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2023年9月4日に開催するワークショップ&リリース「日本の死刑と再審」についてご案内します。当日はドイツ・ベルリンより日本語通訳付でライブ配信します。ぜひふるってご参加ください。

>>お申込みフォーム 】※参加無料 要事前申込み


ワークショップ&リリース「日本の死刑と再審」
〜日本政府はまだ死刑を存置し、生命権と人権を侵害し続けるのか?〜

【企画の趣旨】
 日本には死刑制度が存続している。その執行方法は絞首刑である。また、再審は、ラクダを針の穴に通すのと同じくらい難しい。
 日本は立法、行政、司法の権力の均衡を図る三権分立の政治体制をとっている。しかし、裁判所が再審請求の裁判をしている最中であっても、法務大臣が死刑の執行を命令して、再審請求の裁判を止めてしまう。
 袴田巌(87歳・男性)の雪冤の再審裁判が静岡地方裁判所で始まった。しかし、検察官は、再審の裁判を引き延ばそうとしている。
 大崎事件では、10年の拘禁刑の有罪判決を受けた原口アヤ子(96歳・女性)は、出所後に再審請求の活動を始め、3度の再審開始決定があったが、ことごとく上級審で覆され、現在、4回目の再審請求が最高裁判所に係属している。
 このような時代状況の中、大阪には、死刑囚等による3つの訴訟が継続している。再審請求中の執行、死刑の当日告知・即時執行、そして絞首刑の残虐性を争う3つの行政訴訟・賠償請求訴訟である。
 わたしたち、日本の死刑と再審の改革を求める研究者と弁護士のチームは、2023年9月4日、欧州の中心であるベルリンから、生命と権利を保障する努力をしている世界の人たちに、日本政府の人権侵害をアピールし、改革への協力を呼びかけるためにこの「ワークショップ&プレスリリース」を開催する。わたしたちの声に耳を傾けてほしい。


日 時:2023年9月4日(月)ドイツ時間13:00-17:00(日本時間20:00-24:00)
場 所:ベルリン・フンボルト大学213号教室、旧王宮ウンター・デン・リンデン9
(Raum 213, Humboldt Universität zu Berlin, Altes Palais – Unter den Linden 9 )
※ドイツでの開催のようすをLIVE配信します(日本語逐次通訳付き)

テーマ:ワークショップ&リリース「日本の死刑と再審」
“日本政府は、まだ死刑を存置し、生命権と人権を侵害し続けるのか”

趣旨説明: 石塚伸一(龍谷大学名誉教授)
司会:ヘニング・ローゼナウ(ハレ大学法学部教授)
スピーカー:
袴田事件弁護人  戸舘圭之  (第二東京弁護士会)
大崎事件弁護人  鴨志田祐美(京都弁護士会)
大阪3訴訟代理人 西 愛礼(大阪弁護士会)
刑事訴訟学者   斎藤 司(龍谷大学法学部教授・刑事司法・誤判救済研究センター長)
コメンテーター:
金尚均(龍谷大学法学部教授)
古川原明子(龍谷大学法学部教授) ほか

主 催:一般社団法人 刑事司法未来(Criminal Justice Future: CJF)
共 催:龍谷大学 刑事司法・誤判救済研究センター(Research Center of Criminal Justice and Wrongful Convictions,Ryukoku University: RCWC)
ベルリン・フンボルト大学ルイス・グレコ研究室(Prof.Dr.Luis Greco, LL.M., Lehrstuhl für Strafrecht, Strafprozessrecht,ausländisches Strafrecht und Strafrechtstheorie , Humboldt-Universität zu Berlin)
協 力:マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク ヘニング・ローゼナウ研究室(Prof. Dr. Henning Rosenau)
後 援:龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)、株式会社TKC、特定非営利活動法人CrimeInfo ほか
協 賛:モナッシュ大学エレオス・ジャスティス(Eleos Justice, Monash University)、イノセンス・プロジェクト・ジャパン(Innocence Project Japan:IPJ)、フォーラム90 ほか

