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【本研究のポイント】

  • 地球の表層で酸素が増加した起点となったシアノバクテリアの光アンテナ注1)の進化に迫る研究。
  • 太古代注2)の水中の光環境が光合成生物の放出した酸素により緑に変わることを明らかにした。
  • 緑の光を集光する光合成生物であるシアノバクテリアは水中の緑の光環境で繁栄し、その後の葉緑体の起源となった。


【研究概要】
 名古屋大学大学院理学研究科の松尾 太郎 准教授、三輪 久美子 特任助教らの研究グループは、京都大学、東北大学、東京科学大学、龍谷大学との共同研究で、地球と光合成生物のやり取り(共進化)を通して見えてきた、シアノバクテリアの光アンテナの初期進化とそれを牽引した「緑の海仮説」を提唱しました。
 シアノバクテリアは地球における生命の多様化と地球表層の酸化の起点となった重要な光合成生物であるものの、シアノバクテリアがクロロフィル注3)の吸収する青や赤と相補的な緑の光を利用して繁栄してきた理由は分かっていませんでした。緑の光を光合成に利用するには、緑の光を吸収し、その光エネルギーをクロロフィルに渡す仕組みを獲得するとともに、その仕組みが優位に働く環境が必要であったはずだからです。
 ここで本研究グループは、シアノバクテリアが誕生した太古代における水中の光環境に着目しました。太古代の貧酸素の水に溶け込んでいる二価の鉄注4)が光合成によって発生した酸素によって酸化され、紫外線から青の光を吸収した結果、水中は緑の光であふれていたことが分かりました。生物実験および分子系統樹解析注5)によって、シアノバクテリアが太古の緑の光環境で繁栄した可能性が明らかになりました。
 光合成生物の活動によって生まれた緑の海は、紫外線を効率的に遮へいすることで生命を育む現場になったと同時に、遠くの惑星の生命の存在の指標にもなるかもしれません。
 本研究成果は、2025年2月18日(日本時間)付科学雑誌『Nature Ecology & Evolution』に掲載されます。

 

【研究背景と内容】
 地球は生命の誕生以降、生命とともに進化してきました。その代表的な指標が表層の酸化です(図1)。地球誕生当時、表層の酸素濃度は現在と比べて100万分の1程度でした。約30億年前に酸素を発生する光合成生物が水中で誕生して以降、水中で酸化が始まり、水中の酸素濃度が上昇しました。水中の酸素が飽和すると大気に酸素が放出され、約24億年前に「大酸化イベント」と呼ばれる、大気の酸素濃度が現在の数パーセント程度まで上昇する出来事がありました。この大酸化イベントからほどなくして、好気呼吸によって効率よくエネルギーを獲得する真核生物が誕生しました。生物の進化・多様化が停滞する退屈な10億年を経て、7 – 5億年前に再び大気の酸素濃度が急上昇して現在の濃度に落ち着きました。また、大気の酸素濃度の上昇によって多細胞動物の誕生が促されました。このように、地球の表層における酸素濃度と生命の進化は密接な関係があると考えられています。
 


 大酸化イベントを引き起こしたと考えられている光合成生物がシアノバクテリアです。本研究はこのシアノバクテリアを特徴付ける光アンテナの起源と進化に光を当てるものです。シアノバクテリアの誕生以前、地球の大気にはオゾン層がなく生命に有害な紫外線が地表に降り注ぎ、現代の酸化的な海洋にはない二価の鉄が大量に溶け込んで海全体に広がっていたと考えられています。このような海の中で酸素を発生する光合成生物が誕生すると、光合成生物が生息する周りの環境から徐々に酸化が始まりました。酸化が始まると二価の鉄は酸化鉄となり、溶けずに水の中に浮遊します。この酸化鉄は、紫外線から青い光までを効率よく吸収するので、紫外線が降り注ぐ浅瀬でも生命を育む環境が構築されました。また水は赤い光を吸収するので、生物の生息する水中は緑の光であふれていることが数値シミュレーションと実験から明らかになりました(図2)。
 しかしながら、この緑の光環境は光合成で生きる生物にとって大問題です。なぜなら、私たちの身近な光合成生物である緑藻や陸上植物は、クロロフィルという色素を使って集光から化学反応までを行っているからです。クロロフィルは青や赤の光しか吸収できないため、もし緑の光があっても効率的に利用することができません。その中で緑の光を吸収し、反応中心で使えるように光アンテナを発達させた光合成生物こそがシアノバクテリアでした。

