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2019年2月2日、龍谷大学 犯罪学研究センターは、エビデンスに基づいた犯罪対策の重要性やその実践と成果をテーマにしたシンポジウムを、本学深草キャンパス 22号館104教室で開催し、約60名が参加しました。
今回の基調講演には、アメリカを中心に活躍し、エビデンスに基づく犯罪対策、特に警察活動による犯罪予防分野の第一人者であるLorraine Mazerolle(ロレイン・マッツェロール)教授をお招きしました。
【イベント概要>>】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-2955.html


石塚伸一 本学法学部教授(犯罪学研究センター長)

石塚伸一 本学法学部教授(犯罪学研究センター長)

はじめに、石塚伸一 本学法学部教授(犯罪学研究センター長)より挨拶がありました。近ごろの厚生労働省の毎月勤労統計不正調査問題を引き合いに出し、日本の政策決定の多くが書類ベースである状況で、調査自体が科学的かどうかを検証するアプローチが乏しい点に言及しました。その上で、「社会科学、とりわけ犯罪学においては、情報を集めるプロセス自体が科学評価の対象になるような方向に進んで欲しい」と展望を述べました。

つづいて、浜井浩一 本学法学部教授(犯罪学研究センター 国際部門長・政策評価ユニット長)が今回の企画趣旨を説明しました。「日本の刑事政策に最も不足しているのがエビデンスに基づいた政策立案である。エビデンスによると、刑罰信仰に基づく犯罪対策よりも、対人支援に基づく刑事政策の方がはるかに効果が高いということが明らかになっている」と発議しました。そして現在、政策評価ユニットが日本語版の情報発信に取り組んでいる国際研究プロジェクト「キャンベル共同計画」について紹介しました。


Lorraine Mazerolle(ロレイン・マッツェロール)教授

Lorraine Mazerolle(ロレイン・マッツェロール)教授

キャンベル共同計画は「政策立案者がエビデンスに則った判断ができること」を目的に掲げる、科学的エビデンスの構築と共有を行う非営利の研究ネットワークです。
マッツェロール教授による基調講演では、冒頭に「キャンベル共同計画の中核となる考えは、害を与えないということ(NO HARM)です。従って、犯罪に対する司法(警察・裁判所・矯正施設等)の介入が有害であってはならない。私たちは社会に害を与えることなく、犯罪の減少に繋がるような介入を目指している」という基本姿勢が示されました。

キャンベル共同計画のHPに掲載されているのは、大きく3種のコンテンツです。①厳密な統計的手法によって検証した結果を記した「系統的レビュー」、②その検証手順を示した「プロトコル」、③目的と結果を簡略に記した「抄録」によって構成されています。また、それらがどのように作成されるのか、どのような査読を経てHPの掲載に至ったのかについても言及しました。


参照:The Campbell Collaboration公式HP https://campbellcollaboration.org

参照:The Campbell Collaboration公式HP https://campbellcollaboration.org


実証的な研究の一例として「Third Party Policing(第三者警察活動)」が取り上げられました。これは警察組織のみが治安対策を行うのではなく、住民組織や地域の事業者、学校等と協働で問題の対応にあたるというものです。マッツェロール教授は、介入を行った地区とそうではない地区の比較研究等を通じて、新しい警察活動の潮流を紹介しました。

そして、「私たちの包括的なミッションは前向きで社会的な変革を促していくこと。そのために、十分な情報を得た上で系統的レビューを出版する等成果を発信していくことが必要です。その結果として、効果的な政策決定や介入が行われることを目指しています」と強調し、講演を終えました。


浜井浩一 本学法学部教授(犯罪学研究センター 国際部門長・政策評価ユニット長)

浜井浩一 本学法学部教授(犯罪学研究センター 国際部門長・政策評価ユニット長)

午後の部では、「キャンベル共同計画の成果(キャンベル共同計画日本語HPから):効果的な犯罪予防・犯罪者処遇(再犯防止)において何が、どこまで明らかとなっているのか」をテーマに、浜井教授による発表が行われました。
犯罪学研究センターでは、日本の刑事政策が置かれた状況を打破し、科学的な犯罪対策を推進するため、研究プロジェクトの中に「政策評価」ユニットを設けました。

