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早川 明 本学短期大学部 社会福祉学科講師、犯罪学研究センター「ギャンブル障害ユニット」ユニット長

早川 明 本学短期大学部 社会福祉学科講師、犯罪学研究センター「ギャンブル障害ユニット」ユニット長


早川 明(はやかわ あきら)
本学短期大学部 社会福祉学科講師、犯罪学研究センターギャンブル障害ユニット」ユニット長
<プロフィール>
ソーシャルワークに関する諸問題について研究。高齢者のメンタルヘルスやソーシャルワークの専門性、地域福祉推進に向けた基礎的研究のほか、保健医療福祉系大学の教養教育、ギャンブル障害の現状と課題についての論文等を執筆。

ギャンブル障害についての予防対策を考える
ギャンブルをやめたいのに、自分ではその衝動を抑えることができない。ギャンブル障害は、アルコールや薬物問題などの「物質関連障害」に加え、脳の報酬系に作用する「非物質関連障害」であることがわかっています。
私が本研究を始めたのは、ソーシャルワーカーとして参加したギャンブルの依存症問題を考える研修会で違和感を覚えたことがきっかけでした。当事者や医療従事者の話が治療への取り組み、その結果にばかり終始しており、予防的な話があまりなされていなかったのです。そこで、国内ではどのような先行研究がなされているのかを調べてみると、そもそも研究数もわずかで、「予防的介入プログラム」はほぼ存在しませんでした。
パチンコにパチスロ、競馬、競輪……ギャンブルの場は近年レジャー化が進み、より身近な存在になりつつあります。ちょっとした娯楽のつもりでもギャンブルに依存してしまうと、本人にもその家族にも深刻な影響を及ぼします。ギャンブル障害は、近年重大な社会問題となっている、自殺と多重債務の原因の一つにも挙げられるのです。国の方針では、依存対策としてギャンブル・薬物・アルコールに取り組むことになっています。しかし、文部科学省の学習指導要領は、飲酒や喫煙、薬物乱用に関する予防指導の記載はあるもの、ギャンブルに関しては明記されていません。つまり、国内での実態把握や知見が不十分で、予防教育(リスク教育)が確立されていないのです。ギャンブル障害に苦しむ人を減らすためにも、社会福祉の観点による「予防的介入プログラム」の開発が急務であると感じました。


依存傾向と生活への満足感を比較検証
厚生労働省の発表では、「ギャンブル経験者がギャンブルを始めた年齢は主に10代後半から20代」と記載されています。大学生はまさにその年代が混在する集団で、特に街中に店舗があるパチンコ、パチスロは、最初にギャンブルを経験する場所としてのハードルが低いといえます。実は私自身、学生時代にパチンコにはまり、学業がおろそかになってしまった苦い経験があります。もしも予防教育を受けていれば、もっと慎重になっていたのではないか…。自身が教鞭を執る立場になった今、学生たちに同じ過ちを繰り返して欲しくないという思いが強く、この研究を進めるモチベーションになっています。
しかし、とりわけ大学生くらいの若年層を対象とした実態調査は、先行事例がほとんどありません。そのため、まずは先行研究の分析をもとに、龍谷大学短期大学部の全学生を対象として実態把握のための調査を実施します。使用するのは「日本語修正版SOGS」と呼ばれる依存症の判定テストです。さらに予防的介入プログラム開発のために、主観的な健康観や幸福感、ソーシャルサポートの存在など、生活に対する満足感を測る調査項目も付加し、それらの結果から関連性を考察していきます。私の仮説は、「自分が健康だと思っている人は依存のリスクが低く、反対に健康観や幸福感が満たされていない、または孤独や孤立を感じている人がギャンブルに依存しがちなのではないか」というものです。これが実証されたならば、効果的な予防教育、また未然ケアシステムを構築する上で重要なファクターになるはずです。


