アルコール摂取に関する注意喚起

本学学生で強制飲酒により急性アルコール中毒になった事例が過去にありました。今後このようなことがないように下記をよく読んで十分注意して下さい。

 これからの季節、アルコールに接する機会が多くなるかと思います。アルコールは飲み方や飲む量によっては「漢書」のいう『百薬の長』となりますが、一歩間違えると『万病の元(吉田兼好:百薬の長とは言えど、よろずの病は酒より起これ。)』となります。

 適量のアルコールは心身をリラックスさせ、コミュニケーションの輪を広げるのに役立ってくれるでしょう。しかし、羽目をはずすと、本人だけでなく周りにも迷惑をかけることになります。今回はちょっと耳の痛いお話を中心にお伝えしたいと思います。

それって、アルハラ!

アルコール・ハラスメント(略してアルハラ)の定義 (ASK:アルハラに関する日本の代表的な組織)
  1. 飲酒の強要。「俺の酒が飲めないのかーっ!」 
  2. イッキ飲ませ。
  3. 意図的な酔いつぶし。
  4. 飲めない人への配慮を欠くこと。
  5. 酔った上での迷惑行為。(「酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」の処罰の対象になります)

アルハラは人権侵害です。また、以下のような犯罪にあたることがあります。

  1. 脅したり暴力を加えるなどしてアルコールを強要・・・強要罪(刑法223条)
  2. 酔いつぶそうとする意図を持って飲酒させ、急性アルコール中毒にした・・・傷害罪(刑法204条)
  3. 誘い合わせて一緒に飲酒し、酔いつぶれた人に対し、生存に必要な保護をしなかった
    ・・・保護責任者遺棄罪(刑法218条)

(浅野晋弁護士監修:アルハラ ミニ法律学)

未成年者の飲酒について

日本では「未成年者飲酒禁止法」によって、20歳未満の飲酒が禁じられています。未成年者の飲酒を知りつつも制止しなかった親権者やその他の監督者は、科料を処せられ、酒類を販売・供与した事業営業者とその関係人は、罰金に処せられるのです。

 なぜ未成年者への飲酒が禁じられているのでしょう。年長者は軽い気持ちで「少しくらい」と勧めるのではなく、まずは禁じられている理由を知り、責任を担う立場であることを確認しましょう。

未成年者の飲酒が禁止されている理由

  • 脳の神経細胞を障害する。
     アルコールの浸透圧によって脳の中の水分が失われて縮んでしまう。特に脳細胞が作られている途中の未成年者で起こりやすく、集中力・記憶力が低下する。
  • 男らしさ、女らしさが妨げられる。
    性ホルモンの分泌が少なくなり、インポテンツ、月経不順になる可能性がある。
  • 急性アルコール中毒になる危険が高い。
    体内でアルコールを分解する仕組みが未熟であるため。
  • アルコール依存症になりやすい。
    アルコールも依存性の薬物で、習慣的に飲んでいれば誰でも依存症になる可能性があります。未成年者は心身が未発達な為、適度な飲酒をするという判断力、自己規制が充分といえません。その為習慣飲酒に踏み込みやすいのです。

イッキ飲みは危険です

 いけないと思いつつ、ついついノリで「イッキ飲み」をしてしまうことはありませんか?イッキ飲みによる急性アルコール中毒になるのは、お酒に慣れていない人だけではありません。体内のアルコール分解のサイクルを無視したお酒の飲み方は、お酒に強い人であっても急性アルコール中毒を招く危険があります。急性アルコール中毒になるかどうかは、体質ではなく飲んだアルコールの量(血中のアルコール量)と飲むスピードに比例するからです。アルコール量と体の変化をみてみましょう。

<血中アルコール濃度と酔いの状態>(改変:アルコール健康医学協会)
  血中濃度 酒  量 酔いの状態 脳への影響
爽快期 0.02〜0.04 ビール大1本まで
日本酒1合まで
ウイスキーシングル2杯まで
陽気、気分の高揚
皮膚が赤くなる
軽い酩酊 理性をつかさどる脳活動が低下し、本能や感情をつかさどる脳活動が活発になる。
ほろ酔い期 0.05〜0.10 ビール1〜2本
日本酒1〜2合
ウイスキーシングル3杯
手の動きが活発になる
体温上昇
脈が速くなる
理性が失われる
酩酊初期 0.11〜0.15 ビール3本
日本酒3合
ウイスキーダブル3杯
気が大きくなる
大声をだし怒りっぽくなる
立てばふらつく
酩酊期 0.16〜0.30 ビール4〜6本
日本酒4〜6合
ウイスキーダブル5杯
千鳥足
何度も同じことを話す
呼吸が速い
吐き気や嘔吐する
強い酩酊 大脳・小脳の活動が低下し、運動障害を起こす。
泥酔期 0.31〜0.50 ビール7〜10本
日本酒7合〜1升
ウイスキーボトル1本
まともに立てない
意識がはっきりしない
言語がめちゃくちゃ
麻痺 海馬(記憶の中枢)や脳幹などの機能が障害され意識が混濁し、記憶できない状態。
昏睡期 0.41〜0.50 ビール10本以上
日本酒1升以上
ウイスキーボトル1本以上
揺り動かしても起きない
大小便を垂れ流す
呼吸がゆっくり深い
死亡
障害が脳全体に広がり死の危険がある。(1〜2時間で約半数が死亡する)

 血中アルコール濃度は飲み始めてからピークに達するまで通常30〜60分かかります。酔いのピークが遅れてやってくるため、本人の自覚(酔ってきた)なしに危険な量を飲んでしまうことになり、一気に泥酔期や酩酊期(上表)に達してしまうのです。

 飲み始めてから1時間足らずで酔いつぶれている場合は即、病院へ運びましょう。

 泥酔している人を放置しないでください。生命への危険があります。

重 要

救急車が到着するまでに・・・

  • 1人にしない
  • 顔を横向きにして、吐物による窒息をさける
  • 衣服をゆるめる
  • 体温の低下を防ぐ

 お酒を飲める人も飲めない人も、楽しいひと時が過ごせるようにしましょうね。