このユニットでは、キャンベル共同計画に協力し、同計画が作り出してきた犯罪防止や再犯防止といった犯罪学分野における効果的な介入に関する科学的エビデンス(系統的レビュー)を日本語に翻訳し、センター内のHP等を通して広く配布することで、関係する学会、行政、立法府に対して情報提供を行っています。


(参照:犯罪学研究センターHP >キャンベル計画 https://crimrc.ryukoku.ac.jp/campbell/)

(参照:犯罪学研究センターHP >キャンベル計画 https://crimrc.ryukoku.ac.jp/campbell/)


「キャンベル共同計画 日本語版」で発信してきた多数の系統的レビューの一例として、『防犯カメラの監視:犯罪抑止効果』を取り上げ、「防犯カメラの有効性は、設置場所によって異なる。監視は駐車場での防犯には有効だが、市街中心部、公営住宅や公共の交通機関においては効果が薄い」、加えて「防犯カメラは街灯の明るさ等、特定の状況とあわせて活用することが必要」といった結果を紹介しました。
また、本学でも防犯カメラの設置に向けた検討が行われた際に、このようなエビデンスに基づいた知見が紹介*される機会がありました。

*【関連記事>>】防犯カメラと防犯意識向上にかかる研修会を開催(石塚教授)
- 【関連情報>>】「キャンベル共同計画 日本語版」刑事司法ライブラリ
- 【関連情報>>】抄録『防犯カメラの監視:犯罪抑止効果』PDF


いろいろなエビデンスを紹介した上で、効果があった政策・対策は「社会的包摂」※1に基づくものであると指摘しました。その上で浜井教授は、犯罪学研究センターが掲げる「人にやさしい犯罪学」に立ち返り、あらためて従来の刑事政策決定のあり方に疑問を呈しました。

浜井教授の発表につづいて、政策評価ユニットの研究メンバーより、「Evidence and Implementation Summit」への参加を通じて、「エビデンスに基づいた政策の国際的潮流」について発表が行われました。


岡邊 健(京都大学大学院教育学研究科・准教授)

岡邊 健(京都大学大学院教育学研究科・准教授)


相澤 育郎(立命館グローバルイノベーション研究機構・専門研究員)

相澤 育郎(立命館グローバルイノベーション研究機構・専門研究員)


津島昌弘 本学社会学部教授(犯罪学研究センター 研究部部門長)

津島昌弘 本学社会学部教授(犯罪学研究センター 研究部部門長)

 
さいごに、津島昌弘 本学社会学部教授(犯罪学研究センター 研究部部門長)は、エビデンスに基づく政策決定の重要性とその実践の難しさにもふれ、閉会の辞を述べました。

本シンポジウムは、エビデンスに基づく政策決定の重要性、そして社会実装について考える有意義な機会となりました。政策評価ユニットでは、ひきつづき、日本におけるエビデンスに基づいた犯罪対策の確立を目指して、研究活動を進めていきます。

________________________________________
補注:
※1 「社会的包摂」(英: social inclusion)
社会的に弱い立場にある人々を含めた市民ひとりひとりを、排除や摩擦、孤独や孤立から援護し、社会(地域社会)の一員として取り込み、互いに支え合う考え方のこと。


社会学部コミュニティマネジメント学科准教授の笠井賢紀先生が、今年度末をもって7年間に亘り教鞭をとられた龍谷大学を退職されます。
それを記念し、2019年2月16日(土)に笠井ゼミ同窓会主催で、退職記念講演が行われました。
笠井ゼミ同窓生や教職員に留まらず、地域の方など参加者は多岐に亘り、参加者には飲み物や滋賀の銘菓が振る舞われ、小さい子どもも歓迎されるなど、温かい笠井ゼミらしい準備がなされておりました。

講演では、笠井先生が龍谷大学7年間の研究と実践を振り返られ、「人の話を聞く専門家」としての笠井先生を垣間見ることができました。
“語りから未来を紡ぐ”笠井先生の、今後の活躍を期待しております。

