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龍谷大学付属平安高校の講堂で6月1日、同校教員を対象にした研修会に入澤崇・本学学長が登壇し、「仏教とSDGs(※1)」をテーマに講演。同校の教職員約80人が聞き入りました。

講演で入澤学長は、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に、近江商人の精神と仏教を連想したと紹介。「近江商人を特色づける『売り手よし、買い手よし、世間よし』の『三方よし』の理念のなかの『世間よし』の発想がSDGsの先駆とみることができ、この発想は仏教に由来する。『一切衆生の利益と安楽のために』という菩薩の誓願がまさしくそれで、一般社会にあっては、自己利益を優先する『小利』から社会に利益をもたらす『大利』へと意識を転換することが大事」と説明しました。

さらに「『人新世』(※2)という新たな概念が生まれる中、地球環境を守るために、今こそ人間中心主義や自己中心性からの脱却へ誘(いざな)う仏教の叡智が必要となる。自らのあり方を省み、他者への思いやりを発動する『自省利他』の精神を大切にしてもらいたい」と話しました。

また、SDGs実現に向けて、入澤学長は「人の意識と行動が変わらない限り、SDGsの達成はあり得ない。意識と行動を変えるには、価値観を変えなければならないし、そのためには教育を変え、習慣を変える必要がある。そのためにも、建学の精神である仏教教育がますます重要となる」と語り、「付属平安高校が建学の精神を実現する日常の心得として掲げる『ことばを大切に』『じかんを大切に』『いのちを大切に』を知ったときは非常に感銘を受けた。ぜひ、『仏教SDGs』の実践を平安高校から世界へ発信してもらいたい」と締めくくりました。

講演を終えた入澤学長は、若手教員を中心とする新カリキュラムの意見交換会にゲスト参加し、付属平安高校と本学との高大連携科目である『理数研究』の取り組みが2020年度龍谷ICT教育賞・学長賞を受賞したことに触れ、「平安高校の授業レベルが高いことが大学内に知れ渡ったのは非常にうれしいこと。若手の先生方で大いに議論し、高校教育を良い方向に導いてもらいたい」とエールを贈りました。

付属平安高校では、2022年度から実施される高等学校の新学習指導要領への対応に向けて、教育の軸となる「探究型学習」の内容などを今後深めていきます。

※1 Sustainable Development Goals(「持続可能な開発目標」)の略
※2 人類が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった時代


「自省利他」の精神について解説する入澤学長


付属平安高校の若手教員に向けてメッセージを贈る入澤学長(左奥)


【重要なお知らせ】

「龍谷大学 心の講座」第2回は、YouTubeでのライブ配信(6月19日13時~)、後日オンデマンド配信されます。


【第2回】6月19日(土)13時~
  久我 儼昭 師(浄土宗西山禅林寺派管長 総本山永観堂禅林寺法主、1975年文院了)
   「生かされて、今」    
  小林 エリコ 氏(作家・漫画家)
   「それでも わたしは生きるのだ
    〜精神障害、うつ病、生活保護を経験した私が伝えたいこと〜」

なお、7月31日(土)に開催される「龍谷大学 心の講座」第3回の一般の方の申込みは、6月30日(水)9時から開始します。
龍谷大学の卒業生の方については、複数回まとめてお申し込みいただけます。

こちらからお申込みください。

<お問い合わせ>
 宮川印刷㈱内 2021年度「龍谷大学 心の講座」事務局
 TEL:077-533-1241 (担当:今井・小峰)


本学における新型コロナウイルス感染者の発生状況についてお知らせします。

学生 5名

※ 当該学生のうち3名は、学内に入構していますが、学内における濃厚接触者はいないことが確認されています。
※ 感染が確認された方の一刻も早い回復を念じております。
※ 感染者やそのご家族の人権尊重・個人情報保護にご理解とご配慮をお願いします。
※ 本学では、引き続き感染予防の啓発と全学的な感染防止対策を講じてまいります。


「龍谷大学 心の講座」の第1回は、YouTubeでのライブ配信、後日オンデマンド配信となりました。

[第1回]5月29日(土)13時~
 ◆YouTubeによるライブ配信(無料) 

  
  第一講:英月 師(真宗佛光寺派大行寺住職)
      「私にかかわる見えないはたらき」
  第二講:山極 壽一 氏(京都大学名誉教授)
      「新型コロナの時代を生き抜くために―人間社会の由来と未来を考える―」
  
 ◆オンデマンド配信(無料)
  6月5日(土) 9時~ 6月14日(月) 9時まで 

  URL:オンデマンド配信はこちらから

※なお、第1回の申込みは終了しております。
 第二回目(6月19日開催)の一般の方対象の申込みは、すでに定員に達しましたので締切りとさせていただきます。
 龍谷大学卒業生の方については、第5回までの申込みが可能です。ホームページからお申込みください。
 「龍谷大学 心の講座」


