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東近江市能登川博物館 展示室・ギャラリーにて、11月25日(土)から12月24日(日)まで、東近江市・龍谷大学共催展「よみがえる明治初期の山村の土地利用 ―永源寺地区の地券取調絵図(地引絵図)が語るもの―」が開催されています。※観覧無料
同展は、龍谷大学 里山学研究センター兼任研究員の牛尾洋也・法学部教授が中心となって企画したもので、11月25日(土)には公開研究会も開かれました。
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東近江市能登川博物館での展示風景

東近江市能登川博物館での展示風景


東近江市能登川博物館での展示風景

東近江市能登川博物館での展示風景

今回の展示品である「地券取調絵図(地引絵図)」とは、約150年前、明治初期の近代的土地所有権制度が導入される直前の山村の土地利用が示されているもので、当時の土地利用のありようを伝える貴重な史料です。市町村合併や戦災等で消失したケースも少なくないとされる中、牛尾教授は、滋賀県東近江市の永源寺地区で保管されてきた地券取調絵図との出会いを端緒として、絵図を“地域の記憶、地域の資源”として残す必要性を感じ、2019年より高精細写真によってデジタルデータ化を進めてきました。


牛尾洋也 教授(本学法学部・里山学研究センター兼任研究員)

牛尾洋也 教授(本学法学部・里山学研究センター兼任研究員)

史料から明らかになった明治期の土地利用のありよう、今回の展示のみどころについて、牛尾教授にうかがいました。

Q. 明治初期の土地所有権の変容と地券取調絵図(地引絵図)について教えてください。
地券とは、明治5(1872)年に地券制度が施行され、明治政府が発行した土地所有権を証明するための証書のことで、その際絵図が作製されました。つづく明治6(1873)年の地租改正法の公布により、土地の私的所有権が公認され、地租は原則として金納することになり、明治19(1886)年の登記法の制定により、地券制度は廃止されました。しかし、登記制度の下における土地台帳附属絵図(公図)は、地券取調絵図や地引絵図に源を持っています。
地券の発行にあたっては、土地の位置・一筆ごとの所有者、所在、地目、反別、石高、代価などを明確にする必要があるため、絵図(地図)と野帳(帳面)がセットで作成されました。明治初期には数種類の絵図が作られましたが、明治5(1872)年の干支にちなむ呼称の「壬申地券」には、市街地券と郡村地券の2種類があります。市街地券は、江戸時代に無税地であった町地に課税することが目的で、郡村地券は、田畑売買の解禁による土地の異動を明確にする目的で発行されました。以降、現代に至るまで都市部や田畑では測量が繰り返されてきたので史料は複数存在しますが、測量に労力のかかる山間部の絵図史料は少なく、貴重なものです。
このように明治新政府から県府におりてきた命令を各町村で行った地券発行ですが、全国規模の土地調査の基礎資料となったのは、実は豊臣秀吉による「太閤検地」の検地帳や絵図でした。


展示品の「地券取調絵図」の一部をクローズアップ

展示品の「地券取調絵図」の一部をクローズアップ


絵図欄外には山、道、川、田、畑、屋敷などの地目が色分けして明記されている

絵図欄外には山、道、川、田、畑、屋敷などの地目が色分けして明記されている

Q. 今回の展示では永源寺地区の史料が中心ですが、この地域に注目された経緯とは?
永源寺地区は東近江市の東端、愛知(えち)川の上流域に位置し、鈴鹿山脈から琵琶湖まで森川里湖に恵まれた東近江市の中でも、自然豊かな場所です。
今回の展示は、本学の社会科学研究所の共同研究『地域特性に基づく地域・森林資源管理の法理論研究』(代表:牛尾洋也/期間:2021〜2023年度)と里山学研究センターでの研究活動の成果の一端です。永源寺地区に注目したきっかけは、2017年頃から『東近江市100年の森づくりビジョン』の策定に関わったことです。
東近江市の森林・林業政策を計画的に、かつ実践的に進めるための指針を検討する中で、永源寺地区に保管されていた明治初期の地券取調絵図と出会いました。実際に絵図を広げてみると、紙の損傷が進んでいるものの、地域のランドスケープが詳細に描き込まれていることに気付かされたのと同時に、当該地域での絵図のワークショップを行った際に地元の皆さんが熱心に見入られている姿から“地域の記憶としての絵図の訴求力の高さ”を実感しました。
こうした経緯から、絵図を“地域の記憶、地域の資源”として残す必要性を感じ、2019年より高精細写真によってデジタルデータ化を進めてきました。
 