【プログラム(予定)※日本時間】
20:00 開会:企画の趣旨説明“日本の死刑と再審”(石塚伸一)
20:20-21:20 第1部(司会:ヘニング・ローゼナウ)(逐次通訳)
  第1報告「袴田巌事件について〜47年の拘禁の末に始まった再審裁判〜」
  第2報告「再審法案の起草について〜日本には、再審に関する法律がない〜」
  第3報告「死刑囚人権訴訟〜大阪で死刑囚の権利を争う裁判が始まった〜」
=休憩=(21:20-21:50)
21:50-22:50 第2部(司会:ヘニング・ローゼナウ/石塚伸一)(逐次通訳)
  第4報告「日本の再審〜研究者の目からみた〜」
  日本から、ドイツから、世界からのコメント(各10分)
22:50-23:50 ディスカッション(60分)(逐次通訳)
23:50-24:00  まとめと閉会の辞(10分)

補注:
【袴田事件】 1966年6月30日に静岡県で強盗放火殺人事件が発生し、8月18日被疑者として袴田が逮捕された。彼は無実を主張したが、拷問のような長期の取調べの末、1通の自白調書が採用され一審は有罪。控訴したが棄却。1980年12月12日に最高裁判所で死刑が確定した。2度の再審請求などを経て、2014年3月27日、静岡地方裁判所が再審開始を決定し、拘置の執行も停止し、彼は東京拘置所から47年7カ月ぶりに釈放された。袴田は、長年の孤独な拘禁が原因で、拘禁症状などを罹患している。
静岡地方検察庁は、再審開始決定に対して即時抗告を申し立て、2018年6月、東京高裁は再審開始を覆す決定をしたが、弁護側が特別抗告し、最高裁判所は、高裁の決定を取り消して高裁に差し戻した。2023年3月、東京高裁は静岡地裁を支持する決定を言渡し、静岡地裁で再審の裁判が始まった。しかし、検察官は、事実を争う構えであり、裁判をいたずらに引き伸ばそうとしている。袴田は重度の拘禁反応に罹患しており、現在87歳。彼を支えてきた姉・秀子は90歳である。
日本の死刑囚の再審は、戦後5例目であるが、この事件以外の4事件は全て1980年代であり、したがってこの35年間、死刑台から生還した人はいない。

【大崎事件】 1979年10月、鹿児島県の大崎町で男性の変死体が見つかった事件。1980年3月に鹿児島地裁で義理の姉と兄弟による殺人事件として有罪が確定し、1981年1月に最高裁で上告が棄却され、懲役10年の刑が確定した。
姉は、裁判のやり直しを求めて再審を請求し、2002年鹿児島地裁は2004年に再審開始決定を取消し、2006年最高裁は特別抗告を棄却した。2010年に第2次の再審が請求されたが、再審請求は棄却された。第3次の再審請求では、地裁も、高裁も再審の開始を認めたが、2019年、最高裁第1小法廷が再審請求を自ら取り消した。2020年3月に始まった第4次再審請求が現在最高裁に係属している。請求人の原口アヤ子は96歳である。

【大阪死刑3訴訟】 (1) 2020年12月に元弁護人が提訴した、再審中の死刑囚の再審請求中に法務大臣の命令で死刑が執行されたことが裁判を受ける権利や弁護権を侵害するとして国家賠償を求める裁判(再審請求中の死刑執行訴訟)。(2) 2021年11月に死刑囚が提訴した、死刑執行日の朝、突然、執行が告知され、1時間も経たないうちに執行している現在の実務は違法であり、原告には受忍義務が存在しないことを確認し、かつ国家賠償を求めた裁判(即日告知・即時執行訴訟)。(3) 2022年11月に死刑囚が提起した、絞首による死刑執行は、残虐であり非人道的、品位を傷つける処刑方法であるとして、死刑執行の差止めと国家損害賠償を求める裁判(絞首刑訴訟)。いずれも、現在、大阪地方裁判所に係属している民事訴訟である。
参考: https://www.crimeinfo.jp/data/osaka/


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フライヤー(英語版)


7月22~23日、政策実践・探究演習(国内)洲本プロジェクトの2023年度第2回フィールドワークに学部生16名と石倉研准教授、櫻井あかね実践型教育プランナーが参加しました。

2023年度は「千草竹原班」「塔下新池班」「企業連携班」の3班に分かれて活動しています。


■千草竹原班
22日午後と23日午前中は、洲本市地域おこし協力隊員小林さんと一緒に千草竹原の古民家改修を行いました。今回は、集会スペースになる部屋の床を貼りました。まずは、調湿効果のある竹炭を袋にいれて床下に敷き詰めます。この竹炭は放置竹林の活用として、あわじ里山プロジェクトの辻さんと小林さんが焼いたものです。つぎに床を支える補強部材、根太の間に断熱材を敷き詰め、根太に杉板をビス止めしました。いよいよ、この集会スペースに泊まれる日が近づいてきました。次回フィールドワークが楽しみです。