この研究をソーシャルアクションの土台に
「Responsible Gambling(責任あるギャンブル)」という言葉に示されるように、危険だからといってギャンブルをただ抑圧するのではなく、「ギャンブルは危険性をはらんだ娯楽である」という啓発が欠かせません。他国では、青少年に対してギャンブルの定義や危険性、金銭的な弊害、健康への悪影響などを理解できるように基礎教育を行っているのが一般的ですが、日本ではギャンブルに関するリスク教育が、まだまだ不十分なのが実情です。
社会福祉という観点で見れば、国や自治体による政策の整備はもちろん、学校での予防教育や職場での啓発、ソーシャルワーカーの活躍など、一人で悩ませない社会の枠組みづくりが欠かせません。「ソーシャルアクション」を起こすために、本研究で予防的知見を積み重ねていきたいと考えています。今後はソーシャルワーカーや医療従事者のみならず、ギャンブル業界の方とも情報交換していくことを計画する必要があります。また、犯罪学研究センターには少年の非行に関する調査を行うユニットや、保育と非行予防に関する研究を行っているユニットもあります。非行や喫煙問題とギャンブル障害の関連性も検証していきたいので、ぜひご意見をうかがってみたいですね。
そして、本研究をはじめとしてギャンブル障害に関する知見が蓄積されることで、社会が一体となったケアが築かれていくことを期待しています。



 文学部教授の浦西 勉 先生が2019年3月末日をもって、退職されることになりました。
 退職記念最終講義および浦西勉先生慰労会・同窓会・親睦会を次のとおり開催されました。最終講義では、ご専門の仏教民俗史研究を振り返るとともに代表的業績となった吉野地方における山村社会における仏教と神道の関係史を紹介、大学における博物館実習のご苦労話も談話されました。そして、同窓会・親睦会では、仏教史学、文化遺産学をはじめとする教員・学生の現役・OB約120名が一堂に集い、先生のご退職を慰労し、お祝いしました。

                記

【文学部教授 浦西 勉 先生 ご退職記念最終講義】
  1.日 時 : 2019年1月18日(金) 16時00分~
  2.場 所 : 龍谷大学大宮学舎 大宮本館2階大講堂
  3.講 題 : 「仏教民俗学としての地域文化史
          ―奈良県吉野地方の山村社会から―」
  4.講 師 : 浦西 勉 文学部 教授
  5.参 考 : 浦西 勉 教授の研究内容
 
           (当日のスケジュール)
      16:00~ 浦西勉先生最終講義
            演題:仏教民俗学としての地域文化史
               ―奈良県吉野地方の山村社会から―
            場所:龍谷大学大宮学舎 本館2階大講堂
           
      17:30~ 浦西勉先生慰労会・同窓会・親睦会
            場所:龍谷大学大宮学舎 清和館2階
      









企画メンバーで司会も行いました(第1回)


体験談を語っています(第1回)


意見交換の様子(第2回)


どんな意見が出たか司会進行学生がインタビュー(第2回)

 2011年から毎年継続している東日本大震災復興支援ボランティア。ここ2~3年の間に参加した学生スタッフ達が、その活動を通して見たものや聴いたこと、感じたことを同じ龍大生に伝え、復興の現状や防災・減災について一緒に考えていくためのワークショップを以下の通り開催し、両日で約60名の参加がありました。
 ワークショップでは、少しでも多くの人に自分たちが活動を通して出会ったこと、考えたこと等をお話すると共に、災害時の難しい選択肢を前に決断をすることを疑似体験できる『クロスロード』という技法を通して、万が一の時にどう動くか?等について考えました。

■第1回ワークショップ:2019年1月15日(木)@深草キャンパス和顔館B106教室
 「東日本大震災の時どうしてた?」「大阪北部地震の時は?」等をグループごとで話し合った後、クロスロードで「こんなときどう判断する?」を話し合い、「なぜ、この企画を実施したのか?」について、企画メンバーの代表が自身のボランティア体験談などを交えながら話をしました。

■第2回ワークショップ:2019年1月18日(金)@深草キャンパス和顔館B203教室
 地道な広報活動もあって、第1回目に比べ3倍以上の学生に参加してもらうことができました。1回めと2回めでクロスロードの問題やボランティア体験のスピーチをする学生を変えているため、連続して参加してくれる人もいました。

 企画メンバーの学生スタッフたちは、『自分たちが活動先で教わったこと、気づいたこと、復興の現状などを自分たちの記憶の中にとどめるのではなく、一人でも多くの人にシェアすることによって、防災・減災につなげていきたい』との願いからこのワークショップを企画し、何か月も前から悩みに悩んでこの日を迎えました。
 ワークショップは終わりましたが、震災に関する展示を深草キャンパス和顔館ギャラリーにて1月29日(火)まで行っておりますので、ぜひ、足をお運びください。


クロスロードの説明(第2回)


感じたこと、考えたことを静かに熱く語りました(第2回)


1/29まで和顔館ギャラリーにて展示も開催しています。


選りすぐりの写真を展示しています。
ぜひご覧ください。


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