詳細ページは、こちらをご覧ください。
pl-pl.facebook.com/events/550152332114288/


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講演の様子


花束贈呈


講演会参加者集合写真


【本件のポイント】
・「浄土真宗の精神」を「建学の精神」とし、農学部を有する龍谷大学ならではの研究
・「お斎」が「和食文化」としてどのように人々の生活や地域社会に根付き現在まで受け継がれてきたのかを発表

 2015年4月に開設した農学部では「いのち」を支える「食」や「農」に関する歴史・文化や地域社会が直面する課題等、さまざまな分野にわたって研究に取り組んでいます。今回は、日本の和食文化の一つとして浄土真宗の寺院において法要・行事後に会食として参会者に提供している「お斎」を取り上げます。「お斎」がどのように人々の生活や地域社会に根付き、現在まで受け継がれてきたのかを、下記のとおり「和食文化学会」第1回研究大会において、研究発表します。龍谷大学は1639(寛永16)年に浄土真宗本願寺派の教育機関である「学寮」として創立し、これまで、「浄土真宗の精神」を「建学の精神」として教育研究に取り組んできたことから、龍谷大学ならではの研究といえます。

日   時  
 2019年2月24日(日) 9:50~
 ※2月23日(土)・24(日)の2日間 「和食文化学会」第1回研究大会が開催され、その大会の中の2月24日(日)の口頭発表内で行います。

場   所 
 京都府立京都学・歴彩館(住所:京都市左京区下鴨半木町1-29)

発 表 者  
 農学部食料農業システム学科 4年生 橋本 翠
 農学部食料農業システム学科 教授 末原 達郎
 農学部資源生物科学科 助教 玉井 鉄宗

備   考
 当研究に関する内容はこちらからもご覧いただけます。

 食と農の楽しさを伝えるWEBマガジン<https://mog-lab.com/2019/01/post-72.html


問い合わせ先 : 農学部教務課 糸井  Tel 077-544-7279


日本学生支援機構奨学金【貸与・給付】及び龍谷大学給付奨学金(家計奨学金)【給付】の申込説明会を次のとおり開催します。下記の注意事項を確認し、該当者は必ず説明会に参加してください。
所定の日程に参加できない場合は、他学部・研究科の日程に参加してください。なお、学部と大学院では説明、配布書類が異なりますので、必ず説明会場で申し出るようにしてください。

出願書類はこの奨学金申込説明会以外では配布しません。
申請書類の受付日程は、説明会時にお知らせします。

※詳細については、説明会で使用する『奨学金ガイドブック』・日本学生支援機構『奨学金を希望する皆さんへ』をご覧ください。


【説明会参加対象】


■龍谷大学給付奨学金(家計奨学金)の申請を希望する者。


■日本学生支援機構奨学金の貸与を希望し、次のいずれかに該当する者。


  • ●現在奨学金を貸与しておらず、新たに貸与を希望する者
  • ●現在貸与している貸与種別の変更を希望する者
  • (例)第二種奨学金を貸与中 ⇒ 第一種奨学金への変更を希望
  •    第一種奨学金を貸与中 ⇒ 第二種奨学金への変更を希望

  • ●現在貸与している貸与種別にもう一方の貸与種別追加を希望する者
  • (例)第一種奨学金のみの貸与 ⇒ 第一種奨学金と第二種奨学金の両方を貸与希望
  •    第二種奨学金のみの貸与 ⇒ 第二種奨学金と第一種奨学金の両方を貸与希望

  • ●予約採用となった貸与種別の変更を希望する者
     (予約採用候補者対象の説明会にも出席が必要です)
  • (例)第二種奨学金の予約採用 ⇒ 第一種奨学金への変更を希望
  •    第一種奨学金の予約採用 ⇒ 第二種奨学金への変更を希望

  • ●予約採用となった貸与種別にもう一方の貸与種別の追加を希望する者
     (予約採用候補者対象の説明会にも出席が必要です)
  • (例)第一種奨学金のみの予約採用 ⇒ 第一種奨学金と第二種奨学金の両方を貸与希望
  •    第二種奨学金のみの予約採用 ⇒ 第二種奨学金と第一種奨学金の両方を貸与希望