 シアノバクテリアは、光を集光するアンテナに緑から赤の光を吸収する3種類の色素タンパク質複合体注6)を巧みに利用して、吸収した緑の光エネルギーを反応中心にあるクロロフィルに効率よくエネルギーを渡すことができました。代わりに、後から誕生した緑藻や陸上植物の光アンテナに比べて、巨大で複雑な光アンテナを発達させなければなりませんでした。緑の光を利用するために、多くの資源を利用して光アンテナを作っています。
 


 

 本研究グループは、この緑の光環境が光合成生物の選択圧として働き、緑の光を集光するビリン色素注7)を光合成に利用したシアノバクテリアが選択されたという仮説を立て、シアノバクテリアの進化模擬実験、分子系統樹解析、量子化学計算を行いました。
 シアノバクテリアの進化の模擬実験によって、緑の光環境と緑の光を吸収するビリン色素と強い結びつきがあることが分かり、緑の光環境が色素の選択圧として働いた可能性を実験的に示しました。シアノバクテリアの分子系統樹解析によって、その共通祖先が緑の光を集光する色素を利用した光合成を行っている可能性が高いことが明らかになりました。また、量子化学計算からシアノバクテリアが緑の光を効率よく集めるアンテナの仕組みを解明しました。さらに、太古代と類似の環境である薩南諸島の硫黄島海域(図3左)において光環境や生物分布の調査を実施しました。酸化鉄によって水中で緑の光環境が形成されていることを確認し(図3中央)、緑の光環境では緑の光を吸収する光合成生物が多く存在することも分かりました。
 カール・セーガン博士はVoyager 1号が太陽系を出る時に地球を振り返って撮った写真を見て、地球を”Pale Blue Dot(淡く青い点)”と名付けました。大気や海の青色が生命を育むことを想起させるものです。しかし、紫外線にさらされた太古代の地球は生命にとって過酷であったと想像されますが、緑の海(図3右)も生命を育んだのではないでしょうか。同時に、光合成生物の活動によって変わった緑の海は、太陽系外における惑星の生命活動の指標になるかもしれません。
 地球は“Pale Green Dot”だったかもしれないのです。


図3. 薩南諸島硫黄島のSentinel-2衛星のRGB画像(左)、酸化鉄が含まれる海域の水深5.5mの放射スペクトルと色素のスペクトルの比較(中央)、測定海域における海の色(右). 中央図の青、緑、橙、赤はそれぞれクロロフィル、フィコエリスリン、フィコシアニン、アロフィコシアニンを表し、実線と領域は色素タンパク質複合体とその吸収スペクトルの波長範囲

 

【成果の意義】
 緑の海仮説は、地球における生物の多様性の基盤を構築したシアノバクテリアの光アンテナの進化に迫る重要な仮説です。地球表層の段階的な酸化環境に注目しながら、シアノバクテリアの誕生した太古代の生息環境における光環境を予測し、水中の光環境が光合成生物の光アンテナの選択圧となった可能性を示しました。この中で特に興味深い点は、光合成生物が水中の酸化を通して光環境の変化を促した張本人であることです。つまり、光合成生物の酸化 → 光環境の変化 → 光合成生物の光アンテナの選択という、地球と光合成生物のやり取りを通して共に進化してきた新たな共進化の物語を提示することができました。
 緑の海仮説は、太古代における光環境と光アンテナの共進化です。この新たな視点は、太古代に限らず、30億年という光合成生物の長い進化史において役立つものでしょう。最後に本仮説は宇宙における生命においても重要な視点を与えます。「緑の海」は生命を育む海と同時に、生命の存在を示す指標になるかもしれません。特に、大気が酸化される以前の最初の酸化現象を捉える一つの方法になるかもしれません。現在、NASAの宇宙生命探査計画であるHabitable Worlds Observatory (HWO)の科学チームにおいて、緑の海が生命活動の新たな指標として注目を集めています。
 本研究は、2021年度から始まった名古屋大学の若手新分野創生ユニット、JSTの『創発的研究支援事業』、2023年度から始まった『アストロバイオロジープロジェクト』、2024年度から始まったJSPSの『学術変革B』の支援のもとで行われたものです。

 

