はじめに、歌を一首、紹介しましょう。
人の持てる長さは言はで
短さをただ言ひちらす人のみじかさ
これは京都女子大学の創設者の一人である
和里子さんは、龍谷大学の第5代学長を務められた
この歌にもあるように、私たちは他人の長所を
他人の悪いところはよく目につきますが、自分の悪いところはなかなか気づかないものです。他人の悪い噂は、たとえそれが嘘であっても面白いものです。逆に、自分の噂は、それが本当であっても不愉快な気持ちになります。私たちは、ずいぶんと自分勝手ですね。
そんな私たちですから、自身の欠点を知るためには、まわりの人たちの言葉をよく聞かなければなりません。しかし、私たちは自分の欠点を指摘されると、瞬時にカッとなってしまいます。どうしたらよいのでしょう。
ここでもう一つ、和里子さんの歌をご紹介しましょう。
をしえ子を さとすことばに おのれ
さとさるる身の はづかしさかな
これは、教育者として教え子を
これから出遇う人……。多くの人と、多くの言葉を交わしてください。時には立ち止まり、ふり返りながら、少しずつ前を向けば良いと思います。
わが身をかえりみる、内省することを通して、初めて人は成長できるのです。
多くの良い出遇いを念じています。