根太間に断熱材を敷く


杉板を貼る


■塔下新池班
22日は、塔下新池を管理する田主(たず)の皆さんと池周辺の草刈り、水藻の除去を行いました。ライフジャケットを着てボートに乗り、藻を取る作業は人生初の体験です。
23日は、午前中は、学生が用意してきた企画書をもとに、この1年間でどのような活動ができるか、塔下営農組合の方々と塔下公会堂で意見交換を行いました。学生からは、広報やイベント、農産物販売に関する企画が出され、今後の営農組合と連携の方向性について、話し合いがなされました。昨年度の塔下新池班が作成したフェノロジーカレンダーを活用しながら、塔下地区の農産物や食文化についても理解を深める時間となりました。


ボートに乗り藻の除去作業


塔下営農組合と意見交換


■企業連携班
今年度からスタートした企業連携班は、パートナーの株式会社成田とかいぼりをテーマに取り組んでいます。かいぼりは農閑期の冬に池の水を抜いて底に溜まった泥を川にかき出す作業です。重い泥をジョレンや鍬を使って動かすのは、なかなかの重労働。手作業で出せる泥の量も限られていました。

洲本市から相談を受けた専務取締役福井氏は、試行を繰り返しながら吸引ポンプ車を改良した多目的モバイルユニットを開発。この機械によって大量の泥を吸い出すことが可能になりました。機械の開発ストーリーや農漁業への効果を学生がまとめ、賞に応募します。


福井氏から話を聞く学生たち


多目的モバイルユニット


1. 松尾先生ってどんな人?

Q1. 先生は、一度サラリーマンで働かれた後に大学院に入られたと教員紹介のホームページで拝見しましたが、そのきっかけとなったベルギーについて、また、大学院に進学後に大学教員を目指すことになった経緯について教えてください。


サラリーマンをやっていた時、心臓の治療具を作って売る会社の営業をやってたんです。ベルギーに心臓外科の有名な大学があって、そこに留学していた先生がもともと日本でうちの会社のものを使ってて、それでその会社のものをベルギーでも使えるように輸入取引できないかという話がありました。それで初めて「なんやベルギーって」となり、ベルギーを初めて意識したっていうのかな…。国の名前は知ってたけど、見たこともないし、「ベルギー語ってあるの?」みたいな感じだったんだけど、その時にいろいろベルギーについて調べました。
ベルギーは、地域によって公用語が決まってて、北側はオランダ語、南側はフランス語、東のほんの小さい地域はドイツ語を使って、首都だけフランス語とオランダ語の二カ国語を公用語として使います。電車に乗って車内アナウンスを聞いていると、オランダ語の地域に入ると車掌さんがオランダ語で次の行くところを話して、首都に入ると両方の言葉で話して、フランス語の地域に行くとフランス語で話すっていうような。あと駅名もそういう感じで表示されました。公のものがこのようになっていることに「なんやこの国は」ってなって、びっくりしましたね。そこで多言語について興味を持ちました。しかも、ベルギーは国土の大きさが四国ぐらいなんですね、国全体の人口も日本の東京都より少ないぐらいで、「その人口で税金とかどうしてるんやろ?」「言語も分かれてるし、それで国が成り立つんか?」とも思いました。保険制度とかも調べないと営業ができないから、仕事のためにそういうのを調べてたら、日本でその当時ベルギーについて手軽に読める本が少なく、データ集でも欲しい情報はなくて、フランス語やオランダ語の資料を取り寄せて、自分でオランダ語を一生懸命に文法書を見たりしながら読んでいました。
そうしているうちに、今調べたりしていることをもっとちゃんと勉強したいとか、勉強するにあたっては我流ではやりたくないし、きちんと指導を受けたいと思い、大学院に入ることにしました。大学院では、2年間の修士課程というのがあるんですけど、最初は修士課程が終わったらその会社に戻るつもりでした。
でも、入って勉強していたら「勉強って面白い」って初めて思い、さらに勉強したいと思いました。そうして、2年経った時に指導教官の先生に「博士生課程や、さらに上を目指して大学の教員になっていくためのコースみたいなのを目指してもいいですか?」って聞いたら「いいよ」って言ってくれたことがきっかけで教員を目指すことになりました。

Q2. 先生は日本とベルギーの違いについてどうお考えですか?

