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龍谷大学矯正・保護課程委員会では、浄土真宗本願寺派からの助成を受け、1978年より実務家向け雑誌『矯正講座』を発行しています。
全国の矯正施設・更生保護施設の職員をはじめ、多くの矯正・保護関係者の皆さまに長年ご愛読いただいております。
今年度は、2026年3月11日に第45号(成文堂刊、1,500円+税)を発行いたします。内容は以下のとおりです。
興味・関心をお持ちの方、また購入をご希望の方は、お近くの書店にてご注文いただくか、店頭にてお買い求めください。
矯正講座第45号の内容>
〔巻頭言〕
・この1年をふり返って
津島 昌弘(龍谷大学矯正・保護課程委員会委員長/社会学部教授)
〔論説〕
・NHK調査から見えてきた少年院・少年刑務所における闇バイトに関与した被収容者の特徴
浜井 浩一(矯正・保護総合センター長/法学部教授)
・少年の支援に必要な感情リテラシーの育成-ソーシャル・エモーショナル・ラーニングの視点から-
渡辺 弥生(法政大学文学部心理学科教授)
・「不安を誰にも話せない若者は“良いカモ”」と闇バイトのリクルーターは語る-番組制作を通じて感じた“子どもの声を聴く”ことの難しさ-
山浦 彬仁(NHK報道局社会番組部ディレクター)
〔講師研究会〕
・矯正施設における新たな処遇の在り方
日笠 和彦(法務省矯正局長<元大阪矯正管区長>)
・更生保護の現状と課題 ~持続可能な保護司制度をめざして~
藤田 博(法務省京都保護観察所長)
〔矯正施設参観記〕
・2025年度「矯正・保護課程」共同研究・施設参観報告
全体報告 津島 昌弘(龍谷大学矯正・保護課程委員会委員長/社会学部教授)
1.沖縄刑務所 青山 純(龍谷大学矯正・保護課程講師)
2.那覇少年鑑別所 浜井 浩一(龍谷大学矯正・保護総合センター長/法学部教授)
3.沖縄少年院 木村 昭彦(龍谷大学法学部客員教授/矯正・保護課程講師)
4.沖縄女子学園 谷口 隆志(龍谷大学矯正・保護課程講師)
5.更生保護法人がじゅまる沖縄 西岡 総一郎(龍谷大学法学部客員教授/矯正・保護課程講師)
[イタリア・ナポリ施設参観記]
・イタリア共和国ナポリにおける少年司法機関等訪問紀行
浜井浩一(矯正・保護総合センター長/法学部教授)
[矯正・保護支部ぎんなん会活動内容及び成果等の報告]
・「龍谷大学校友会矯正・保護支部ぎんなん会」の活動
谷口隆志(龍谷大学校友会矯正・保護支部ぎんなん会会長)
[活動報告]
・2024年度矯正・保護総合センターの活動について
[編集後記]
能美潤史(龍谷大学『矯正講座』編集委員会委員長/法学部教授)
(矯正講座第45号表紙)
【発表のポイント】
【概要】
近年、人間活動や気候変動による魚類の分布の変化が報告されており、その現状把握や予測には分布に影響する要因を解明することが不可欠です。
東北大学・海洋研究開発機構変動 海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)の長田穣准教授及び千葉県立中央博物館・北海道大学・京都大学・神戸大学・九州大学・島根大学・龍谷大学・鹿児島大学・かずさDNA研究所らからなる共同研究グループは、日本全国528地点に及ぶ大規模な環境DNA調査を実施し、沿岸魚1,220種(現在論文で報告されている種の約44%)を検出しました。さらに、これらの魚類の分布を解析したところ、魚類の輸送・移動の制限・生息環境の提供といった様々な海流の働きが多くの魚類の分布に影響していることが明らかになりました。この成果は、日本の沿岸魚類の生物多様性に関する理解を深めるとともに、将来の沿岸魚類の分布変化の予測に役立つことが期待されます。
本研究の成果は、2026年2月16日付で科学総合誌Scientific Reportsに掲載されました。
【詳細な説明】
研究の背景
近年、人間の活動によって様々な生物の分布が変化していることが報告されています。生物の分布はなぜ変化しているのでしょうか?この疑問に答えるためには、生物の分布を決める要因(より正確にいえば生物の個体数を増減させる要因)を明らかにする必要があります。しかしながら、広域で多くの生物に影響を与える要因を明らかにすることは非常に困難です。それは、広域に生物の分布を決める要因に対する知識が事前になかったり測定が難しかったりするために、人間にとって「隠されて」いる場合があるためです。
今回の取り組み
まず、研究グループは日本の沿岸魚類の分布を調べるため、日本全国の沿岸528地点に及ぶ大規模な環境DNA調査を実施しました。環境DNA調査は少ない調査労力で多くの種を網羅的に検出できるという特徴があります。今回の調査では夏の3か月という短期間に各地点で採水を行い、全地点で合計1,220種もの沿岸魚種(複合種(注2)を含む)を検出することに成功しました(図1)。
次に、研究グループはこの環境DNA調査によって得られた生物分布情報のビッグデータを基に、日本の沿岸魚類の分布を決める要因を探ることにしました。一般的に、生物の分布を決める要因をデータから特定する際には、測定した環境変数が生物の分布を上手く説明できるかを統計的に調べます。しかし、測定できなかった環境変数に対してはそもそもそのようなアプローチをとることはできません。そこで、私たちは最先端のデータ解析手法を使って、多くの生物の分布情報から逆に測定できなかった「隠された」環境変数を見つけることにしました。これは、もし測定していない重要な環境変数が多くの生物の分布を決めているのであれば、多くの生物の分布に共通した特徴から隠された変数を見つけられるだろう、と考えられるからです。実際、このような隠された変数が存在することを想定して解析すると、沿岸魚類の分布をより上手く説明できるようになります。