予約採用候補者 説明会日程はこちら


【説明会日程】


大宮キャンパス

対象学部・研究科対象年次開催日時場所
文学部
文学研究科
学部:新3年生以上
研究科:新2年生以上
3月19日(火)13:00 ~ 14:00東黌
101教室


深草キャンパス

対象学部・研究科対象年次開催日時場所その他
文学部
経済学部
経営学部
法学部
政策学部
国際文化学部
国際学部
短期大学部
新2年生以上3月18日(月)9:00 ~
10:00
3号館
202教室
 
経営学部
政策学部
短期大学部
新入生(1年生)
※編転入・再入学含む
4月3日(水)15:15 ~
16:15
和顔館
B201教室
新入生は、奨学金ガイドブック(入学式当日に配布)を必ず持参してください
国際学部新入生(1年生)
※編転入・再入学含む
4月4日(木)9:30 ~
10:30
和顔館
B201教室
文学部新入生(1年生)
※編転入・再入学含む
4月4日(木)13:00 ~
14:00
和顔館
B201教室
新入生は、奨学金ガイドブック(入学式当日に配布)を必ず持参してください
経済学部
法学部
新入生(1年生)
※編転入・再入学含む
4月5日(金)13:00 ~
14:00
22号館
301教室
大学院全研究科全学年4月5日(金)15:45 ~
16:45
22号館
301教室
新入生は、奨学金ガイドブック(入学式当日に配布)を必ず持参してください


瀬田キャンパス

対象学部・研究科対象年次開催日時場所その他
理工学部
社会学部
農学部
新2年生以上3月18日(月)①12:45 ~
13:45
②16:00 ~
17:00
(どちらか
に参加)
4号館
209教室
 
理工学部
社会学部
新入生(1年生)
※編転入・再入学含む
4月5日(金)16:30 ~
17:30
4号館
209教室
新入生は、奨学金ガイドブック(入学式当日に配布)を必ず持参してください
農学部新入生(1年生)
※編転入・再入学含む
4月5日(金)12:50 ~
13:50
4号館
209教室
大学院全研究科全学年 4月5日(金)14:00 ~
14:45
4号館
217教室
新入生は、奨学金ガイドブック(入学式当日に配布)を必ず持参してください


 2月19日(火)、瀬田キャンパスにて、第7回 REC BIZ-NET研究会「土壌汚染に立ち向かう農業」を開催しました。
本研究会は、本学農学部 森泉 美穂子 教授がコーディネーターとなり、国立研究開発法人(農業・食品産業技術総合研究機構)、民間企業等の汚染物質の低減技術の開発に携わってこられた方をお招きし、農地における土壌汚染現場での対策および汚染低減技術開発の最先端をご紹介いただきました。
 講演では、太平洋セメント株式会社の高野氏、農研機構 農業環境変動研究センターの石川氏、長年研究に携わってこられたヤンマー株式会社営農技術アドバイザーの阿江氏にご講演いただきました。
 講演後には、総合討論や名刺交換会を開催し、参加された方々との情報交換を行っていただきました。

1.講演(14:05~14:20)
 「汚染物質はどこから来るのか?~日本の地質と鉱床の分布~」
  龍谷大学農学部資源生物科学科 准教授 森泉 美穂子

2.講演(14:20~14:50)
 「イネを用いたファイトレメディエーション(汚染土壌の修復)」
  ヤンマー株式会社 営農技術アドバイザー
  龍谷大学食と農の総合研究所 客員研究員 阿江 教治 氏

3.講演(14:50~15:30)
「カドミウム・放射性セシウム汚染水田の物理化学的浄化法」
太平洋セメント株式会社 中央研究所第3研究部長 高野 博幸 氏

4.講演(15:40~16:40)
「カドミウム・ヒ素汚染に打ち勝つ水稲品種の育成」
農研機構 農業環境変動研究センター作物リスク低減ユニット長  石川 覚 氏

5.総合討論(16:40~17:10) 司会:森泉 美穂子 

6.名刺交換会(17:10~17:30)

RECでは、本研究会にご参加いただきました皆様との出会いを大切にして、引き続き活動を行ってまいります。





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