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Volunteer NPO Center

ボランティア・NPO活動センター

センターからのメッセージ

「災間」の時代におけるボランティアの役割

2023年4月1日

ボランティア・NPO活動センター長 石原凌河

本年度から本学ボランティア・NPO活動センター長を務めます政策学部教員の石原凌河と申します。本学ボランティア・NPO活動センターは20年以上前から設立された他大学と比べても伝統のある大学ボランティアセンターです。これまでの実績を活かしながら、龍谷大学だからこそできる真に必要な支援やボランティアのあり方について、学生やスタッフの方々と共に実践しながら考えていきたいと思います。

さて、私たちがいま生きている社会では、頻発する自然災害、新型コロナウイルス感染症、ロシアによるウクライナ侵攻など実に様々な危機に見舞われ、困難に直面しています。民俗学者の赤坂憲雄氏は、災害・危機が頻発し、多くの犠牲が生じるという不条理な社会の様相を、さまざまな災いと災いの間、つまり「災間」の時代であると指摘しています。危機が多発する「災間」の時代において、被災者に向けて支援の手を差し伸べるボランティアが益々求められているのではないでしょうか。貧困、過疎化、地域コミュニティの希薄化など様々な社会的課題が山積する中で、平時においても様々な領域においてボランティアが果たす役割が一層高まっていると思います。

グローバル化の進展、情報通信技術の発達、新自由主義経済の台頭などにより、私たちの社会は確かに便利になりました。しかし、効率性や合理性を重視した便利な社会と引き換えに、前述したような様々な危機や社会的課題が生じるようになり、その結果として、社会から取り残された人々も多く出てしまうようになりました。こうした人々の声に真摯に耳を傾け、その声を社会へ発信していく。そして、オルタナティブな社会を創造していく。このこともボランティアだからこそできる役割だと思うのです。

少々小難しい話をしましたが、結局は社会を変える源泉は私たちの想いであり、その想いが行動化されたものがボランティアではないでしょうか。なので、「ボランティアをやってみたい!」や「地域や社会をより良くしたい!」という想いを少しでも持った方々は、ぜひ当センターへ気軽にお越しください。社会をより良くする第一歩を共に踏み出しましょう。

ボランティア一人ひとりの想いの集積が「災間」の時代をしなやかに生き抜く原動力となるはずです。

ボランティア・NPO活動センター長
石原 凌河