【用語説明】
注1)光アンテナ:
  太陽光を効率よく捕らえるための色素とタンパク質が結合した複合体。吸収した光エ

  ネルギーは、光合成の反応中心に渡され、光合成反応を促進するために利用され

  る。
注2)太古代:
  約40億年前(地球誕生から5億年後)から25億年前までにあたる地質時代。
注3)クロロフィル:
  シアノバクテリア、緑藻や陸上植物などの酸素を発生する光合成生物において光の吸

  収や化学反応において広く使われている緑色の色素。
注4)二価の鉄:
  正の電荷2つ分だけ帯びた状態の鉄。酸素が少ない土や水中に存在し、液体の水に溶

  けやすい性質がある。二価の鉄は酸素と結びつくと、三価の鉄に変わり、この状態に

  なると水に溶けにくくなる。
注5)分子系統樹解析:
  DNAやタンパク質の配列を比較し、生物同士の進化的な関係性を示す「家系図」を

  作成する方法。これにより、シアノバクテリアがどのように進化してきたのか、

  そのつながりを明らかにすることができる。
注6)色素タンパク質複合体:
  光エネルギーを吸収する色素と、それを保持・制御するタンパク質が結合してできた

  複合体。シアノバクテリアは、光アンテナに2から3種類のタンパク質複合体を配置

  することで、太陽光から効率的にエネルギーを取り込み、化学反応へと変換する重要

  な役割を果たす。
注7)ビリン色素:
  シアノバクテリアや藻類に見られ、光の特定の波長(緑や橙)を吸収する。

 

【論文情報】
雑誌名: Nature Ecology & Evolution
論文タイトル:Archaean green-light environments drove the evolution of cyanobacteria’s light-harvesting system
著者:松尾太郎(名古屋大学)、三輪久美子(名古屋大学)、星野洋輔(名古屋大学)、藤井悠里(京都大学)、菅野里美(名古屋大学)、藤本和宏(名古屋大学)、辻梨緒(名古屋大学)、武田真之介(京都大学)、大波千恵子(京都大学)、新井千紘(名古屋大学)、吉山洋子(龍谷大学)、三野義尚(名古屋大学)、加藤祐樹(名古屋大学)、柳井毅(名古屋大学)、藤田祐一(名古屋大学)、増田真二(東京科学大学)、掛川武(東北大学)、宮下英明(京都大学)  
DOI: https://www.nature.com/articles/s41559-025-02637-3

 

【研究者連絡先】
名古屋大学大学院理学研究科
准教授 松尾 太郎(まつお たろう)
TEL:052-788-6068    
E-mail: matsuo@u.phys.nagoya-u.ac.jp


京都大学大学院人間・環境学研究科
教授 宮下 英明(みやした ひであき)
TEL:075-753-7928    FAX:075-753-7928
E-mail: miyashita.hideaki.6v@kyoto-u.ac.jp

 

東北大学大学院理学研究科
教授 掛川 武(かけがわ たけし)
TEL:022-795-6600    FAX:022-795-6600
E-mail: kakegawa@tohoku.ac.jp

 

東京科学大学生命理工学院生命理工学系
教授 増田 真二(ますだ しんじ)
TEL:045-924-5737     FAX:045-924-5823
E-mail: shmasuda@bio.titech.ac.jp

 

龍谷大学農学部生命科学科
ラボラトリー専門助手 吉山 洋子(よしやま ようこ)
TEL:077-599-5681     FAX:077-599-5608
E-mail: yyoshiyama@agr.ryukoku.ac.jp

 

 

【報道連絡先】
名古屋大学総務部広報課
TEL:052-558-9735     FAX:052-788-6272
E-mail:nu_research@t.mail.nagoya-u.ac.jp

 

京都大学 渉外・産官学連携部広報課国際広報室
TEL:075-753-5729    FAX:075-753-2094
E-mail: comms@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp

 

東北大学大学院理学研究科・理学部 広報・アウトリーチ支援室
TEL:022-795-6708
E-mail:sci-pr@mail.sci.tohoku.ac.jp

 

東京科学大学 総務企画部 広報課
TEL:03-5734-2975   
E-mail: media@adm.isct.ac.jp

 

龍谷大学 農学部 教務課
TEL:077-599-5601     FAX:077-599-5608
E-mail:agr@ad.ryukoku.ac.jp
 


 社会学部の社会共生実習「農福連携で地域をつなぐ―地域で誰もがいきいきと暮らせる共生社会に向けて」(担当教員:コミュニティマネジメント学科 特任准教授 坂本清彦、以下「農福連携プロジェクト」)では、実習先である滋賀県栗東市のNPO法人「縁活」の農福連携事業「おもや」での実習を通じて受講生たちが地域づくりの活動を経験・展開しています。