日本との違いは、場所によって言語が違うこと、そして国の人々が多言語に対応できることだと思います。ベルギーの人たちは、例えば、多分大学を出てないんじゃないかなっていうような人たちでも、本当はもともとオランダ語を話す人だと思うんですが、その人でも英語で話しかけたら英語で返ってきます。また、色んな外国人のお客さんが来るような、特にデパートとか行くと、胸の名札に話せる言語が書いてあって、「もう何カ国語あなたたちは喋れるの!?」みたいな。
日本人がよく行く観光地では「30ユーロ」とか日本語で値札が書かれていたりします。大学の日本語学科とかは、フロアに入ると学生たちが日本語で「こんにちは」とか「どうも」とか言って通り過ぎていて……語学教育がすごいね。私の方が、全然オランダ語の練習にならなかったですね。みんな日本語で話すからね。
その多言語で言語の壁がないということはとても羨ましい。おそらく何か徹底的に勉強していくことで、言語を把握する能力をつかむんでしょうね。

Q3. ヨーロッパ政治の魅力について教えてください。

私たちがよく聞く「民主主義」概念とは異なる形の「民主主義」、「国民国家」概念とは異なる形の「国民国家」を形成している、といった「逆説」に富んでいる点が面白いと思います。
まず、民主主義についてですが、例えばベルギーでは、フランス語、オランダ語、ドイツ語といった様々な言語があり、それぞれの言語別にキリスト教系の政党、社会民主主義の政党、自由主義の政党があるので、全体としてバラバラなんですね。だから、下院の議席は150議席なんですけど、一番議席数を取る政党でも30議席程度なんです。ということは、いくつかの党が集まらないと過半数を取れないということです。一方で日本の場合だと、選挙があると大体どこの番組もその日の夜に選挙特番があって、出口調査などから結果が大体すぐ分かるじゃないですか。ベルギーの場合は分からないんです。トップが30議席だから、「どことどこが組むんだ」、「どうなるんだ」ともなりますし、選挙の翌日から話し合いが始まるわけで、新政権が成立するまでにものすごく時間がかかります。時間をかけたら最適な答えになるかどうかは、後にならないと分からないことなんだけど、とにかく時間をかけます。日本ではよく即断即決が良いとされているように思います。今のウクライナみたいな状況の時は即断即決っていうことが必要なのかもしれないんだけども、時間をかけて話し合ってみんなで合意して進めていくっていうのがあそこの政治なんです。自分の利益に固執していると、合意ができないことになる。だから、妥協して合意していきます。時間をかけて話し合って決めるっていう「民主主義」になっている。もしかしたら、みなさんのなかには、「多数決ですぐ決まる」のが民主主義だっていう感覚があるのではないでしょうか。通常の多数決は例えば99対1になったら99に決まるわけですよね。そういう時「1」の答えは実際「0」になりますね。もっと極端なことを言うと、全体が100であれば51対49でも51が勝つわけですよ。49あった意見も「0」になってしまう。意味がなくなるわけです。一方、ベルギーとかの多言語社会とか多民族社会ではしばしばあり得ることなんですけど、「0」にせずに話し合うんです。話し合った結果、必ずしも「即断即決の多数決」にはならないのです。
国民国家に関してもまさしくそうで、1つの国民というけど、ベルギーの人たちは自分たちがベルギー国民であるという意識は持っているけれども、それと同時にそれぞれのフランス語などの言語のコミュニティの人間であるという意識もかなりの人が強く、ベルギー国民であるという以上にそれを強く持っているという場合もあります。また、EUの人間だという意識が強い人もいます。自分が何者であるか、つまりアイデンティティが非常に多層的に構成されていて、長期的に見ていると、ベルギー人という意識がだんだん希薄になってきている。僕は愛知県出身なんですが、日本人である前に愛知県民と言われてもピンと来ません。ただ、野球観戦の時は、やっぱり中日ファンなので、野球見てたら「愛知県民」とか「名古屋人」って感じを強く持つけど、普段の生活で日本人を超えるアイデンティティを持つかは分からないですね。

Q4. 先生のご趣味は何ですか?

