在原 愛美さん(2023年3月法学部卒業)
〈進学先〉立命館大学法科大学院(既修)
令和7年度司法試験に在学中合格
私は、龍谷大学在学中、決して優秀な学生ではありませんでした。入学当初は、何の知識もなく、答案を書くなんてもっての外でした。特別な才能や、ずば抜けたセンスがあったわけではない、ということを念頭においてお読みいただけますと幸いです。
入学当初から法曹を志望しておりましたが、司法試験合格のために何をして良いか分かりませんでした。そんな時に助けて頂いたのが、法職課程です。
まず、入学してすぐに相談室に転がり込みました。自分の夢を現実にするために必要なことや、この大学に存在している制度など、様々な相談に乗って下さいました。勉強の相談は勿論、ロー入試の志望理由書の添削、将来の不安など、本当に親身になって相談に乗って下さいます。
私は具体的な学習スケジュールを立てることが苦手であったため、大学の講義の進行や法職課程の講座でペースを作っていました。具体的には、1回生の頃から法職課程・伊藤塾の講義を受けるようになり、その後、法科大学院入試対策ゼミに加わった形です。龍谷大学では伊藤塾の講義を比較的安価に受けることできます。まだ右も左もわからない段階で講義を受けてみることで何となくでもその片鱗を掴むという意味で非常に有用です。また、予備校ならではの優先度を知るという使い方も良いと思います。
講義中に超重要論点である、と述べられることがありますが、このような論点は他の受験生もしっかりと対応してきます。逆に言えば、そのような論点を落としてしまった場合、大幅に点数を落としてしまうことになるのです。母数が多い予備校を使うことで、周りに差をつけられないための守りの一手を考えることが可能であると考えます。
龍谷大学では、研修室( 有料)を借りることができます。一人ずつに机が割り振られており、毎回席取りに労力を割く必要はありません。机自体は隣り合っていますが、しっかりとし切られており、スペースが確保されています。試験対策用の書籍も充実しており、必要な書籍を全て買う程の余裕がなかった私は、非常に重宝しておりました。勉強の環境が良いことはもちろんですが、私にとっては同じ目標を持つ先輩との出会いが非常に印象的でした。同じ目標を持つ先輩方とお話をすることは非常に楽しく、その背中を追うことは、私にとっては道が拓けたような感覚がありました。必ず、仲間を作れ、友達を作れ、と言っているのではありません。人との出会いを得ることができる場所であること、そこには良い出会いもあるということです。色々な視点を得て、視野を広げて下さい。
法科大学院入試対策ゼミではロー入試や予備試験・司法試験などの過去問題を解き、司法試験に合格された、実務家の先生方が添削及び解説して下さる貴重な機会です。知識はもちろん重要ですが、あくまでも、試験対策という観点を忘れてはいけません。いくら時間をかけて素晴らしい答案を書ける力がついても、試験当日に制限時間内に答案を完成させることができないのであれば全く意味がありません。試験官は、これまでの努力を勿論見てはくれず、見てくれるのは当日に提出できた答案のみです。アウトプットの機会を全く設けないと、このような観点をついつい忘れがちです。
私が大学時代を思い返したときに後悔していることの一つとして、問題演習を怠っていたことが挙げられます。まだ知識のインプットが十分ではないからと、入試の直前期まで積極的に行いませんでした。今、振り返って分かることですが、インプットが完璧になることは決してないと思います。私の場合は、インプットが十分ではない、というのは不完全な答案を提出し指摘を受けることで自分が傷つくことを回避するための言い訳だったように思います。このような事態は好ましくありません。そこで、少々荒療治ではありますが、定期的に答案を書かざるを得ない状況に自分を追い込むというのも一つの手であると思います。そのような場合にも、このゼミは非常に役立ちます。
また、当時がコロナ禍だった影響か、私は共に勉強する仲間はあまりいませんでした。そのため、周りの受験生との進度の差などに意識を向ける機会が少なかったと感じます。もっとも、基本的に試験は相対評価であり、他の競争者との実力差を把握しておくことは必要不可欠であると考えます。その点でも、弁護士ゼミというのは良い機会だと思いますし、他の競争者と接する場があることは良いモチベーションになっていたと思います。
ここまで、法職課程について書かせて頂きました。しかし、大学生として忘れてはならないのは、大学の講義です。
大学の講義は司法試験向きではないから、自分には不要である。これは非常に短絡的な考えであると思います。あまり試験には出ない範囲であっても、思考過程やその制度の趣旨などは頭に入れておくべきです。全く知らない問題に当たり、詳しく論証を覚えていなくても、あの時の講義でこのような考え方をしていたがそれが使えるのではないか、と考え付き救われたことがあります。
大学の講義では、その分野のエキスパートたる先生方が指導してくださいます。さらに、先生方は何かを教えることがお好きであり、どんな質問でもウェルカム!と思っていらっしゃいます。
これは先生から直接お伺いしていることですので、安心してください。
要は、講義は好奇心を持って楽しく受けて下さい、ということです。先生方は雑談を交えて講義して下さることが多いです。このようなお話は非常に興味深いもので、暗記しようと意識しなくても、自然に頭に入ってくるものです。そのため、なんでも試験に役立たせなくてはならない、と考えすぎる必要はありません。自分はどんな分野に興味があるのか知りたい、興味のある分野をもっと探求したい、このようなことが実現できるのが大学の強みだと思います。こんなに恵まれた環境、活用しないともったいないと思いませんか?
司法試験の合格について、絶対的な正解ルートというのは存在しないと思います。
もちろん、私も何が試験対策に必要なのか、と悩んだこともあります。先輩方に理想的な方法をお伺いしたこともあります。確かに、そのような情報は有用です。しかし、先輩方の勉強法は、先輩方が歩んで来られた長い旅の果てに得られた、1つの方法にすぎません。重要なのは旅の過程です。ではなぜ、このような合格体験記が必要なのか、疑問に思われることだと思います。それは、視野を広げ、選択肢を増やすという点にあると思います。先輩方の勉強方法を一旦実践してみる、合わないならやめる、自分に合う部分は拾っていく。これを行うことができれば、おのずと自分に合った学習法が身に付いてくると思います。最後は、自分自身と向き合うことになります。焦りすぎず、成功例の収集に過度に時間を割くことなく、自分自身には何が足りないのか、ということに耳を傾けてみてください。
また、無駄を省く、という考えに固執しすぎないでください。試験対策はこれから嫌というほどできます。大学の間に、様々な分野に興味を持ち、可能性を広げて下さい。これまで、そして、これからの経験は、試験そしてその先の実務で必ず役立ちます。
自分を信じて、最後まで諦めずに突き進んでください。応援しています。