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Volunteer NPO Center

ボランティア・NPO活動センター

センターからのメッセージ

センター20周年を迎えて
〜ボランティアがいない社会の危険性〜

ボランティア・NPO活動センター長 筒井のり子

時折、「ボランティア活動の目標はボランティアがいなくなること」「ボランティアがいない社会をめざそう」といった表現に出会うことがあります。

前者は、ある問題状況を改善・解決するために先駆的にボランティアとして活動している場合、自分たちの活動によって状況が改善・解決されると、自分たちが活動する必要がなくなる、それをめざそうという意味でしょう。自分たちの組織を維持するためだけの活動というのは本末転倒だ、という批判も含めて使われることが多いように思います。

後者は、特別に「ボランティア」と言わなくても、誰もが人権意識を持ち、困った状況にある人を自然に手助けできるような社会が理想ということを表しているのでしょう。

さて、皆さんはどう思われますか?

私の答えは、“yes and no”(そうとも言えるし、そうでないとも言える)です。なぜ、NOなのか?

それは、私たちが暮らす社会の中で解決すべき問題は無数に存在する上に、次から次へと新しく生まれているからです。例えば、自然災害もそうですし、今まさに全世界が直面している新型コロナウィルス感染症もその一つです。つい数ヶ月前、このような事態が起きると誰が予想したでしょう。感染拡大に伴ってこれから様々な困難に見舞われる人々や地域が出てくるはずです。そしてその状況に対して「ほっとけない」と支援活動を始めるボランティアもきっと出てくるはずです。

また、悲しいことですが、人間は誰しも(私自身も)“潜在的な偏見”というものを持っています。人種差別、ハンセン病患者への差別、東日本大震災による東京電力福島第一原発事故で福島から避難した人たちに対する差別など、これまた常に“新しい差別”が発生してしまいます。だから、差別や偏見に立ち向かおうとするボランティアの存在は、人間社会において永遠に必要であり続けるのです。

ボランティアがいない社会・・・新たに発生する生活困難の解決のために声をあげる人がいない社会。常に自分の中の人権意識を研ぎ澄まし、異なる人々を排除せずとともに生きていくことを実践する人がいない社会。それは、とてももろく危うい社会です。

本学ボランティア・NPO活動センターは2021年に設立20周年を迎えました。もろく危うい社会ではなく、土台のしっかりした共生社会を作っていくために、これからもますます学生や教職員のボランティア活動への参加支援やNPOや地域団体との連携を進めていきたいと思います。ご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。

ボランティア・NPO活動センター長
筒井 のり子