会学部)


パラレルセッション登壇者

パラレルセッション登壇者

つづいて地元フィリピンのセッションが行われ、「フィリピンにおける犯罪学教育とASEANにおける犯罪学共同体の在り方」や「観光地における安全対策」について発表。アジア地域での犯罪学および刑事司法の変革について、参加者がそれぞれに思いを巡らせるような内容でした。


閉会式では現地主宰者であるGerry Cano氏の挨拶の後、ACS2020の大会主宰者である石塚教授が参加呼びかけを行い、さいごは記念旗の授与式が盛大に行われました。



龍谷大学で開催するACS2020では、日本の犯罪学に関わる心理学・社会学・法学などの研究者が分野の垣根なく参加できるように、多様性のあるテーマを設定。主催者側で独自に設定するテーマのほか、犯罪関連学会(国内6学会)による学会企画のテーマセッションなども予定しています。

ACS2020の詳細については、オフィシャルサイトで順次公開していきます。
ACS2020 official website
http://acs2020.org/


また、7月16日(火)18:15〜 深草キャンパスにおいて「第11回CrimRC公開研究会(月例) 〜アジア犯罪学会 第11回年次大会 in セブ報告会〜」を開催します。
参加無料・申込不要。「アジア犯罪学会 第12回年次大会(ACS2020)」に興味をお持ちの方は、ふるってご参加ください。
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-3747.html




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*1 「アジア犯罪学会 第11回年次大会(ACS2019)」
公式サイト
Asian Criminological Society 11th Annual Conference
http://www.11thacsannualconference.com

*2「アジア犯罪学会(Asian Criminological Society: ACS)」
マカオ大学のジアンホン・リュウ (Liu, Jianhong) 教授のイニシアティブによって 2009 年に結成。設立目的は、①アジア全域における犯罪学と刑事司法の研究を推進すること。②犯罪学と刑事司法の諸分野において、研究者と実務家の協力を拡大すること。③出版と会合によって、アジアと世界の犯罪学者と刑事司法実務家のコミュニケーションを奨励すること。④学術機関と刑事司法機関において、犯罪学と刑事司法に関する訓練と研究を促進することです。
http://acs002.com/
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2019.02.18 NEWS: 2019年6月フィリピンにて「アジア犯罪学会 第11回年次大会」の開催が決定
2019.06.22 第10回「CrimRC(犯罪学研究センター)公開研究会」を開催

【>>関連SNS】
犯罪学研究センターTwitter | @Ryukoku_CrimRC
https://twitter.com/ryukoku_crimrc/
現地の様子をほぼオンタイムで紹介しています。

【>>関連Movie】
11th ACS Annual Conference. By PCAP
ACS2019主宰者による記録映像