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2022年11月20日(日)、「第3回オンライン高校生模擬裁判選手権大会」*1に向けた事前講義がオンライン上で開催されました。本イベントは、札埜和男准教授(本学・文学部、「法教育・法情報」メンバー)によって企画されたものです。
【>>EVENT概要】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-11569.html

今回は、「冤罪被害者が語る『冤罪の実態』と『法の温かさ』」をテーマに、講師に山田悦子氏*2を迎えました。あらかじめ配布された山田氏の手記*3や、甲山事件に関する新聞記事*4を読み込んだ高校生から質問が出され、山田氏がそれに回答する形で進められました。当日は大会に参加する高校生と一般参加者をあわせて64人もの参加がありました。

以下、高校生らと山田氏との質疑応答から一部抜粋して紹介します。


捜査段階の取り調べについて

山田氏は警察署の留置所に収容され、24時間取り調べられた当時(代用監獄制度のこと)について次のように述べます。
『私は、弁護士から“黙秘をしろ”と言われることが当初苦痛でした。法律を知らない者が警察の取り調べの前に黙秘権を行使することは困難です。なぜなら、無実を訴えるだけでは警察は納得しません。アリバイの証明を全部こちらに求めてきます。私は、一刻でも早く釈放されたいから、事件前後の動向を一生懸命思い出そうとしました。しかし、一ヶ月も前のこと、それも一分一秒単位で事細かに聞かれても全部を思い出すことは不可能です。当時は、警察が無実の人をおとしいれるはずがないのだからちゃんと説明しなければと、自己責任のように感じてとても苦しみました』。
山田氏が弁護士との接見時間を制限され、情報が遮断されている状況に置かれているのに対し、警察は2,000万円の捜査費を使い、山田氏の身辺をくまなく調査した上で、山田氏の証言を揺さぶってきます。山田氏は、次第に自分の記憶に自信がなくなり、追い詰められていきました。
山田氏は警察の硬軟織り交ぜた取調の中で、早く楽になりたいという気持ちから、警察側の思い描いたストーリーに沿うような証言をして、ウソの自白調書をとられてしまいます。山田氏は『裁判では、供述調書のみが真実であるかのように扱われますが、公判の場に出てくる調書は警察側の作文であって、調書が作成されるまでに様々なやり取りが、取調の中でおこなわれています。代用監獄が廃止されないことや、警察の取り調べが可視化されないことが、えん罪の温床となっているのです。代用監獄は1980年代から国連でも問題視され、勧告もされているにも関わらず、2000年代の司法制度改革を経た今になっても解決されていません』と指摘します。


えん罪事件について

山田氏は『良い検察官や裁判官が事件を担当することが大切であり、人生のパートナー選びのような出会いの問題です。えん罪は、いわば「司法のドメスティックバイオレンス」と言ってよいでしょう。私たちは、「司法は間違わない」と神聖視してしまいますが、そんなことはありません。国家の治安対策は大事ですが、処罰の意識が強すぎて、「この事件はもしかしたらえん罪かもしれない」と考える視点が抜け落ちているのです。えん罪が起きてしまう背景として、日本では人権思想が十分に醸成されていないのではないかと思います。日本国憲法では人権を尊重しているにも関わらず、「冤罪白書」(燦燈出版)が依然として発行される現状は嘆かわしいことです。司法を良くするには、国民の人権思想が根幹となります』と述べ、自身の事件を担当した弁護士や支援者を例に出しながら『裁判にはお金がかかります。25年間支えてくれた皆の活動資金は1億2千万円に及びますが、ほとんどが手弁当でサポートしてくれました』と必要な支援と資金について言及しました。


マスコミ報道について

マスコミによる事件報道により、山田氏には犯罪者のレッテルが貼られ、日常生活に支障をきたしました。参加者の『マスコミ報道に規制を設けるべきか?』という質問に対し、山田氏は『法的に報道規制するということは、国家権力の介在を許すことにつながります。マスコミが萎縮して言論の自由が脅かされることになります。私が期待するのはマスコミの自浄作用であり、マスコミに対して市民の声を届けることが大切です。マスコミは人権思想を持って国家権力のチェック機能を果たすこと、私たち市民は人権思想をもって社会的行動に移すことが求められています。当時の報道では、マスコミは警察側の言い分を鵜呑みにして、裁判が始まってない頃から私を報道の上で断罪してきました。1審で無罪判決が出たあとも、心ないバッシングを世間から受けました。ジャーナリストの浅野健一さんが「犯罪報道の犯罪」という本を1984年に出されましたが、匿名報道にするとか、事件について裏取りをするとか、やりようはいろいろあるのではないでしょうか』と述べました。