ふわふわなものが大好きです。赤ちゃんの頃に祖母が犬の形の枕を作ってくれて、どうやらそれに付いてた尻尾が顔に当たるとよく寝たらしいんですよ。それが原因かは分からないけど、今でも毛布とかふわふわしたものを近くに置いて寝ることが多いです。
野球も好きで、中日ドラゴンズを応援しています。他の先生ともその話でよく盛り上がってますね。根尾選手には早く覚醒してほしいなと思っています。大学生までは、監督目線で「ここで交代するのは誰か」とか考えながら、静かに試合展開を見るのが好きだったんですけど、妻と出会ってから楽しみ方が変わりました。妻は外野から声援を送ったり応援歌を歌ったりするような僕より熱い中日ファンで、お付き合いし始めた頃一緒に試合を見に行ってから、彼女の影響で私も熱烈に応援するファンになりました。今もドラゴンズのストラップを身に着けていますよ。ちなみに、ストラップはベルギーでスリに遭って以来付けるようになりました。
ギターを触ったりすることもあります。最近は肩の調子が悪くて弾けていませんが…。あとは昔のアイドルの、早見優さんを高校生の頃から応援しています。今でもミュージカルをされているので、機会があれば見に行ったりしています。サインもいくつか持ってます。

Q5. 先生は学部生時代・院生時代はどのような学生でしたか?

学部生の頃はちょうどバブル期で、あんまり就活のことは気にしていなかったです。皆には申し訳ないけど授業に出てないことも多くて、誰かと麻雀やったりバンドをやったりしてましたね。ゼミだけは自由に好きなことができたので出席していました。単位はギリギリでした。だからあまり学生に強く勉強しろとは言えないですね。言う資格がないから。大学時代が楽しかったので、楽しむことのほうが重要だと考えています。
大学院の頃は、周囲の人の支えがあったので比較的頑張っていたと思います。奥さんは仕事をしながら料理などの家事もしてくれていました。


2. 松尾ゼミってどんなゼミ?