 農福連携事業とは「農業と福祉が連携し、障害者の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障害者の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組」(農福連携等推進ビジョン)です。これまで、一般的には障がい者の就労機会の拡大や農業の労働力不足への対応として捉えられてきた農福連携ですが、近年では地域社会の多様な人々をつなぐ契機、地域づくりの一環という認識も広まっています。

 農福連携プロジェクトの受講生も、2024年度の活動の中で「おもや」の地元栗東市の大宝神社の朝市への参加や、本学瀬田学舎で「おもや」の農産物や加工品を販売するマルシェの実施を通じて、障がいを持つ人を含む多くの方々とのつながりの意義を学んできました。

 その「農福連携プロジェクト」の今年度の締めくくりとして、2月5日に「おもや」の方々と手作りの「味噌づくり」に取り組みました。


茹でた大豆をすりつぶします。


米麹を混ぜます。


材料をよく混ぜていきます

 「おもや」では、自分たちの農地で収穫した大豆や黒大豆を使ってこの寒い時期に自分たちで味噌を仕込み、利用者・スタッフの昼食や、付設のカフェレストランで提供するお味噌汁に使っています。「農福連携プロジェクト」の受講生は今季最初の味噌の仕込み作業に参加し、スタッフや味噌づくり経験の豊かな利用者さんから、実地に作り方を学びました。


混ぜた材料をまとめて


経験豊かな利用者さんの指導で樽に詰めていきます

 今回の味噌の材料は大豆と米麹と塩です。通常は「おもや」自前の畑で収穫した大豆で賄うのですが、今シーズンは不作で量が不十分だったため、知り合いの農家さんから自然栽培で生産された大豆も購入して仕込みました。米麹も知り合いの麹屋さんから購入したものを使います。

 大豆づくりのプロセス自体はシンプルです。大豆は前の日に数時間水につけてから茹でておきます。翌日の仕込み作業では、まず茹でた大豆を「ミンサー」という機械ですりつぶします。並行して米麹に塩をよく混ぜておきます。すりつぶした豆を塩を混ぜた麹にまぜ、良く混ざったら容器に入れて、空気が入らないように封をし、8月頃まで温度の安定した場所で保存して発酵させます。

 基本的にはこれだけのプロセスですが、原材料の配合割合や混ぜ具合、発酵・保存時の温度によって風味が変わってきます。材料を混ぜたり容器に入れる作業を素手で行うと、手についている常在菌の働きによって、また風味が変わるそうです(ただし手はよく洗わないと腐敗につながります)。

 シンプルですが、奥の深い味噌づくりです。受講生たちは今年度お世話になった利用者さんとスタッフの方から丁寧に指導してもらいながら、自分で持ち帰る味噌を仕込みました。夏のお盆のころには発酵が進んで食べられるそうです。どんな味の味噌ができるか楽しみです。


おもやで使う分は大きな樽に詰めます


受講生が各自持ち帰るための容器を用意してくれました


持ち帰り用の壺に材料を詰めたところ

 「農福連携プロジェクト」は、社会学部が深草学舎に移転する2025年度も引き続き開講します。来年度も圃場での農作業や地域イベントを障がいを持つ利用者さんと一緒に行い、関係者に話を伺うことを通じて、農業や福祉の現状と課題について認識を深めていく予定です。


2024年度農福連携プロジェクト受講生-とても仲の良いグループでした

 社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。


 経営学部で輝いている学生を紹介する龍谷経営人(びと)、今回は経営学部 2年生 小林 優花さん(奈良県出身)をご紹介します。

 

 今回ご紹介する小林さんは、龍谷大学女子バドミントンに所属しており”2024年度全日本学生バドミントン部選手権大会(インカレ個人戦)”と” 2024年度全日本学生バドミントン部選手権大会(インカレ団体戦)”に出場し優勝を果たしています。

 小林さんはどのような大学生活を送り、全国大会で個人・団体での優勝という偉業を果たすことができたのかご紹介していきます。



 

バドミントンとの出会い

 小林さんが5歳の頃、バドミントンをしていたお姉様の影響でバドミントンに触れるようになり、すぐにスポーツ少年団に所属し本格的に始めました。少年団には5歳から小学校卒業まで所属し、純粋にバドミントンを楽しんでいました。しかし、小学生の時は近畿大会出場にとどまり、全国で有名な選手というわけではなかったとのことです。