権利のための闘争
さいごに、山田氏は、影響を受けた思想家として、ドイツの法学者であるルドルフ・フォン・イェーリング(Rudolf von Jhering, 1818-1892)を紹介しました。イェーリングの『権利のための闘争』は、「法=権利(recht)の目的は平和であり、それに達する手段は闘争である」という一文が冒頭に高らかに宣言されます。
山田氏は『人権思想は闘い取られたものです。闘うというのは抵抗、すなわち国家社会の不正に対する抵抗であり、これがないと人権思想は生まれません。国家がつづく限り闘争はなくならないのです。自分の責任において人間とは何かを考える、死ぬまで学び続けようと思うから、私はえん罪被害についてみなさんにお話できる。私は、えん罪被害から、法がいかに大事であるか、チャーミングであるかを学びました。
法は人間の歴史とともにあります。法を知ることは人間の歴史を知ることであり、人間の歴史を知ることは、そこに人権思想を見出すことです。人権思想は気持ちだけでは機能せず、法によって初めて機能します。えん罪は確かに辛い体験でしたが、それ以上に深く学ぶことができたのが私の財産です。人権(=法)は温かいものであり、その温もりで人間の存在を抱きしめないと社会は良くなりません。血の通った生き方、考え方からしか人権思想は生まれないのです』と述べました。


講師:山田悦子 氏

講師:山田悦子 氏

山田氏の講義を受けて札埜准教授は、『今日は山田さんが何度となく「思想」という言葉を使われた。山田さんは「学びの思想化」、「学んだことは思想化しなければならない」とよく話される。是非みなさんも自分の中でこの言葉を熟成していって欲しい。今日学び考えたこと、これから学ぶことを独り占めせず、学んだことをどう生かしていくのか、なぜ学ぶのか、どう社会と関わっていくのか、誰にどのように還元していくのかといったことに思いを巡らし、個々に思想化していくことを期待したい』と述べ、講義は終了しました。


札埜 和男 准教授(本学・文学部、「法教育・法情報」ユニットメンバー)

札埜 和男 准教授(本学・文学部、「法教育・法情報」ユニットメンバー)

次回は、11月23日(水・祝)14:00-16:00に、札埜准教授が「文学模擬裁判と今回の事件の文学的・歴史的背景について(Ⅰ)」と題して、文学模擬裁判の理念と特徴、そして大会で扱う事件(文学作品)について、文学・歴史の視座から解説します。つづく11月26日(土)14:00-16:00には、後藤貞人弁護士(大阪弁護士会)を講師に迎え、「裁判とは何か・死刑制度をめぐって高校生と対話する」と題した講義を予定。興味・関心のある方はどなたでも視聴可能です。ぜひHPよりよりお申し込みください。
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/

【補注】
*1 (関連情報)
>>第3回オンライン高校生模擬裁判選手権<出場校を募集!>【犯罪学研究センター後援】
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-11402.html 
同大会は、2023年1月29日(日)にZoomにて開催を予定。大会のねらいとして次の2点を掲げている。(1)法的思考力や刑事(裁判員)裁判の意義の理解にとどまらず、広く人間や社会までを視野に入れた「国語的」模擬裁判を通じて、人間や社会を考える眼差しを深める。(2)「国語的・文学模擬裁判」という新しい教育手法を通じて新学習指導要領の理念でもある主体的・対話的で深い学びを実現する機会とする。

*2山田悦子(やまだ・えつこ) 氏プロフィール:
1951年富山県生まれ。1974年3月兵庫県西宮市の知的障害者施設・甲山学園で園児二人が死亡したいわゆる「甲山事件」の冤罪被害者。一人は事故死とされたがもう一人の園児については殺害されたとして当時、保母として当直をしていた山田さんが殺人容疑で逮捕された。事件発生から25年を経過し、1999年9月に大阪高裁で三度目の無罪判決で漸く山田さんの無罪が確定した。起訴から21年の長い歳月を費やした。この事件では警察の強引な取調べ、犯罪報道の在り方などが問題となった。
(参考文献)松下竜一1985『記憶の闇―甲山事件[1974‐1984]』河出書房新社、上野勝・山田悦子2008『甲山事件 えん罪のつくられ方』(現代人文社)、

*3 沢崎悦子「わたしは絶対に殺ろしていません!」井上光晴(編)『辺境』第2次第2号(辺境社、1974年)6頁〜18頁

*4 朝日新聞1999年10月14日(木)朝刊「甲山事件の25年を語る(上)」、朝日新聞1999年10月15日(金)朝刊「甲山事件の25年を語る(下)」など。なお「朝日新聞クロスサーチ」等においては「甲山事件」で検索のこと。


農学部実習農場で収穫する「龍谷米」5品種とオリジナル白味噌(1袋)がセットになった「龍谷の味」をローソンのウィンターギフトで販売いたします。
※受付期間は12月1日までとなっております。お早めに申し込みください。

環境こだわり栽培で農学部生たちが育てた龍谷米、その米と大豆を使用して、京都の老舗味噌屋(株)石野味噌で醸造した白味噌です。10月4日から全国のローソン店舗または、WEBからご注文いただけます。次代を担う農学部生達の「食への思い入れ」もよい味を加えています。

【受付期間:10/4〜12/1迄 お届け期間:12月初旬より順次発送】 http://lawson-gift.jp/CGI/index.cgi
本学に縁が深く、京都・日本を代表する料理人(美山荘・中東氏、cenci・坂本氏)による白味噌料理レシピはこちら https://ryukoku-nojomiso.com/