Q1. 松尾ゼミについて教えてください。


ゼミは大学生活を充実させる為の一つの手段だと考えています。「大学時代、〇〇が充実していました」って言えたら、きっと就活もうまくいくだろうし。
サラリーマン時代、営業と同時に、長い間採用担当もやっていました。なので、ゼミ生にはいつも採用の仮面接とかアドバイスとかよくしています。進路に関しては、一人一人と将来について話すように努めています。公務員試験を受験したり、大学院に進学したり、と色々目指す子がいますよ。例えば、大学院を目指すなら、ゼミとは別に英語の勉強会を開いたり、資格を取得するための勉強会をしたり‥。私のゼミは合計で30人所属しているのですが、やっぱり一人一人希望の進路は違います。また、ゼミ生それぞれが持っている力、何が得意で何が不得意かとかは違うので、なるべく一人一人と話していきたいと考えています。ただ無理やり「話そう!」と言ってゼミ生と向かうと嫌がる子は嫌がってしまいますね。なので、話してくれる子とは、「じゃあ、こうしよう」とか「こういう勉強会を開こうか」とかそんな風に将来について話を聞いています。
ただあとはゼミを見ていると、今はどうしてもコロナの影響があるじゃないですか。オンラインを使用してみんなやってきましたが、やっぱり学生が「分断」されているという印象がとても強くありますね。やっとマスク付きで集まって話せるようになりましたが‥。なので、コロナ禍の影響で、今の子たちはチーム作りに苦労するのではと見ています。社会人ってやっぱりチームで動くことが多いので。大学卒業してからいきなり独立して一人でやっていく人は中々いません。なので、独立することを望んでいても、ツテがない限りはコネやツテを作るっていう意味も含め、一回修行で企業に入社した方がいいです。その為、ゼミの時間はチーム活動を大切にしてほしいと望んでいます。特に3回生ぐらいから自分の強みをゼミで発見して欲しい。全員がリーダーになってしまうと「自分が」「自分が」ってなってしまい、逆にチームはまとまりません。とりあえずその日、そのプロジェクトのリーダーが決まったら、そこで自分は何をやるかをどう探していくかが重要になります。もちろんその中でリーダーに向くように成長していく子もいますよ。その為、色々な役を用意しようとしています。例えば、今はちょっとできなくて残念なのですが、合宿とかの会計をやってとかですね。来年度からはできるかなと思っているのですが‥。
また、毎年他の大学と交流をするっていうことを割と重きを置いています。今年はオンラインでやってみたのですが、やっぱりオンライン上で他大学と交流するのは難しいなと感じました。10大学合同ゼミみたいなことを毎年やっていて、100人以上の子たちが全国10大学から集まってホテルを借りて、所属大学関係無くシャッフルして、10個くらいのごちゃまぜグループメンバーを決めます。そこで、事前にお知らせしていたお題を出します。例えば、「ヨーロッパで頻発していたテロについて、あなたたちが中学2年生相手に教えてください」っていうお題です。初めて会った人と一泊二日で、2日目の午前中には発表会というスピードで進行していきます。とにかく初めて会った人と何かを成し遂げます。見ていれば中には途中で意見が合わずに空中分解しそうというチームもありますね。それでも何とか発表しなきゃいけないから発表して、「案外、空中分解しかけていたけど、面白いやん!」とかもあります。教員を含め、総合で投票してそれぞれの順位を決めます。1位のチームにはスタバ3000円とか賞品も用意します。終わったら100人ぐらいの打ち上げが待っています!だから、みんなLINEが一気に増えますね。やっぱり社会がそういう仕組みなんですよ。誰も友達がいなくて周りは先輩みたいなところへ配属とか。教員・スタッフ紹介のHPにも書いたのですが、好きなことだけをし続けてはいられない。龍谷大学の法学部だけ、とか、自分の好きな場所でずっとぬくぬくし続けてはいられないんです。別に常にそれを意識してゼミで練習しているわけではないですが、ゼミ活動のなかには、そういう経験もあっていいかなと思っています。10大学合同ゼミでは、初めて会った人とどんな風にチームとして何を成すかっていう、その練習にもなればなと。とにかく色々あったにせよ最後は楽しんで終わります。
あと、松尾ゼミだけで発表をやるっていうようなこともあるし、その辺は全部希望を聞いて実施しています。まだコロナじゃなかったときの第1期生は、希望の場所を聞いたら北海道が良いって言いました。旅費が高くかかるから、私の前任校が北海道の大学だったんで、タダで貸してもらえるようにお願いしました。その代わり、そこの学生達や元ゼミ生も呼んでもらって、向こうにすれば久しぶりの勉強会。急に全く知らない先生や学生の前で、一人で自分の卒論のテーマを発表させられていました。発表し終わった後、多分緊張していたのでしょうね。熱を出した子もいました。それでも終わった後、みんな盛り上がって、すごい仲良くなります。なるべく外のいろんな人と交流したくて。北海道にいた時もそうだったんですが、北海道の人たちって、北海道にずっといたいっていう人が案外多くてですね。私が所属していた大学ではそういう子がすごく多かったですね。龍谷大学も、聞いてみると、案外関西にいたいっていう子が多いんですよ。東京へ行きたいっていう子はたまに見るぐらい。市役所とかでも京都、大阪、神戸とか地元志向が多いので。でも、もっと全国のいろんな人たちと触れ合うことで、少し視野が広がる、なんていうとちょっと偉そうなんですけど。「全国に友達ができたら楽しいやんか」ぐらいの感じで。相手も京都の友達ができたら旅行に来るとき泊まる場所もできるし、交互に泊まり合いができますしね。こんな感じでどんどん人と出会っていきましょうっていう感覚ですね。だからコロナで途絶えたのはちょっと残念です。


3. 学生に向けて

Q1. 学生が作るレジュメを見る際にどのような点を見られているのか教えてください。


「聞く人に伝えることを意識せよ」ということ。自分だけが分かっていることが多いような気がしますね。例えば、共通の文献があって、それを読めていない人がいて、その人がいきなりレジュメを見ても文献の内容が分かる、話を聞けば分かる、がいいレジュメですね。自分だけはその文献をしっかり読んだので、自分だけ理解して、相手に伝わっているかどうかを考えることなく、ずーっとレジュメを読んでしまいがちです。なので、人に聞いてもらうことを意識するということをよく学生に言っていますね。また、あまりルールで縛るつもりはないんですが、レジュメのルール、例えば引用文献をつける時のやり方とかですね。そこはクリアしないとダメなので、そこはきちんとやりなさいということを卒論指導に至っても言っていますね。あとはレジュメの見やすさ、分かりやすさです。相手のことを考えると、レジュメのこの部分が何ページのどこにあたるのかっていうページ数をつけたほうが相手は分かりやすいですよね。こういう風に、聞く人のことをきちんと考えなさいということはよく言う事ですね。
加えて、昔の私の様に麻雀やったり、飲みに行ったりしないでちょっと我慢してレジュメに取り組んだ、頑張った学生を評価しないといけないと思っています。明らかに手を抜いたみたいなのはちょっといけないと思いますが‥。なるべくポジティブにいきたいかなと。ただ次はここを直してきてねっていう感じが多いかな。

Q2. レジュメを作る時にどういう風に流れを作ればいいのでしょうか?