Q. 今回の展示の見どころを教えてください。
今回の展示では、デジタルデータ化を進めてきた史料のうち約40点を展示しています。地券取調絵図(地引絵図)には、山、道、川、田、畑、屋敷、林、荒地、藪地、原野などが鮮やかな色彩で描き分けられており、明治初期の近代的土地所有権の制度が導入される直前の山村の土地利用が示されている貴重な資料です。ひとたび目にすれば、一枚から読み取れる情報がきわめて多いことに気付かされるはずです。


「郡界地引絵図」(明治8年作成)より一部抜粋

「郡界地引絵図」(明治8年作成)より一部抜粋


木々の種類に至るまで鮮やかに描き込まれている

木々の種類に至るまで鮮やかに描き込まれている

展示品の1つ、「郡界地引絵図」(明治8年作成)は18村のありようを一枚に記したものですが、よく見ると村の飛び地が沢山あることが分かります。江戸時代にはこのように村の中に、別の村の飛び地が存在することは珍しくなく、明治期になって制度上、空間の線引きをするようになったのです。
こうした飛び地の背景として、「入会地である山(特に奥山の森林)の利用は個人(や村)が独占して行うものではない」という地域共通の意識があったのでしょう。いまなお、絵図に記された君ヶ畑地域には、入会地として集落等で所有管理されていた土地が登記簿上も「神社名義」や「記名共有地」(表題部の所有者欄に「A外○名」とあるのみで、その共有者の住所氏名が登記されていない土地)の形をとっていることがあります。
明治初期の地券取調絵図の作成によって、人々が暮らす“里山”では、線引きによる管理所有が進み、人里から離れた“奥山”では多くの人々の共同管理・利用が受け継がれたようです。こうした地域の記録を継承する点においても、今後の地域の管理構想にあたっても、絵図は人々の思いをつなぐ大変貴重な史料であることが見て取れます。

Q. さいごに現代への含意として、日本の土地活用に関してコメントをお願いします。
昨今では「所有者不明土地(所有者死亡後に相続登記がされないこと等を原因として、登記簿を見ても所有者が直ちに判明しない、または判明しても連絡がつかない土地)の問題などもあって、土地の所有権や境界を明確化することが国によって求められています。
また、国土交通省により「地域管理構想」、環境省により「地域循環共生圏」が提唱される中、市町村それぞれに地域の将来像を描く必要性があり、地域の環境や文化、資源等を加味したプランづくりが求められています。そうしたビジョン策定にあたっては、地域像を知ることが必要です。昔の土地利用のあり方を知り、“地域の記憶、地域の資源”を現代、そして未来へと継承する上で、明治初期の絵図に学ぶ点もあるのではないでしょうか。ぜひ多くの方にご観覧いただき、絵図の持つパワーを感じてもらえると幸いです。


牛尾洋也 教授(本学法学部・里山学研究センター兼任研究員)

牛尾洋也 教授(本学法学部・里山学研究センター兼任研究員)


11月25日、政策実践・探究演習(国内)洲本プロジェクトの2023年度第8回フィールドワークに学部生3名と櫻井あかね実践型教育プランナーが参加しました。

洲本プロジェクトは今年度から株式会社成田と連携し、かいぼりの広報活動に取り組んでいます。株式会社成田は洲本市に本社を置き淡路島で建設業、土木業を営む会社です。「暮らしのお困りごとを解決します」をモットーに2017年からかいぼり事業に着手し、大量の泥を常時吸引・排出できるモバイルポンプかいぼり君を開発しました。

洲本プロジェクト企業連携班は、かいぼり君の優れた機能をPRするため賞に応募したりパンフレットなどの作成を進めてきました。この日は、かいぼり君を使った現場を見学できるということで、南あわじ市にある竹谷下池に行きました。

かいぼりは冬期に池の水を抜き底にたまった泥を川に流す作業です。泥に含まれるミネラル豊富な成分が海に流れることで、ノリの色づきが良くなる効果が認められています。また、泥のかき出しが池の適正管理につながり防災面にも効果があります。

洲本市土地改良事務所が竹谷下池を管理する田主(たず)から依頼を受け、池の底にある栓=底樋が詰まっていたため、かいぼり君を稼働させることになりました。

淡路信用金庫や株式会社パソナ、南あわじ市の方々も含め41名が参加、消防ポンプの放水で固まった泥を剥がしたあと、鋤で泥を攪拌しながら柔らかくします。かいぼり君で底樋周辺の泥を吸引し、同時にポンプの力で川へ流していきました。


放水しながら泥をはがす


放水しながら泥をはがす


開発されたかいぼり君


泥水をポンプで吸引する


数時間の作業の結果、詰まっていた底樋が開通し通常の水路から池の水を流せるようになりました。農閑期の冬のあいだはこのまま池を天日干しにして水質改善に努めるそうです。初めてかいぼりを体験した学生は、予想以上の大掛かりな作業に驚きながらも胴長を着て汗を流しました。