「龍谷の味」の制作に関わった学生コメント
・新米のみでパック詰めされた龍谷米の美味しさを知っていただきたいです。
・龍谷米は品種が変わると触感や味が大きく変わります、そんな龍谷米が5品種も入っているので味の違いを感じて欲しいです。

■農学部 農場WEBサイト




2022年11月18日(金)、社会学部専攻科目の「特別講座(危機管理広報入門)」(担当:岸本 文利先生)の授業において、受講生が模擬謝罪会見を体験しました。

本講義は、元毎日放送(MBS)で記者と広報部長を長年にわたって務めた岸本 文利先生が担当の講義で、今回の授業では、毎日放送報道局元カメラマン・元JNNベルリン支局カメラマンであり、現在は本学の非常勤講師である南川 二郎氏をゲストとして迎え、授業が行われました。

本日の模擬謝罪会見のために、「企業の異物混入事件・賞味期限改ざん事件」という架空の設定が用意されました。

会見を行う社長・販売部長・製造部長・広報担当者の4つの役割を志望した受講生が務め、それ以外の受講生は問題点を質問し記事を作成する記者役を務めました。

会見に臨む受講生は、授業の1時間前から別室で架空の設定を確認し、想定問答を作成するなど、会見の準備を行い、一方で会見側以外の記者役の受講生はリリース文を読み込み、質問を考えていました。

会見は、入室するところから始まり、南川氏のビデオ撮影によって教室は一変してリアルな謝罪会見場のような緊迫した雰囲気に包まれます。
報道の取材さながらに記者役の受講生たちは挙手して質問を行い、会見側の4名は緊張した面持ちで言葉を選びながら答えていました。
20分ほどの会見終了後、南川氏の収録した会見の様子を受講生全員で確認しました。
会見をしている人物の目線、足元、手元の原稿などが撮影されているのを見て、受講生からは「そんなところも収録されるのか!?」という声が聞こえてきました。
会見の映像を一時停止しながら岸本先生の指摘を受け、回答の内容だけでなく表情やしぐさまで見る人に影響を与える謝罪会見の難しさを学びました。


【授業の流れ】
13:30~13:50 架空のリリース文読み込み
13:50~14:10 会見
14:10~14:25 記事作成
14:25~14:45 収録映像再生
14:45~15:00 講評・提出


謝罪会見の様子①


謝罪会見の様子②(広報担当者役の受講生)


謝罪会見の様子③(社長・販売部長・製造部長役の受講生)


質問をする記者役の受講生①


質問をする記者役の受講生②


質問をする記者役の受講生③


質問をする記者役の受講生④


南川氏の撮影


収録映像を確認する様子①


収録映像を確認する様子②


2022年度第1回「うめだカレッジ」を上智大学提供で開催します。

「うめだカレッジ」は、大阪市に教育・研究活動拠点を持つ大学の集合体「大学サテライトオフィス会”OSAKA”」(大阪オフィスが参画)と大阪市立総合生涯学習センターが共催となり、加盟するうちの複数大学によるリレー講座です。
各大学の持つ知的資源を大阪という地域社会に提供し、それぞれの大学の持つ特長・特性を活かした学びの場を地域住民の方へ提供することを目的としています。

2022年度第1回は、上智大学から講座提供があり、ライブ配信によるオンライン講座で開催いたします。

イベントの概要は以下のとおりです。
【講 座 名】稽古の思想・無心の思想 -「しなやかさ」を学ぶ-
【講          師】西平 直(にしひら ただし) 上智大学グリーフケア研究所 副所長・京都大学名誉教授
【定          員】会場参加:50名(先着順)、オンライン参加:50名(先着順)
【日          時】2022年12月3日(土)10:00~11:30
【実 施 方 法】対面・オンライン(Zoom)併用
【受 講 料】無料
【申 込 方 法】対面:電話・インターネット・FAX・来館のいずれか
         オンライン(Zoom):インターネット
          大阪市立総合生涯学習センターが運営する「いちょうネット」にアクセスし、
          キーワード欄に「うめだカレッジ」と入力・検索の上、お申込みください。
          https://www.manabi.city.osaka.lg.jp/
         ※詳細は添付のチラシをご確認ください。  
    

<大学サテライトオフィス会”OSAKA”>
追手門大学・上智大学・立命館大学・龍谷大学の 4 大学が 世話人校として、 大阪市内にサテライトキャンパスを持つ各大学と連携をとり、各大学サテライトの施設見学や講演会、交流会などを開催。
設立当初は、28校が加盟、現在は約40校の国公私立大学が加盟しています。

<うめだカレッジ参画大学>
大学サテライトオフィス会”OSAKA”に加盟する大学のうち、15大学がうめだカレッジに参画しています。
追手門学院大学・大分大学・大阪経済大学・大阪工業大学・関西大学・高野山大学・上智大学・相愛大学・宝塚大学・長崎大学・福井大学・桃山学院大学・森ノ宮医療大学・立命館大学・龍谷大学




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