まずは、最初に問いを明確にすること。例えば、ジェンダーだとかを考える場合とか、「ジェンダーとは」だとちょっとざっくりしすぎなので、「なぜ〜は○○なのか」、「どのように〜は××になったのか」というような問いを明確にします。それに対する答えをある程度想定して進める。分からなくてもこうなるかなと想像し考えながら。そこはまずしっかり押さえなきゃダメです。これをずっと何も考えずにやっていくと、問うていることと全く違う答えに行き着く時があって、そのままずっと書いていくと、「あなたは何が好きですか?」って聞かれているのに、「ハンバーグはデミグラソースが美味しいです。」みたいなちょっとズレた答えになってしまうことがたまにあります。たまにというか、わりと慣れていないうちはあるので、ズレへの対応をもう一回チェックしていきます。
言い出すと真面目な話になってくるので、あまり面白くないんですが、割とすぐに、各国のやり方はどうなっているかとかを比較する学生が多いと思います。比較でもいいのですが、何のために比較をするのかということは意識してね、と指導しています。比較をするにしても、元にした本や資料に、例えばイギリスとフランスと韓国があったから比較した、ということが多い。でも、なぜあなたの問いでイギリスとフランスと韓国を選んだのか。その選択の理由というか、そういうところの意識づけはするかな。
また、すぐ比較に走る人の場合は、問いにもよりますが、それよりもっと歴史をきちんと見る方がいいかもしれないとかアドバイスします。私は今ここで西洋政治史っていう歴史を担当していることも関係するのですが、歴史をあまり軽んずるなということは言っています。今があるのは昔があるから。だから歴史を丁寧にやっていくと、なぜ今こうなったかっていうのは分かるはずなんです。歴史の流れを見ていくと何か一つの筋が見えてくるよって言っています。
最初に問いを明確にして、結論とか答えも大体想定しながら進めることで、ある程度説得力あるものにはまとまっていくと思うけども、ただ、無理やり想定した結論に持っていかないっていうのも大切です。それこそさっきの「デミグラスソースが合いますね。」っていうことだったら、問いは「あなたは何が好きですか?」じゃなくて、「ハンバーグに合うソースは何ですか?」に変えなきゃいけない。分かったことが結局ハンバーグのデミグラスソースが一番合うっていうことだったら、「私はハンバーグにはどのソースが合うかを考えます。」というような問いに変えなきゃいけない。行ったり来たりして、その度になぜそうなったか、中身に触れます。
あとは、「自分の敵」を意識すること、ですね。例えば、「ハンバーグに合うソースは何ですか?」という問いに対して、自分が調べた結果、デミグラスソースっていう答えになりそうだとしたら、あなたの「敵」の答えとして、例えば和風醤油ソースとかが出てきます。それをどう批判していくか、が大切だと思っています。「確かに和風醤油ソースは大根おろしが爽やかで後味がよい」と言って、その点は認める。その次に「しかし、和風醤油ソースでは、例えば肉汁と合った時に○○で、ここが生かされない」みたいな流れで和風醤油ソースを批判します。敵をやっつけることで自分の意見が映えるというか。問いを立てること、いかに敵を見つけて、敵をやっつけるか。何を敵にするかですね。これの判断が難しい。全然関係のないところに持ってくると、何でこれが急に出てくるのか、浮いちゃうかもしれないですし‥。

Q3. ゼミや授業などで、学生と関わる時や、話す時に意識している事などはありますか?