【本件のポイント】

・先端技術「環境DNA分析」を用いて地域貢献を進めようとする活動

・「瀬切れ(※3)」前にアユがすでに遡上していたことをデータで確認(後に目視でも確認)

・環境中の生物データを密にとることで地域の課題や活動の方向性の参考にするという動きは、現在のところまだ少ない。分析データ提供で迅速に市民活動と生産が高度化される

 

【本件の概要】

 龍谷大学 先端理工学部 環境生態工学課程の山中裕樹 准教授(魚類生態学者)は、川や湖などの水からそこに棲む生態系を調査する『環境DNA分析』の技術開発と社会実装を進めています。本年4月2日より、滋賀県や東近江市の協力のもと、愛知川漁業協同組合、市民団体の愛知川の清流を守る会と連携調査を開始しました。4月2日の調査では下流部で1地点だけ、琵琶湖から遡上してきたと思われるアユのDNAが検出されました。その後、すでに下流部で「瀬切れ」が生じていた4月15日の調査において、瀬切れ部よりも上流側の複数地点でアユのDNAが検出されました。これにより、瀬切れが生じる前にアユが中流部まで遡上していたことを確認できました。

 

 本研究は2020年8月に予備調査を行いその結果を関係者に公表しています。2021年4月には東近江市長へ研究報告を行いました。今後も地元の期待を受けて「愛知川における各種魚類の季節的な分布の変化」の調査研究(4月から1年間。2週または1カ月に1回の頻度)を実施します。


調査用の採水はコップ1杯で可能


山中准教授 分析の様子

 愛知川を含めた琵琶湖周辺の河川には、琵琶湖からアユが遡上します。アユは滋賀県の代表的な食文化の一つであり、遊漁としても重要な資源です。そのアユの稚魚が成育する琵琶湖から河川への遡上経路が「瀬切れ」によって寸断されることが問題となっています。本研究はこのような背景のもと「瀬切れ」に注目して調査研究を行い、そのデータを関係者へ提供することで環境保全や水産業への活用を推進しています。
 本研究により、漁業者にとっては河川の水量変化がどのように水産有用種(特にアユ)の移動に影響をしているのかを可視化できるなど、アユなどの生き物でにぎわう川づくりを考える上で重要な科学的なデータを得ることが期待されます。また、どの時期にどこまでアユが遡上しているのかをつかみ、アユが釣り場にたどり着く放流方法を見つける等の具体的な活用法も見据えています。
 近年は各種魚類の漁獲量の大幅減少や生物多様性の劣化が問題視され、生き物と環境の繋がりのメカニズム解明に向けた研究が求められています。これまでの生態系調査では、投網を投げ、たも網ですくい、もんどりを仕掛ける等、非常に労力が大きいやり方と、外見から種を判別する専門性が必要でした。しかし「環境DNA分析」ならコップ1杯の水を汲むだけで、その中にある生物からこぼれ落ちたDNAの配列を分析し、データベースと照合することで特定できます。希少種の個体を傷つけることなく、また生物が獲れない見えない箇所の調査もできるという利点があります。
 本研究では主眼を置いているアユのみならず、琵琶湖と河川を行き来する魚類を網羅的に分析することで、「瀬切れ」が生き物の移動に与える影響を可視化して、地域振興に役立つ方法を関係者とともに模索していきます。


※1 環境DNA分析:水中に漂っているDNAを回収・分析して生息している種を推定するという先端技術。魚類等の大型生物を対象としてここ10年ほどで急激に技術的発展を遂げています。生物を捕獲することなく「水から」検出できる簡便さから、生物多様性の観測や水産資源の管理に革命をもたらし、一般社団法人環境DNA学会が設立されるなど社会実装に向けた動きが進んでいます。

※2 愛知川(えちがわ):滋賀県東部・湖東地域の一級河川。春季から秋季にかけて一時的に流れが途中で無くなる「瀬切れ」が発生する。愛知川では「瀬切れ」により、アユやビワマスの遡上が阻害されていると言われている。

※3 瀬切れ:河川の流量が少ない渇水時に、水が河床の砂礫内を流れてしまい、表面に水が流れていない状態(魚の移動は不可能)。


【調査実施組織および問い合わせ先】
●龍谷大学先端理工学部 環境生態工学課程 准教授
 龍谷大学生物多様性科学研究センター センター長      山中 裕樹(やまなか ひろき)
 TEL   077-544-7113    Mail yamanaka@rins.ryukoku.ac.jp
 URL http://edna-lab.org/(山中研究室HP)
    https://biodiversity.ryukoku.ac.jp/(生物多様性科学研究センターHP)
●愛知川漁業協同組合  http://www.s3.x0.com/kumiai.html
●愛知川の清流を守る会 http://www.eonet.ne.jp/~echigawa-gyokyo/index.html

【協力機関】
●滋賀県琵琶湖環境部
●滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
●東近江市企画部総合政策課森と水政策室


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