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Environmental Protection / Energy Management

環境・エネルギーへの取り組み

ネイチャーポジティブ宣言

龍谷大学 ネイチャーポジティブ宣言

仏教に「衆生」という言葉があります。「生きているもの」という意味です。「すべての生きているもの」という「一切衆生」という語を仏教はとりわけ尊重します。古来、仏教は生きものの多様性に着眼していました。

地球上に生息する生きものの多様性と、生きもの同士の命の繋がりである生物多様性は、私たちの生活を支える基盤です。豊かな生物多様性は、食料や水、気候の安定等、生活に欠かせない様々なサービスをもたらします。しかし、私たち人間の諸活動により、その生物多様性が急速なスピードで失われつつあります。国連では新たな世界目標として、2030年までの「ネイチャーポジティブ」が明確に示され、それに向けた行動が私たち一人ひとりに求められています。地球の豊かな自然を次世代へ継承し、持続可能な社会の実現に向けて、今こそ私たちは自身の営みを省み、新たな行動に移していくことが重要と考えます。

龍谷大学では、自らを省みて他を利する「自省利他」の行動哲学を掲げ「仏教SDGs」を推進しており、教育・研究・社会貢献の各分野で生物多様性保全にかかる取り組みを展開してきました。また、龍谷の森をはじめ周辺に豊かな里山が広がる瀬田学舎や、「深草を森にする」というコンセプトのもと、森のキャンパスをめざす深草学舎はネイチャーポジティブに寄与するキャンパスです。これらは本学だからこその特色ある資源です。

現在、本学では、創立400周年を迎える2039年度末までを展開期間とする長期計画「龍谷大学基本構想400」を推進しています。本構想では、持続可能な社会の実現に寄与すべく、将来ビジョンとして「『まごころ~Magokoro~』ある市民を育み、新たな知と価値の創造を図ることで、あらゆる『壁』や『違い』を乗り越え、世界の平和に寄与するプラットフォームとなる」ことを標榜しています。

このような背景等を踏まえ、本学は、ネイチャーポジティブに資する取り組みの先導役を果たす局面に立っていると考えています。よって、持続可能な社会の実現と世界の平和に貢献すべく、ここに、龍谷大学ネイチャーポジティブ宣言を発出します。

<龍谷大学 ネイチャーポジティブ宣言>

  1. 仏教の観点から、教育研究活動を通じてネイチャーポジティブに寄与する人間を育成します
  2. 人文・社会科学から自然科学まで幅広い知見を有する大学として、ネイチャーポジティブにかかる研究成果を社会実装します
  3. 国・地方自治体・企業・NGO・NPO等と連携し、ネイチャーポジティブに向けた諸活動を推進するとともに、新たな価値創造に向けた取り組みを共創します
  4. これらの活動に留まることなく、自身の行動を省み、自然と共生する世界の実現に向けて取り組みます

2024年3月1日
龍谷大学 龍谷大学短期大学部
学長 入澤 崇

ネイチャーポジティブとは・・

ネイチャーポジティブとは、生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せることを意味します。2022年12月に開催された国連の「生物多様性条約第15 回締約国会議(COP15)」において、新たな世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、この中で、「ネイチャーポジティブ」の方向性が明確に示されました。国内においても、これに対応した戦略として、「生物多様性国家戦略 2023-2030」が 2023年3月末に閣議決定され、ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みが進められています。