なるべく一人一人と話すっていうのはさっき言いましたよね。そこで私なりにこの子に何が伝えられるんだろうって考えます。例えばさっきのリーダータイプの話。全員がリーダーになる訳ではないので、この子の強みは何だろうっていうのを見ながらやっています。特に龍谷の子たちは基本的にみんな引き出し方1つですごい実力を発揮します。それを見抜きたい。
そしてチームのためにどれだけ自分を犠牲にできるかが大事。自分勝手に自分の利益だけのために動こうとすると会社の人たちは面接で見破ってしまいます。別に自分がしなくてもいいような事にどれだけ時間を費やせるか。大学生活でいうと例えば、グループで報告をするその時に誰がレジュメを実際作るかっていう話に当てはまります。自分は遊びたい、寝たい、体調悪いとか色々あるけども、誰かが最後に作らないといけない。今までは大学4回生で最上回生なので威張ってたかもしれませんが、会社入った途端にぺーぺーです。そこで、いきなりその配属されたところを仕切れっていうことはありえないじゃないですか。最初はぺーぺーの仕事をさせられるんですよね。まず先輩のことを見て覚えて先輩について行って。それで最初に任されるのは多分ものすごく小さい仕事っていう、自分が思い描いていた世界ともしかしたら違うことかもしれない。つまらない仕事かもしれないけど、まずそれができないと話が始まらない。だからつまらない仕事に対して喜んで手も足も出すし動いて、自分には一銭の得にもならないようなことをそのために走り回るっていう人が実は強いんじゃないかなって、私は龍谷に来て思いました。今のところ私のゼミに来た子はそういう子が多いです。頑張ってる子が必ずしも第一志望の就職先ではないにせよ、それなりのきちんと納得いく結果を出してるような気がします。前の大学の時は、二極端でした。完全に人の為に働くことを無視してゼミに一切協力せずに予備校に通っているという子か、人の為に一生懸命動いて、図書館で勉強する子か、その両極端が希望のところへ行っていました。ゼミとかこういうチーム活動で一生懸命頑張っている子は100%ではないですが、ある程度成果を出せていると思います。頑張っているのに出せていない子はミスマッチがあるような気がします。「そこを受けるのは違うやろ」というような‥。例えば民間じゃなくて大学院進学の方が合っていたのではという感じですね。しょっちゅう相談に来てくれる子はアドバイスも色々しますよ。進学については、もちろんご家庭の状況があった上なので、口を出せない部分がありますが。私もそうでしたが、卒業するときに「まだ勉強したいから大学院ってどうかな」と親に言ったら、「もうこれ以上一銭も出せない」と言われました。その時はいくつかあった選択肢の中から大学院を消しました。学校内では、LeD’s やクラサポなど色々な仕掛けがありますよね。そういうところで頑張っている人たちは、ミスマッチさえなければある程度就活は大丈夫です。
ちゃんと話をしてくれればきちんと相談に乗ります。ただ最初、私が怖いらしくて‥。どうも、私の顔が怖いらしいです‥。でも、何でも相談屋です。恋愛相談はそんなに適切なアドバイスはできないかもしれないですが‥。

Q4. 最後に学生に向けて何かメッセージがあればお願いします。

こんな時代なので、暗くなることがあるかもしれない。毎日がつまらなかったら、自分がうまくいった未来を想像して、それに向かって進む。だけど、このコロナみたいに先が見えない時は、今を一生懸命生きてください。足元が真っ暗な時は、何をやっていいかわからない。「今が苦しいんだ。今がつらいんだ。」という時は、明るい将来を強く思って歩んでほしいなと思います。コロナの霧は少し晴れてきたけど、これからどうなるかわからず先が見えなくなるとか不安になるような時は、「今」を頑張るしかない。今あることを頑張るしかない。これをやっていけば、一生懸命やっていたら誰かが見ている。誰かが助けてくれる。いい仲間に出会えて、感謝できると思います。



4. インタビューを終えて

卒論指導やご自身の学会などの用事でお忙しいにも関わらず、インタビューに快く答えていただき、とてもうれしく思いました。インタビュー当日は緊張していましたが、先生が優しく笑い話も加えてお話してくださったおかげで、緊張も解け、楽しくインタビューをすることができました。「社会で必要となるチームワーク能力を身につけたい!」「ゼミを一生懸命取り組んで大学生活を充実させたい!」という方はぜひ松尾ゼミへ!
自分の可能性は無限。You, Unlimited.次回のインタビューも、ご期待ください。


【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
川上 桃佳(法学部3年)
隅田 知里(法学部2年)
森 亜真里(法学部2年)


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作成者有限会社アップルップル

作成日2016/04/26

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作成日2016/04/26

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作成日2016/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/04/26

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作成日2017/05/08

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作成者有限会社アップルップル

作成日2016/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/01

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