 

バドミントンでの成長

 住んでいる地区にバドミントン部がある中学がなかったため、バトミントンをするために同じスポーツ少年団に通う仲間が進学する中学校に通うことになりました。

また、その中学校のバドミントン部の顧問はスポーツ少年団に所属していた姉をずっと指導していた方で、公立中学校ながら成長できる環境があったようです。

 このような環境だけでなく、同じ中学校にライバルとなる仲間がいたこともあって小林さんは成長を続け、中学2・3年生の時に近畿大会 個人の部で優勝、団体でも3位や全国大会出場といった輝かしい成果を残せるようになっていきました。


 

バドミントン名門校への進学

中学で活躍された小林さんですが、ご自身ではバドミントンの名門校から声がかかるとは考えていませんでしたが、ご縁がありバドミントンの名門「青森山田高校」に進学されました。

小林さんは青森山田高校のバドミントン部に対し、「練習が厳しく、バドミントン部に所属する部員全員が強いイメージ」と不安を抱えていましたが、その不安を払拭するために親元離れた慣れない環境のなかでも練習に真摯に取り組みました。また、環境になれた後も「試合メンバーになるためには日々の練習から仲間に負けられない」と危機感をもって練習に取り組み、1年生から試合メンバーに選ばれました。そして、高校3年生の時には青森県で2枠しかない個人戦(全国)への出場権を獲得し、初めて個人戦全国大会へ出場することができました。

 このことを振り返り、なかなか個人の部で全国大会に出場できないないことや、同じ高校で切磋琢磨してきた仲間との試合などの多く課程を経て勝ち得た全国大会出場の権利なのでとても価値のあるものだと語っていただけました。


 

龍谷大学進学  

 青森の高校に在籍していたこともあり、同じバドミントン部の仲間の大半が関東の大学へ進学するなか、小林さんは姉が龍谷大学女子バドミントン部のキャプテンをしていたことや地元の関西で頑張りたいと思っていたこともあって、関東のバドミントン強豪大学ではなく龍谷大学への進学を決めました。この選択を振り返って小林さんは、「自分のなかで龍谷大学へ進学すべきという気持ちがあり、他の大学からも声がかかったが、龍谷大学への進学はこれまでの進路選択に比べると悩まなかった」と龍谷大学への進学を明るく話してくださいました。

 

大学と高校の違い  

 高校生の頃の小林さんは、「大学生は長いラリーのなかでも力強いプレーをしているというイメージがあり、それに慣れちゃうと動きが遅くなってしまう」と考えていたそうです。しかし、龍谷大学に進学し、実際には、大学生は力強いラリーするためのからだをつくり、スピードを落とさないようにしていることとを学んだようです。また、そのからだをつくることが難しいことを学んだそうです。

 

 そんな龍谷大学バドミントン部について、小林さんは「練習する環境は今まででの練習してきた中で一番良いです。指導者やスタッフ人がずっとついてくださって練習メニュー細かく伝えていただける環境は感謝しています。また、この環境によって、難しいバドミントンするのに適したからだづくりも順調にすすんでいる」と龍谷大学バドミントン部に対して満足のお声をいただけました。また、部の強みに対しては「部員全員が、同じ練習メニューに取り組んでおり、試合メンバー関係なく厳しい練習に取り組んでいくっていうのはチームとしての強みだと思います。個人としても結構今までで今までやってきた中でもきつい練習を続けてると思うので、そこはやっぱり試合での自信であったり、自分で無意識的に体が結構耐えれることに繋がっていると思います」と日頃の練習の過酷さをそれに仲間と取り組んでいる姿が見受けられました。

 

大学での勉強について

 小林さんは、授業に出席し、テストやレポートをしっかりこなした上での部活に取り組むという認識を持たれ日々学問に取り組んでいただいております。そんな小林さんは、経営学部の学部共通コースのスポーツサイエンスコースに所属されております。

 薮中先生のゼミで、「スポーツ心理」について学びを深めており、具体的には自分たちが興味あるワードからプレゼンテーションを行う学習をしているそうです。

 薮中ゼミには、同じバドミントン部の部員だけでなく、柔道部やラグビー部などの他の体育会系の部活に所属する学生がおり、このことで小林さんは個人競技と団体競技での意見の違いやラケット競技とそうではない競技での異なる意見も聞けて、すごいい環境で興味のあることを学べていると思ってくださっているようです。

 