このようなデータ解析によって見つけられた、2つの隠された変数を調べたところ、日本の沿岸魚類には5つの地理的境界線(注3)があることが分かりました(図2)。日本の沿岸魚類は境界線(B1~B5)を挟んで地域の生物の組成が変化します。例えば、屋久島近くに引かれる境界線(B1)は以前の研究では大隅線として報告されており、太くて流れの早い黒潮を横断できないために、近縁種が分かれて分布していることが知られています。また、それ以外の境界線(B2~B5)についても黒潮や親潮によって輸送されてきた魚類によって生物組成の変化が生じていると考えられました。総じて、日本周辺に流れる海流は、魚類を輸送したり、移動を妨げたり、生息しやすい環境を与えたり、異なる複数の働きによって日本沿岸の魚類相を形成していることが推察されました。
今後の展開
環境DNA技術は近年急速に発展しており、地域の生物相をモニタリングするツールとして注目されています。例えば、日本国内では環境DNAを利用した生物多様性観測網としてANEMONE(https://anemone.bio/)が始動しました。国際的にも「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ネイチャーポジティブ目標が採択されており、環境DNA技術に基づくモニタリングはますます重要になると考えられます。環境DNA調査と先端的なデータ解析手法を組み合わせることで、地域の生物多様性に関する理解を深め、将来の生物分布の予測に役立てることができると期待されます。
図1. 調査が行われた地点(左図)と各調査地で検出された種数(右図)。多い地点では一度の調査で118種もの魚種を検出しました。右図は箱ひげ図と呼ばれています。箱が四分位点を、中央の太線が中央値を表します。太線の位置によって各地域の種数を直感的に比較することができます。また、箱の大きさによって各地域内で種数がどのくらいばらついているかを調べることができます。
図2. 環境DNA調査から沿岸魚類の分布に影響していると推定された「隠された」変数。左図の変数1は主に暖流によって、右図の変数2は寒流によって魚類相が変化していると考えられます。赤い太線は生物の組成(生物相)が大きく変化する地理的境界線を表します。
【謝辞】
本研究は、科学技術振興機構(JST)「戦略的創造研究推進事業 CRESTプログラム(JPMJCR13A2)」および日本学術振興会(JSPS)「科学研究費助成事業(JP19H05641, JP20H03311, JP21H03651, JP21K15171)」の支援を受けて実施されました。また、本研究は文部科学省による「世界トップレベル研究拠点プログラム」に認定されたWPI-AIMEC(末尾注)の活動の一部として行っています。『東北大学2025年度オープンアクセス推進のためのAPC支援事業』 の支援を受け、本論文はオープンアクセスとなっています。
【用語説明】
注1. 環境DNAとは、生物から水や土壌、空気といった環境中に放出されたDNAのことで
す。環境中から環境DNAを集めて分析することで、少ない調査労力で環境中に存在
する多くの生物を網羅的に調査することができます。
注2. 複合種とは、本研究の文脈では属内の複数の種の集合のことをさします。DNAが類
似している近縁の種は、短い環境DNAから区別できず、複合種として扱われること
があります。
注3. 地理的境界線とは、生物群集の組成(生物相)が大きく変化する、海洋や陸地に引
かれる境界線のことをさします。
【論文情報】
タイトル:Large-scale environmental DNA survey reveals niche axes of a regional coastal fish community
著者:Yutaka Osada*, Masaki Miya*, Hitoshi Araki, Hideyuki Doi, Akihide Kasai, Reiji Masuda, Toshifumi Minamoto, Satoquo Seino, Teruhiko Takahara, Satoshi Yamamoto, Hiroki Yamanaka, Mitsuhiro Aizu-Hirano, Keiichi Fukaya, Takehiko Fukuchi, Ryo O. Gotoh, Masakazu Hori, Midori Iida, Tomohito Imaizumi, Tadashi Kajita, Takashi Kanbe, Tanaka Kenta, Yumi Kobayashi, Tomohiko Matsuura, Hiroki Mizumoto, Hiroyuki Motomura, Hiroaki Murakami, Kenji Nohara, Shin-ichiro Oka, Tetsuya Sado, Hiroshi Senou, Koichi Shibukawa, Tomoki Sunobe, Hiroshi Takahashi, Koji Takayama, Katsuhiko Tanaka, Hisashi Yamakawa, Satoru Yokoyama, Seokjin Yoon, Michio Kondoh*
