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Ryukoku Strategic Plan 400

龍谷大学基本構想400

重点戦略

構想400の編成・事業推進にあたっては、特に重点的に取り組む事業として、以下の6点を「重点戦略」に位置づけ、事業全体の改革効果を高めるととともに、実効性のある将来計画とします。

これからの社会は、グローバル化のさらなる進展や情報技術の想像を超えた進化を遂げるでしょう。グローバル化した社会、AIが普及した社会、どのような社会であっても本学らしい教育を展開していきます。そうした取り組みを通じて「まごころ~Magokoro~」ある市民を育むこと、つまり、時代の変化の中でも価値創造を通じて、人類や社会の発展のために貢献でき、誰一人取り残さない社会形成の変革の担い手を育てていくことが必要です。そのためには、ジェネリックスキルに加えて、各学位課程教育の充実により、幅広い教養と深い専門性を育むことが求められます。さらに、教育改革の動向、基礎学力の多様化している学生の現状を見据え、「学修者中心」の学びの仕組みを構築していかなければなりません。これらの教育にかかる改革プロセスにおいては、学修の主体者である学生の意見に耳を傾けることができるよう、学生がその改革に主体的に参画する場を設けることとし、学生とともに協働して教学創造に取り組む学生目線による改革スキーム を構築することとします。

そこで「育むべき力とマインド」に掲げた3点を実現する全学を通底したコンピテンシー(リテラシー)スキルを涵養する取り組みを、正課及び正課外の教育プログラムとして整備していきます。具体的には、(1)「育むべき力とマインド」で変革と調和の取れた社会の担い手を育み、(2)長期目標に掲げる「長期目標①『まごころ~Magokoro~』ある市民を育むために、自省と対話を通じて、答えのない問いに向き合い続ける教育を展開する。」を実現するための改革を推進します。そのことによって、他大学との差別化に留まらず、本学の個性化がより明確になりブランドとポジションの確立に繋がっていくと考えます。

本学が、「2039年の将来ビジョン」に示されているように「まごころ~Magokoro~」ある市民を育み、世界平和の実現に寄与しようとするならば、グローバル戦略をどのように展開するかは、本学の今後にとって極めて重要な政策課題です。そこでは、国際交流の量的拡大をめざすだけでなく、それを実現しかつ教育的に意味あるものとするための組織体制や施設設備をも含めて、今後の展開を考える必要があります。

なお、受入留学生数、派遣留学生数、外国人教員比率、英語のみによる教育プログラムの開発、留学生向け日本語教育プログラムと組織の充実、協定校数の増大と連携の充実・強化、受け入れ施設の整備などの具体的な取り組みについては、別途、グローバル教育推進センターが中心になって、各教学主体と連携しつつ策定することとします。

大学の普遍的役割の実現、特徴や魅力の増大、さらには競争力の発揮など、そのすべての基盤をなすものが研究力です。現代の大学には、コレクティブ・インパクトを活用した研究遂行による社会への貢献と、それによる持続可能な社会の実現への的確な戦略が求められます。また、構想400の実現には国際水準の高い研究力が必要です。

本学に求められる研究の使命に対して、本学は、本学らしさ、本学だからこそ、という研究を実現することを通して、個性的で特色のある研究を育み強化していくことで応えていきます。全学を挙げた外部資金の取り込みを積極的に推し進め、研究成果の出ている研究へインセンティブ措置を図るなど、それぞれの研究の高度化と社会的評価の確立にも取り組むこととします。個々の研究の努力や成果が、本学の研究力の向上に結びつくよう、研究力の強化・支援策に重点的に取り組むこととします。

気候変動や環境破壊、世界的に進む格差社会、さらには紛争や貧困の問題などの人類全体の規模で生じている課題に対して、それを解決するためのスキームづくりに社会貢献の観点から本学が率先して取り組み、「新たな社会像」の構築をリードします。

そのために、本学の総力を結集させ、専門領域を問わず、分野横断的な多様な研究に取り組み、学外の諸団体(自治体や企業、NPO、NGOなど)との連携を図りながら、コレクティブ・インパクトを創出し、社会の変革をリードする価値の創造をめざします。

それらの活動を通じて、「SDGs」がめざす目標を実現し、長期的には世界の平和の実現に向けた取り組みを行います。

また、昨今、気候変動に伴う風水害が地域を問わず毎年のように発生し、また、地震も全国で頻発しています。国土の立地や地質、地形などの特性上、風水害や地震の影響が避けられない事情があります。このため、創立400周年までの20年間という長い時間軸に鑑みて、構想400の基盤に、このような災害リスクが常にあり得ることを念頭に置いた大学運営や地域社会との関わりを考え、地域とともに災害リスクに備え、それを乗り越える大学づくりにも取り組むこととします。

今日の課題や現代的ニーズは、教育や研究、あるいは教学部や学生部といった縦割りの組織や意思決定機構だけで対処できるものではなくなり、複合的な要因に対して、部局やライン横断的に課題解決に取り組まなければならないケースが増大しています。同時に、外部環境の厳しさや競合大学との競争的関係の激化によって、意思決定の質や精度が問われるようになり、機動的で迅速な判断も求められるようになりました。このことは、第5次長期計画において課題として顕在化し、総括に際しても、その部分の抜本的な対応が課題として認識されています。

ついては、構想400において、こうした時代の変化や複合的課題に柔軟に対応した事務機構や意思決定ラインを整備・改革するとともに、経営企画や財政など、法人として重要な経営課題や重点課題を専門に検討・意思決定する体制の整備に取り組み、組織運営と意思決定の高度化・迅速化に取り組むこととします。

構想400の諸事業・諸改革を通じて、大学としての充実に努めていくことになりますが、法人としても、新たに戦略を展開します。

例えば、付属平安中学校・高等学校との関係においては、校地校舎の相互利活用、高大接続の観点からの教育プログラムの融合など、多様な方策を講じるとともに、龍谷総合学園のスケールメリットを活かした方策を展開します。

また、関係校(龍谷総合学園)以外の他法人等との関係についても、可能性を含めた戦略を講じます。すなわち、国が政策誘導する大学間の合併、学部の譲渡など、今後、少子化の進行とともに予想される法人統合等の対策も、重点戦略として掲げることとします。