泥を攪拌して柔らかくする


池の水が抜かれた池の様子


【本件のポイント】

  • 学生・教職員・一般の方を対象とした社会的テーマを題材とした映画とミニレクチャーのイベント
  • 中東現代政治の専門家である濱中新吾法学部教授によるミニレクチャーを併せて開催
  • 一人で映画を見るだけでは得られない視点や考え方を得る機会に

 

【本件の概要】
 龍谷大学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンターでは、あらゆる「壁」や「違い」を乗り越え、世界の平和に寄与するプラットフォームとなることを目指し、様々な事業を運営しています。
 その一環として、大学内の本格的なシアターで、社会的テーマを題材とした映画と教員によるミニレクチャーを開催するイベント「RYUKOKU CINEMA」を2021年度から実施しています。
 今般、ハマスとイスラエルの紛争を受け、本学は2023年10月12日付で「ハマス―イスラエルの紛争に対する声明」を発出しました。本上映会を通じ、ニュースを通じてしか触れることのないガザで、人びとが我々と同様に暮らしているのを想像するとともに、イスラエル、パレスチナ、周辺の様々な立場を理解した上で、多くの方々と、共に考える機会にしたいと考えています。

 

日  時:2023年12月12日(火)17:00~20:00
上映作品:「ガザ 素顔の日常」(92分/アイルランド・カナダ・ドイツ/2019年/ドキュメンタリー)
ミニレクチャー:濱中 新吾(法学部教授)「イスラエルはなぜガザ攻撃を止めないのか」
対  象:本学学生、教職員、一般の方
場  所:龍谷大学成就館Main theater(龍谷大学深草キャンパス内)
費  用:無料
申込方法:前日までに申込フォーム(https://x.gd/Ack2W)に入力


上映映画のワンシーン

問い合わせ先:
龍谷大学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター(龍谷エクステンションセンター内)
Tel 075-645-2098  ysbrc@ad.ryukoku.ac.jp  https://ysbrc.ryukoku.ac.jp/index.php


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【チラシ】RYUKOKU CINEMA_ガザ素顔の日常


【本件のポイント】

  • 栗原氏がこれまでのキャリアで得た経験や女性起業家のサポートをされてきたことを講演。
  • 栗原氏が初の女性総合職として日本開発銀行に入行され、様々な役職を歴任されてきた経験を聴講することで、学生のキャリアプランを考える機会を創出。


【本件の概要】
 龍谷大学農学部では、2016 年度から各業界の企業経営者をお迎えし、業界や企業における 「食」や「農」に関する事業展開や戦略、国際社会における課題等を講演いただいています。
 2023 年度は、株式会社価値総合研究所※の代表取締役会長である栗原 美津枝氏をお迎えします。栗原氏には、日本開発銀行に入行されてから様々な業務に従事された経験や「女性起業サポートセンター」を立ち上げ、実際に多くの女性起業家のサポートをされてきたお話を交えながらご講演いただきます。
 農学部の学生たちは農作物の育成から生産・加工・消費までの「食の循環」を体験・学修するなかで、持続可能な社会の実現を目指しています。また、農学部は理系学部ながら在学生の約40%を女子学生が占めています。今回の講演では、このような学生たちの研究テーマの選択やキャリアプランを考える機会を創出します。

日 時: 2023年 12 月7 日(木)11:00~12:30
場 所: 龍谷大学瀬田キャンパス 8 号館 103 教室(滋賀県大津市瀬田大江町横谷 1-5)
内 容: 『社会課題解決こそ成長の鍵』(株式会社価値総合研究所 代表取締役会長 栗原 美津枝 氏)
対 象: 「日本・京滋の食料と農業」および「食料流通システム論」の受講生等(農学部生約400名)

※株式会社価値総合研究所
"環境・エネルギー"、"運輸・交通"、"都市・住宅・不動産"、"経済・産業・情報"、"地域活性化"等の分野で、経済均衡・地域経済モデルや地理情報システム(GIS)を始めとした多様な手法を駆使しながら、リサーチ&コンサルティング業務を行っている企業。https://www.vmi.co.jp/jpn/index.html


問い合わせ先:龍谷大学 農学部教務課 担当者 新田
Tel 077-599-5601  agr@ad.ryukoku.ac.jp  https://www.agr.ryukoku.ac.jp/


 2023年11月18日(土)、2023年度政策学部合同演習討論会が開催されました。

 この討論会は、多様な分野のゼミナールが、互いの研究活動の内容を知ることで
 自身の知見や教養の幅を広げるとともに、今後の研究活動に対する意識向上に
 つなげることを目的としています。

 政策学部生による自治組織「政策学部ゼミナール連合会」の運営のもと、
 今年度は15ゼミが3会場に分かれて参加し、熱い議論を交わしました。




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