今回の全国優勝について 

 今回の全国大会(個人)に対して、小林さんは「前回大会の結果は越える」という目標と「全日本総合出場の権利であるベスト8に必ず入賞」の2つの目標を掲げていました。この高い目標を達成するために努力するなかで、小林さんには「全国優勝したい」という気持ちがずっとあったようです。

 そして、大会当日、出場する選手する全員が強い状況でどのような心境だったか尋ねてみたところ「いい意味で緊張しなかった」と大会の日を振り返ってくださいました。続けて、「1試合1試合、その時の対戦相手を冷静に分析し、優勝という目標よりも目の前の対戦相手に集中することに自分をもっていけたことがよかったと思います」と勝因を冷静に分析していただけました。

 しかし、冷静な小林さんも優勝を決める決勝戦で、あと3点勝ち取れれば悲願の全国優勝となったときは「何が起こるか分からないから集中しないといけない。けど、あと少しで優勝だ」と優勝を意識したようです。優勝まで残り3点という状況になるまで優勝よりも目の前の選手に勝つための最善を策を探す姿勢は小林さんの強さの要因でしょう。

 


 

個人優勝の瞬間 

 優勝が決まったときのことに対し、小林さんは「最後の1点を決めたときはうれしかったですが優勝したという実感がなくて、倒れ込むとか感情が全面にだすことはなかったのでチームメイトからももっと喜べばよかったのに言われます」と笑顔で語ってくださいました。そして、「監督やスタッフのみなさんに優勝という結果で恩返しができてよかった。そして、支えてくださった方々が笑顔で労ってくれたのをみて優勝したんだと実感しました」と小林さんの人の好さと龍谷大学バドミントン部の魅力が伝わる話をしていただけました。

 

個人・団体優勝の2冠を目指し

 個人で全国優勝を決めた小林さんですが、団体戦での全国大会があり、こちらでの全国優勝も目指さなければなりません。しかし、団体戦前に納得できるプレーができなくなってしまった小林さんは、本来の調子を取りせず団体戦に挑むことになってしまいました。その結果、自信がない状態でプレーをしてしまい相手に攻め込まれてしまう場面があったことを後悔しておりました。

 小林さんは、自分自身の試合を振り返ったあと「団体戦は個人戦とは異なり、一人が負けたとしても他のメンバーが勝利することでチームを勝利導くことができれば優勝を目指せるので仲間を全力で応援しました。昔は、自分自身が負けた後に反省の時間を設けず応援に切り替えていいのかと葛藤がありましたが、先輩方が応援してくれることがうれしいと声をかけてくれたので、自分が勝利しないといけない場面で勝ちきれなかった悔しさはあるが仲間のこおとを考え応援に専念しました。そいて、メンバーが自分が負けた分、勝利してくれたことには感謝してます。また、仲間の勝利は純粋にうれしかった」と語ってくださいました。 個人としては、課題が残るかもしれませんが、仲間と切磋琢磨し勝ち取った創部初の優勝は非常に価値のあるものでしょう。

 

最後に一言  

最後に小林さんから一言!

「残りの大学生活2年間にも様々大会がありますので、今回の結果に満足せずに頑張ります。」  


2月14日(金)に、龍谷大学先端理工学部と滋賀県立彦根工業高等学校、滋賀県立八幡工業高等学校、滋賀県立瀬田工業高等学校、滋賀県立国際情報高等学校、京都市立京都工学院高等学校との高大連携事業の一環として、オンライン特別講義を実施しました。

上記高等学校と先端理工学部は、生涯にわたって学習する意欲と態度を育成するとともに、基礎となる知識や技術・技能、学び方等を確実に身につけることを重視した教育の在り方や、高等学校での教育と大学での教育に関する教育接続等を共に考え、実践し、技術者教育の発展に寄与することを目的として、高大連携協定を結んでいます。なお、高大連携協定を結んでいる上記高等学校のうち、滋賀県立彦根工業高等学校、滋賀県立瀬田工業高等学校、滋賀県立国際情報高等学校は、令和6年度高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)に採択されています。

今回の特別講義は、データサイエンスやAIの理解を深めることを目的に、先端理工学部知能情報メディア課程 藤田 和弘教授が「データサイエンス・AI、大規模言語モデルによる対話型AI」について講演しました。

高校生にとって、今注目を集めている大規模言語モデルによる対話型AIについて、知識を深められるだけでなく、大学での学びを体験できる機会となったのではないでしょうか。


<講義スライド①>


<講義スライド②>


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