*責任著者:
東北大学・海洋研究開発機構 変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)
准教授 長田 穣
元・千葉県立中央博物館
主席研究員 宮 正樹(現・早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 客員上級研究員)
東北大学生命科学研究科/変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)
教授 近藤 倫生
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/s41598-025-31307-4
URL:https://doi.org/10.1038/s41598-025-31307-4
【WPI-AIMEC(エイメック)とは】(https://wpi-aimec.jp/)
東北大学と海洋研究開発機構(JAMSTEC)が2024年に共同で設立した「変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)」は、気候変動や人間活動がもたらす環境の変化に対する海洋生態系の反応を解明し、その将来予測を目指す国際的な研究拠点です。
物理学・生態学・数理科学を融合させるアプローチのもと、地域から全地球までの海洋生態系の解析と予測に挑みます。得られた知見をもとに社会と対話し、持続可能な海洋と地球、人間社会の未来へ貢献していきます。
※WPI(世界トップレベル研究拠点プログラム):
文部科学省による平成19 年度開始の拠点形成事業で、研究力と国際研究環境を有する「世界から目に見える研究拠点」の形成を目的としています。
【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学・海洋研究開発機構
変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)
准教授 長田 穣
TEL: 022-795-6696
Email: yutaka.osada.e5@tohoku.ac.jp
公益財団法人かずさDNA研究所
遺伝子構造解析グループ
研究員 山川 央
TEL: 0438-52-3919
Email: yamakawa@kazusa.or.jp
(報道に関すること)
東北大学・海洋研究開発機構
変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)
研究推進企画部
特任准教授 飯田 綱規
TEL: 022-795-5620
Email: aimec-comm@grp.tohoku.ac.jp
千葉県立中央博物館 管理部企画調整課
TEL: 043-265-3111
Email: kouhou_cbm@mz.pref.chiba.lg.jp
北海道大学 社会共創部広報課
TEL: 011-706-2610
Email: jp-press@general.hokudai.ac.jp
京都大学 広報室 国際広報班
TEL: 075-753-5729 FAX:075-753-2094
Email: comms@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
神戸大学 総務部広報課
TEL: 078-803-5106
Email: ppr-kouhoushitsu@office.kobe-u.ac.jp
九州大学 広報課
TEL: 092-802-2130
Email: koho@jimu.kyushu-u.ac.jp
島根大学 企画部企画広報課 広報グループ
TEL: 0852-32-6603
Email: gad-koho@office.shimane-u.ac.jp
龍谷大学 研究部(生物多様性科学研究センター)
TEL: 077-543-7746
Email: ryukoku.biodiv@gmail.com
URL: https://biodiversity.ryukoku.ac.jp/
鹿児島大学 広報センター
TEL: 099-285-7035
Email: sbunsho@kuas.kagoshima-u.ac.jp
公益財団法人かずさDNA研究所
広報・教育支援グループ
TEL: 0438-52-3930
Email: kdri-kouhou@kazusa.or.jp
龍谷大学は、2023年12月15日に、本学のDX(デジタルトランスフォーメーション)への連携・共創を推進する目的で、ソフトバンクと包括連携協定を締結し、2024年度からは、連携事業の一環として「ハッカソン」を実施してきました。
第2回目となる2025年度は、龍谷大学・ソフトバンク・大津市との連携事業として「スマートシティ ハッカソン」を実施しました。
この度、「スマートシティ ハッカソン」の様子がわかる、参加学生へのインタビュー動画を公開いたしました。
参加学生が、熱心に議論している様子やソフトバンク本社で発表する堂々とした姿をご覧いただけます。
ぜひ、アクセスしてみてください。